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なぜ車社会の街は暮らしにくい? 3つの要因で今後注目の「コン...

2020年01月31日

ARUHIマガジン

なぜ車社会の街は暮らしにくい? 3つの要因で今後注目の「コンパクトシティ」とは

なぜ車社会の街は暮らしにくい? 3つの要因で今後注目の「コンパクトシティ」とは

なぜ車社会の街は暮らしにくい? 3つの要因で今後注目の「コンパクトシティ」とは

高齢者が引き起こす悲惨な交通事故が社会問題化しています。事故が起きるたびに運転免許の返納が呼びかけられていますが、大都市圏以外ではなかなか進みません。マイカーが日常生活の足になっているからです。人口減少時代にマイホームを取得しようという30~40代は、30年後を見据えて住む場所を考える必要があります。人がこれから住むべき「コンパクトシティ」への取り組みが全国で始まっています。

コンパクトシティとは?

街の中心部に住宅や店舗、公共施設などが集約され、市街地は公共交通機関でつながった文字通りコンパクトな都市のことです。人口の少ない小都市という意味ではありません。

地方の駅前商店街がシャッター街になっている姿は、20年以上前からあちこちで報じられていますが、その原因は高度経済成長の過程で多くの人が郊外に移り住み、都市のドーナツ化現象で中心市街地が廃れてしまったからです。郊外には巨大ショッピングモールができ、そこに自家用車で買い物に行くライフスタイルが地方では一般的になっています。

国が豊かになって誰もがマイカーを持てるようになったこと自体は良いことですが、街の中心部から郊外へ無秩序・無計画に開発が拡散していくスプロール化現象が起きてしまい、現在は街全体が衰退しています。

ドーナツ化やスプロール化が起きても、何となくすべてうまく回っていたのは、高度経済成長下で人口が増えていた時代の話。少子高齢化で人口減少するこれからは、「拡大」から「縮小」へ方向転換して、都市構造を再構築しなければなりません。

人口が分散するとインフラ整備ができない

都市のコンパクト化が求められる主な理由は3つです。

クルマ中心の街は高齢者にとって住みにくい

まず、高齢者が日常の買い物や通院のために自分で車を運転しなければならない街は、単純に不便で暮らしにくいということです。高齢者にとって、公共機関と徒歩で利用可能な施設は不可欠で、利便性の高い地域に施設が集まっていることが大切になります。また、居住地域が一定範囲内に収まっていれば、送迎・訪問介護等の福祉サービスも効率よく提供できることになります。

高齢者による交通事故も増えています

郊外に分散した街のインフラ維持はむずかしい

次に、居住地が郊外へと薄く広く拡散した街のインフラや公共施設を、これまでと同じように維持することは財政的に困難になっています。不動産コンサルタントの長嶋修氏は、自治体経営の観点から都市のコンパクト化が必要だと語ります。
「本格的な人口減少はこれからなので、道路、上下水道、ごみ収集、除雪などは街を縮めないと財政的にやっていけなくなります。無理にすべて維持しようとすれば、市民1人当たりに税金をいくら使うのか、みたいな話になります。将来は、自治体経営が厳しくて行政サービスが維持できず税金を上げる自治体も出てくるでしょうし、一方で、コンパクトにまとまっていて税収が豊富で行政効率がよい自治体もあるでしょう。そうなると住んでいて快適さが違いますし、不動産価格も違ってきます」

街中の空き家問題が深刻化し固定資産税の減収も

3つ目も自治体経営に関わることですが、中心市街地が空洞化して不動産としての価値が下がると、固定資産税収が維持できず、財政を悪化させるからです。特に地方では税収に占める固定資産税の割合が高く、中心市街地の空き家問題は深刻です。

昨年12月末の厚生労働省発表によれば、2019年の出生数は初めて90万人割れの見込みで、死亡数から出生数を差し引いた人口の「自然減」は51万2,000人と初めて50万人を突破する見通しです。鳥取県の人口が約57万人ですから、この先も毎年、鳥取県と同じくらいの人口が減っていく可能性があるわけです。

コンパクトシティを目指す国の政策は

全国の自治体をコンパクトシティへと誘導する国の施策は「立地適正化計画」制度です。人口が減っても持続可能なコンパクトな街づくりを後押しするため、2014年8月に施行された都市再生特別措置法によって新たに創設されたものです。
市町村などが独自に「誘導区域」を設定し、補助金や税制優遇、規制緩和を通じて区域内に住宅や店舗などの対象施設の立地を促します。

誘導区域は2種類で、住宅を集める「居住誘導区域」と、病院や福祉施設、学校、商業施設、役所といった地域住民に必要な施設を集める「都市機能誘導区域」です。

参考:国土交通省HP

誘導区域外の開発は禁じられてはいませんが、これまでのような郊外の野放しの開発にはストップがかかるでしょう。自治体は事業者に代替地のあっせんや勧告などを働きかけることができます。

国土交通省で都市政策・地域づくりに携わった獨協大学経済学部の倉橋透教授はこう話します。

「2014年にできた法律なので、評価するにはまだ早すぎますが、戦後の都市計画はどんどん拡げること一辺倒だったので、縮めるという施策は画期的といえます。中心市街地の商店街がシャッター街になってしまった原因には、地域のマネジメント力が不足していたこともあります。郊外のショッピングモールではテナントミックスを考えるし、店を並べる順番や人の流れなどを綿密に計算しています。今後、誘導区域ではそういうマネジメントが必要になるでしょう」

国土交通省のWebサイトによれば、2019年7月31日現在、全国で477都市が立地適正化計画について具体的な取り組みを行っており、そのうち272都市が計画を作成・公表しています。立地適正化計画に参画しているのは決して地方の中小都市ばかりではありません。関東でも川越市や千葉市、宇都宮市などが計画を公表しています。それだけ大都市圏でも将来の人口減少に対して危機感が強いといえます。

住まい探しをしているときに、立地適正化計画の名称をすでに聞いたことがあるという人もいるかもしれません。今後は誘導区域が具体的にどこなのかをしっかりチェックしましょう。誘導区域外は将来的に何かと住みづらくなるかもしれません。

執筆者:横山 渉

最終更新日:2020年01月31日

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