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日本経済は、1955年ごろから1970年代中ごろまでの約20年間に年平均10パーセントを超える高度経済成長を遂げました。経済規模の指標とされるGDPは、途中いくつかの踊り場はあったものの、バブルの崩壊までは一貫して右肩上がりの成長を続けてきたのです。
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| 土地本位制資本主義経済
戦後の高度経済成長には、大きな特徴があります。 企業は土地を担保にお金を借りる。そのお金で事業を興し、利益が出たらそのお金でまた土地を買う。その買った土地を担保にお金を借りて、さらに事業を起こしたり、拡大させる。このように企業の事業運営の中にはがっちりと土地が組み込まれていたのです。 土地の信用が膨張していくことで、日本の経済はその規模を発展させてきたといえるでしょう。GDPの伸びと同様、地価もどんどん上昇していきました。この仕組みを私は「土地本位制資本主義経済」とよんでいます。 |
| 住宅政策
住宅は戦後、当時の全住宅数の3分の1にもあたる420万戸、という大量の住宅不足に加え、戦地からの復員や外地からの引き揚げによる人口の増加も重なり、住宅不足に一層の拍車をかけていました。絶対的な住宅数不足を補うべく、大量の住宅建設が進んだことで1968年にはすでに、住宅数が世帯数を上回りました。 ところがその後、住宅数が足りてからも、住宅建設は継続してすすめられます。その目的は、都市への労働力流動による急激な都市化と、核家族化で増加した世帯数などによる住宅難解消、居住水準の向上。 日本の住宅建設は、経済政策・景気対策の一翼を担う重要な役割を果たしてきたといえるでしょう。地価が右肩上がりで上昇していくことから、賃貸アパート→公団賃貸住宅→郊外持ち家へと移り変わる、「住宅すごろく」という概念が人生の成功パターンとされました。 |
| バブル経済
1980年代後半には、いわゆる「バブル経済」に突入。市中にあふれた過剰流動性は、なだれをうって土地に向かったのです。土地そのものが価値を持つとされ、企業も個人も競って不動産を求めた時代。土地は理論値を越える価格で次々と転がすように取引され、GDPの伸びをはるかに超える地価上昇を招きました。 やがてバブルは崩壊し、実態を持たない地価が急降下を始めました。当時、地価はいずれ反転するだろうと楽観視されていましたが、その予想に反し地価は一貫して、下落を続けたのです。ここまで下がり続けてきた地価の動向をバブル崩壊だけで説明することはできません。バブル崩壊と同時に、これまでの日本の「土地本位制資本主義経済」をも、崩壊したことを意味します。 現在、土地に対する考え方は「所有価値」から「利用価値」「活用価値」へと転換。所有することそのものに意味はなく、利用して初めて価値を持つという考え方への転換です。 |
| 今後の不動産動向
日本の地価は、今後どのように推移することが予想できるでしょうか。アメリカ・イギリスの土地資産総額は、自国の名目GDPとほぼ同じようなところに位置しています。 一方日本の場合、土地資産はおよそ1300兆円あるとされています。(国民経済計算 内閣府/平成15年度)対するGDP(国内総生産)は500兆弱。日本の地価総額は実に、GDPの2.6倍のボリュームがあるのです。このことは、日本の土地がまだまだ高いこと、とりわけ住宅地が高止まりしている状態であることを意味しています。 現在、地価が反転や下げ止まりをみせている、ブランド立地の商業地やほんの一部の住宅地をのぞいて、大半の住宅地は、いまだ高い水準にあるのです。 |
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| 今後、日本は質的な豊かさを求める成熟社会を目指すとともに、本格的な人口減少と少子・高齢化社会を迎えます。 その状況下での住宅は、「量の確保」から「質の向上」へ。新築住宅偏重のスクラップアンドビルドから、「ヴィンテージ住宅」とでも呼ばれるような質実剛健たる中古住宅を、メンテナンスを施し大切に住み継ぐ時代へと、国はすでにその舵をとり始めています。 高度経済成長期は、地価が上昇し続けたことで人々の関心は、不動産のうちでもとりわけ、土地の取得に強い関心がありました。これから成熟社会を迎える日本は、相対的にも、絶対的にも、「建物の時代」に向かいます。建物の評価がウェイトを占め、土地・建物が一体化された住宅としての価値が重要視されるのです。さらに、その住宅を取り巻く環境・街並みなどの住文化・生活文化の醸成度が重要視されるようになるでしょう。 近い将来新築住宅も中古住宅も、私たちの選択における価値観や世の中の評価は、時間軸の視点をより重要視する考え方が主流となる時代がやってくるでしょう。
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