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玄関で仕事 !? 米軍ハウスの後付けスペースの魅力

2019年01月31日

アチュー・ワークス

玄関で仕事 !? 米軍ハウスの後付けスペースの魅力

FLAT HOUSEに住む#17

玄関で仕事 !? 米軍ハウスの後付けスペースの魅力

その多くは米軍ハウスに

戦後駐留米国軍人が住んでいた平屋=米軍ハウスには靴を脱ぐスペース、いわゆる玄関というものがない。彼らの本国に倣ってエントランスのドアを開ければ即リビングルーム。屋内で靴のまま過ごす西洋人が住むように建てられたのだから当然必要ないのである。しかし彼らが出て行ったあとに入居したのは日本人。当然屋内では靴を脱ぐというのがライフスタイルだ。そこで設けられたのが「前室」などとも呼ばれるポーチという小部屋。ここで靴を脱ぎ、脱いだ靴を収納しておく。靴を脱ぐスペースとしてだけではなくちょっとした物置的な土間としても使用できるので、これがなかなか便利な空間なのだ。


木製ドアに網戸付きの木のサッシ、1坪強の典型的なポーチ。このシルエットこそがクラシカルな米軍ハウスである。


靴が脱げればいいだろうという程度のかなり小ぶりな可愛らしいポーチ。


もうひとつの部屋といっても差し支えないほど大きな前室。窓もたくさんあり、ここでお茶を飲んだりと寛いだりもできそう。

住人自らが造ったものも

米軍兵が帰国したあと大家が「さすがに日本人に貸すのには玄関がないと…」と配慮し造らせたものがこのポーチなのだが、中には住人自らが造ったものもある。玄人はだしのものや本職では考えつかないような造作のものも。また、頑張ったんだろうけどちょっと残念というレベルのものもあり、見ていて面白い。


ドアのないオープン型のポーチは住人による造作。壁にアドレスがダイレクトに記されていてとても洒落ている。それもそのはずここは美大の先生がアトリエとして使っていたハウス。ちなみに歩道のレンガによるインターロッキングも住人によるもの。


こちらもなかなかの大きさのポーチ。自らの作品のディスプレイを兼ねるために住人であるアーティスト夫妻が設えた。ドアもそれらしくカスタマイズされている。 


うーん…サンタフェ風にしたかったのだろうか、路半ばにして作者退去の感あり。こういうレベルのものを造って出て行かれてしまうとお鉢を食うのは次の住人。 

家に入る前の「切り替え」の場

玄関の土間として造ったはずのポーチだが、家屋本体からスティックアウトしているため3方向採光の風通しの良い小部屋という特殊な空間となっているケースがある。

近隣住人が回覧板などを持って来た際にはここで立ち話をしたり、郵便物を受け取る際にも重宝する。「ちょっとだけ話したい」来客者、または「上げるまでもない」訪問者に対しては家のドアを閉めてここで対応できるというワケ。もはや玄関というだけではなく、家に入る前のワンクッションとして有用なスペースとなっている。


埼玉県のKさんハウスのポーチは立派な切り妻屋根で、インディペンデントな個室になっている。


入って右側には靴棚があり14~15足収納できる。大きな跳ね上げ窓もあって風通しも良好。


掃除用具や自転車の空気入れ、スツールなど生活用品も雑多に収容されている。 

靴脱ぎ場だけにあらず

冒頭でも述べたように、単なる玄関としてだけではなく家の中には置きづらいようなものを収納する場所としても機能する。自転車やベビーカー、プランターや灯油タンクなどなどあらゆるものが置かれることを許容してくれるのが前室の素晴らしい点だ。


Mさんハウスのポーチはアトリウム(温室)にさも似たり。。全面がメッシュ張りの網戸仕様になっている。


風通しも日当りも良いためプランターを置くのに最適。それと共に暖房用の燃料タンクも同居。雨に濡れずに補充もでき、灯油の臭いも籠らない。


ミュージシャンのWさんハウスのポーチは機材庫を兼ねて。ドラムセットがスッポリ収納できる上、天窓も開いていて気持ちが良い。


Tさんハウスのポーチは既に玄関の域を超えたワークスペースとなっている。商品のストックから撮影や梱包もここで完了。このようなスペースがあれば仕事の幅も広がり、ジンセイの方向さえ変わりそうな気がする。


当初は日本人の住居として使用するため設えられた土間だったのが、時間を経て納戸や仕事場としてまで流用されている玄関ポーチ。昨今ではその有用性から新築の家にも同様の広い土間が造られたりしているようだが、このフラット・ハウスの嬉しいおまけであるポーチこそがそのオリジンなのである。


アラタ・クールハンド arata coolhand

(イラストレーター/文筆家 東京出身)

ロゴタイプの制作からパッケージデザイン、広告、CDアートワーク、洋服の企画などを仕事とする。2009年と2012年に東京都下周辺の古い平屋ばかりを網羅した『FLAT HOUSE LIFE』を発刊し(2017年に『FLAT HOUSE LIFE1+2』として復刊)その後一冊一軒の平屋にフォーカスしたよりマニアックな『FLAT HOUSE style』をシリーズ化して自費出版。17年には九州の平屋だけを集めた『FLAT HOUSE LIFE in Kyushu』をリリース。幼少期に山口県の外国人向け平屋住宅での生活を体験、その後東京都下の文化住宅や米軍ハウスでの暮らしを経て、現在は都下の文化住宅と九州の米軍ハウス2拠点を軸に活動する平屋フリーク。  

最終更新日:2019年01月31日

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