ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
平屋住人のリユース術(2)回収した米軍ハウスのドアを磨き直し...

2018年08月14日

アチュー・ワークス

平屋住人のリユース術(2)回収した米軍ハウスのドアを磨き直して再利用

FLAT HOUSEに住む#12

平屋住人のリユース術(2)回収した米軍ハウスのドアを磨き直して再利用

何をする上でもまず「おカネ」というワードが口をついて出てしまうのが、この貨幣経済社会で生きるわれわれのサガ。しかし古い平屋に暮らす平屋愛好家/FLAT HOUSERたちは極力金銭を使わない。お金で解決するのはあくまで最終手段、まずは無料で入手できる廃棄物のリユースを第一に考える。その次は中古品の購入。リサイクルショップは元より、ネットオークションやリサイクルのサイトをフル活用する。消耗品以外はプロパーでの物品購入がほとんど念頭にないのが多くのFLAT HOUSERである。前回に引き続き第2回の今回は、解体家屋の廃棄建具の救出から蘇生、そして再利用するまでの流れを見てみよう。


取り壊しが決まり解体待ちの米軍ハウス。この状態を見せられるのは本当に辛い。しかも見たところ状態も悪くなく、まだまだ住めるコンディション。もったいないの一言に尽きるが、嘆き悲しんでいる暇はない。止めることがかなわないなら使えるものの救出に努めるのみ。

古材の救出&搬入

まずはオリジナルと思しき玄関ドアにロックオン。窓やシンクと並んで流用がしやすいパーツだ。米軍ハウスにはまっているドアは建築当時の大工が一枚一枚作ったものがほとんどなので、きちんとリペアを施せば再び良いプレイヤーとなって社会復帰してくれる。


次にオーナー及び解体業者の許可を得る。得られたら指定日時に工具を携えて現場へ行く。クルマは軽トラがベストだが、幅の広いものも飲み込んでくれるワゴンやワンボックスなどでもOK。


今回は指定日時に予定があったため諦めていたのだが、近隣の友人が工事初日に乗り込んでサルベージして来てくれた。満身創痍のこの状態をリファインし、自宅にそぐわない玄関ポーチのアルミ製ドアとの交換を試みる。

蝶番に付いた木片からサルベージが難航したことが窺える。注目すべきは古い蝶番の形状。確かに昆虫の蝶に似ている。

パーツ修理&除去

空転して用を成さなくなっていた真鍮ドアノブの取りはずしから取りかかる。作業しやすいよう出っ張りをなくすという意味合いもあり。 

外したドアノブのラッチケースを分解すると、鍵穴から入ったらしきジグモの空巣があってびっくり。空転の原因はバネの外れ。同時に内部を清掃し、潤滑剤を満遍なく吹きつけて再び組み立てる。

むやみやたらと刺さっている釘や、ドアチェーンなどの金具類も丁寧に外してゆく。

本体の修繕

フラッシュドアの内側には断熱材を枠ごとに切ってはめ込む。オリジナルは空洞だったのだから、冬は冷風が室内によく入って来ただろう。劇的に変わることはないかもしれないが、入れないよりはずっと良い。

前住人が寒さのために苦し紛れに張ったと思しき新聞紙やガムテープが固化して剥がれない。スクレーパーだけでは剥がしきれずサンダーを出動させるも、予想外に手間取った。

裏面から断熱材を入れた後、4mmベニヤをネイラー(釘打ち機)を使ってパスパスと張っていく。この工具を用意できない場合は釘かビスを用いても良い。ドアの場合は耐水性の高いT1ベニヤが好ましいが、今回は塗装をかけるため安価なT2で問題ナシ。

ガラスを入れずに木板で塞がれていた窓には再びガラスを入れて復元させる。そのためトリマーと呼ばれる工具を使って開口。こういった工具は大きなDIYショップなどでレンタルしているので利用したい。

古い蝶番は残念ながら復旧かなわず。新しい蝶番を取り付けるためにノミで溝を掘る。

再塗装の前に古い塗装をサンダーでしっかり剥がすが、やり過ぎると本体を削ってしまうため適当なところで切り上げる。このままの感じもまあ悪くはないのだが、きっちりとリペイントするのがFLAT HOUSER流。今回は変わった色のラインナップが多い某ホームセンターのオリジナルペイントを採用してみた。2日間に渡り焦らず重ね塗り。

裏=屋内側のベニヤはホワイトに塗装。ラッチは元々付いていたものを再使用するが、ノブは軸がすり減って空回りするため、別の平屋から救出してきたものを取り付けた。ガラスも入ってすっかり本来のドアらしくなった。

自宅のドアを外して吊り込み完了! 元々このハウスにも木製のフラッシュドアが付いていたはず。斯くあるべき姿に戻ったようで、こちらも清々しい気持ちになる。


今、家を新築したりリフォームしたりすれば必ずや新品のドアを付けることになるだろう。それらのほとんどは工場で作られたものであり、カタログで選んで注文しそれを持ってきて取り付けるだけといったものだ。それは1枚10万円から高いものであれば数十万もする。

かたや廃材を使えばタダ。リペアの材料費を入れても1万もかからない。ゴミの減量にも繋がり味わい深さも醸してくれる。廃材のリユースは私たちにいろいろなものを与えてくれるのである。


【取材協力】

Key Craftworks / Mako's cafe

アラタ・クールハンド arata coolhand

(イラストレーター/文筆家 東京出身)

ロゴタイプの制作からパッケージデザイン、広告、CDアートワーク、洋服の企画などを仕事とする。2009年と2012年に東京都下周辺の古い平屋ばかりを網羅した『FLAT HOUSE LIFE』を発刊し(2017年に『FLAT HOUSE LIFE1+2』として復刊)その後一冊一軒の平屋にフォーカスしたよりマニアックな『FLAT HOUSE style』をシリーズ化して自費出版。17年には九州の平屋だけを集めた『FLAT HOUSE LIFE in Kyushu』をリリース。幼少期に山口県の外国人向け平屋住宅での生活を体験、その後東京都下の文化住宅や米軍ハウスでの暮らしを経て、現在は都下の文化住宅と九州の米軍ハウス2拠点を軸に活動する平屋フリーク。

最終更新日:2018年09月13日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。