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FLAT HOUSEの種類/平屋暮らしの初心者におすすめな文...

2018年02月01日

アチュー・ワークス

FLAT HOUSEの種類/平屋暮らしの初心者におすすめな文化住宅とは?

FLAT HOUSEに住む#6

FLAT HOUSEの種類/平屋暮らしの初心者におすすめな文化住宅とは?

家賃もお手頃、暮らしやすいビギナー向け平屋/文化住宅

米軍ハウスに比べてぐっと数も多く、日常でも見かけやすいFLAT HOUSEがこの「文化住宅」である。そのほとんどは日本人が住むことを前提として建てられており、その分サイズも小ぶりで部屋数も少ない。米軍ハウスを雛形としていると言われているものの、畳敷きの和室や土間の玄関はもとより、浴室とトイレは別々に設けてあったり、掃き出し窓や雨戸が付いているなど、日本人の生活習慣に基づいた和風にアレンジされている。やはり基地の街周辺に多く見られるが、炭鉱町や工業都市などでも散見でき全国的に分布している。この呼び名は関西地方のものという説が強く、関東では「家作」とも呼ばれていたようだ。米軍ハウスのように特定業種の人々が住んでいたというわけではないので定義付けが難しいが、昭和40年代までに造られ集落で建つ木造平屋住宅は概ねそう見て差し支えない。まだまだ残存数も多い上、造作やそのサイズから米軍ハウスよりも暮らしやすい文化住宅。平屋暮らしの初心者はまずこのFLAT HOUSEから住んでみるとよいだろう。

モルタルの破風に切妻屋根、フラッシュドアの玄関に掃き出し窓。典型的な文化住宅のファサード(正面から見た外観)。

こんなふうに並列で建っているケースが多い。その分取り壊すと、まとまった土地になるため、再開発の標的になりやすいのである。

不思議と茶系が多い中、しばしば明るいカラーリングの平屋も見受けられる。ブロック塀でなくフェンスという点も良い。窓と雨戸は刷新されている。

塀やフェンスの類のない平屋集落。本来はこういったノーパーティションが理想である。屋根付きのバルコニーがしっかり残っていてオーナーがきちんと手を入れている様子が見て取れる。

ダブルのゲーブルに総モルタルの外壁、玄関部分にはピロティが設けられているかなりしっかり造られた文化住宅群。その上各棟の前部には広いカーポートも付いているというデラックスぶり。昭和40年代も後半に造られたものと推測。

縦列で建っているめずらしい集落。往時には左右にも建っていたが、取り壊されてこの2棟だけが残ったのではないかと推測される。これらの解体も間近のように見える。

左端の一棟だけ建て替えられたように見える集落。オーナーの自邸という推測もできるが、サイズが同じなので店子が購入しリフォームしたのかもしれない。

破風が3つもある一棟。よくよく見るとL字型をしたモダンなフォルム。建物のパーツと敷地の広さから集落だったように見えるが現在はぽつんと一棟のみが建っている。

こちらも取り残されたと思しき文化住宅。しかしファサードの完成度がジツに高い。掃き出し窓がなく側面に玄関があるためか、小ぶりな米軍ハウスのようにも見える。再生したらさぞかし良い平屋になるだろうハイポテンシャルな一棟。

こちらは九州の元炭鉱町にある文化住宅。おそらく炭鉱の社宅だったのではないだろうか。煉瓦造りで6枚ガラスの木枠窓や跳ね上げ式窓など、全体的にとても洒落ている。首都圏では見ないタイプである。


トリを務めるのはこれまで見た中で一番小さなこの物件。「ちっちゃ!」とつい叫んでしまった“狭小”文化住宅だったが、その実はなかなか洒落ていて、内覧後は「書斎に借りたい!」と思えた記憶の一棟。

玄関前には半畳ほどの極狭ピロティ?がある。下見板も焦茶で洒脱、小さいながらもとても絵になるエクステリア。

1坪ほどのキッチンに4畳半がふた間といった間取り。しかし悪い印象は不思議とない。

猫の額とはこのことかと思い知らされる庭。しかし塀は低く、同じタイプの隣棟が見えるので借景は決して悪くない。

特筆すべきはこの浴室。浴槽も古いが、不思議と不潔な感じは皆無。お勝手が木の引き戸というのもなんとも粋である。


以上が文化住宅だ。

これらはいわば昭和の経済成長期の「抜け殻」のようなものであり、日本人の暮らしが戦争前から現代的、西洋的なライフスタイルへと移り変わっていった変遷を記す里程標のようなものではないかと感じる。相当数が造られていたと思しきこのFLAT HOUSE、街の乱開発が進む現在もまだ間に合う物件が多いのも事実。とはいえ、街を歩けば「この集落もなくなったか」と嘆かされること度々の昨今、今となってはあっという間に絶滅してしまう可能性もなきにしも非ず。「いつかはFLAT HOUSEに」とお考えの方は明日にでも物件探しに出かけていただきたい。


アラタ・クールハンド arata coolhand

(イラストレーター/文筆家 東京出身)

ロゴタイプの制作からパッケージデザイン、広告、CDアートワーク、洋服の企画などを仕事とする。2009年と2012年に東京都下周辺の古い平屋ばかりを網羅した『FLAT HOUSE LIFE』を発刊し(2017年に『FLAT HOUSE LIFE1+2』として復刊)その後一冊一軒の平屋にフォーカスしたよりマニアックな『FLAT HOUSE style』をシリーズ化して自費出版。今夏には九州の平屋だけを集めた『FLAT HOUSE LIFE in Kyushu』をリリース。幼少期に山口県の外国人向け平屋住宅での生活を体験、その後東京都下の文化住宅や米軍ハウスでの暮らしを経て、現在は都下の文化住宅と九州の米軍ハウス2拠点を軸に活動する平屋フリーク。

最終更新日:2018年09月13日

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