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清澄白河に住む~マルシェなど地域の交流も活発 オープンマイン...

2019年02月19日

アチュー・ワークス

清澄白河に住む~マルシェなど地域の交流も活発 オープンマインドな雰囲気のまち

憧れのライフスタイルから街選び

清澄白河に住む~マルシェなど地域の交流も活発 オープンマインドな雰囲気のまち

人気の街ランキング。それだけを頼りにして住む場所を決める。果たしてそれは、あなたにとって本当に幸せなくらしができる場所選びなのでしょうか。あなたのくらし方に合う素敵な街は、意外なところにあるのかもしれません。話題先行ではないから、または人気でも少し視点を変えれば家賃も間取りも狙い目が多くなる、そんなエリアでのくらしぶりを見てみました。


個人で食品・雑貨の輸入業を営む久保田ゆかりさん。商社勤めのパートナーさんと2017年に生まれたばかりの長男と3人での賃貸物件ぐらしです。清澄白河エリアに住み始めたのは12年前。当時、清澄白河を選んだ大きな理由は、都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線の2線が使える利便性。さらに、木場や門前仲町も徒歩圏内ということで東京メトロ東西線も利用可能ということでした。都内、都下各所での営業、イベント出店が多い久保田さんと日本橋が勤務先のパートナーさんにとって、ちょうどよい場所だったのです。神奈川県出身のお二人にとっては、東京の「東側」は縁のない場所で、あくまでも利便性のみで立地を選んだそう。


清澄白河駅は、都心部へのアクセスがしやすい。都営大江戸線と東京メトロ半蔵門線の2線が使える。


清澄白河駅近くの「深川資料館通り」は昔ながらの風情と新しい個性が入り混じったかわいらしい商店街。地元密着型でもあり、観光客にとっては楽しい散策路でもある。


「本当に利便性だけで選んだので、住んだ後もしばらくは愛着も何もありませんでしたし、当時は地域での交流などもする気はありませんでした。ただ拠点があるだけという場所でした」(久保田さん)。それがここ数年、利便性だけではない魅力に気づき、どんどん好きになっていったと言います。それはどんなきっかけで生まれた、どんな魅力だったのでしょうか。それが端的にわかる場所として、久保田さんは、あるマルシェを紹介してくれました。

動けないという状況が出会いを広げてくれた

清澄白河プチマルシェの会場となる「fukudaso cafe」。古い建物をそのまま生かした風情ある外観。


それは「清澄白河プチマルシェ」。毎月第2日曜日の10時から12時まで、地元の飲食店や雑貨店などが集まり開催されています。もともとは「洋服ポスト」という取り組みがきっかけではじまったイベントでした。「洋服ポスト」とは、まだ着られるにもかかわらず眠っていたり、処分されてしまう衣類を集めて売却し、これを原資にした寄付金を環境保全や社会貢献のための活動などに還元するというもの。清澄白河プチマルシェでは、沖縄のサンゴ保全活動が主な支援先になっています。

当初は洋服ポストのみでしたが、せっかく人が集まるのだからそれを生かしたなにかができないか、ということでマルシェへと発展。マルシェでの収益の一部も同様にサンゴ保全活動の支援に使われます。

久保田さんが出店をはじめたのは昨年から。


おしゃれで心地よいスペース。東京のノスタルジックさとヨーロッパの街角にいるような非日常感。


久保田さん:出産がきっかけでした。出産、育児で今までのように動けなくなったんです。私が扱っている商品を好まれる方が集まる場所は、青山や麻布十番や横浜、二子玉川。ワインと一緒にという需要も多いのでいわゆる「ナイトマーケット」、夜に営業する飲食店やイベントも大切な営業先。そういう場所を日々回っていたのですが、それができなくなりました。そういうタイミングで、原点回帰といいますか、地元を開拓してみようと思ったんです。やってみると、あれ? いろいろあるじゃない、という驚きがありました。そんな中、友人からの誘いで、2017年からマルシェに出店しました。ここで大きく流れが変わったんです。


久保田さんが扱う商品。この日並んだのは、スペイン・マラガで魅了されたというオリーブオイルやオリーブの瓶詰め。デンマークのオーガニックグミキャンディなど。


商品をたくさん詰め込んだ重い荷物をもって都内を駆け回る仕事ができなくなると、都内でのアクセスの良さというメリットはなくなったそうです。でも、地元での販売の可能性や営業の機会が意外とあることに気づかされ、マルシェを通じてエリアの魅力、ここに住む人たちの魅力を知ることにもなったと言います。


久保田さん:このマルシェは、みなさん、よい意味で無理をしていない。マルシェは日曜の午前中の2時間だけ。ふつうのマルシェは朝から夕方までやることが多いので出店者の負担ってとても大きいんです。でもここなら無理なくできるから次もやろうと思えます。そして、もともと「洋服ポスト」という取り組みから始まっているので、社会や地域への意識が高い人が多いのも特徴ですね。なんだか、みなさん、楽しみ方が上手というのか、それは清澄白河エリアに住んでいる方のキャラクターのように感じます。


近所のご友人。何代も前から地元に住み、ヨガ教室では先生をしていて現在はマレーシアにも拠点を持つという、久保田さん曰く「最近の清澄白河を象徴するようなオープンマインドで活動的な人」。 


面白そうならやってみる。でも、できる範囲のことをやる。無理をするのではなく生活と商売の両方を楽しみながら。そんな方が多いのではと久保田さん。マルシェの主催者である風間重美(えみ)さんも、その言葉にうなずきます。「この地域は、子育て世代が多いんです。ベビーカーで遊びに来られるスペースがあれば、お客さんも出店者も赤ちゃんと一緒に過ごせます。久保田さんのようなフリーで活躍されていて子育てをされている女性も多く参加されていますから、和気あいあい、自然といい形で縁ができていく。それもこのマルシェが無理なく続けられる良さだと思います。東京ではご近所付き合いが少ないように思いますが、清澄白河はもともとそれがあります。そこに、マルシェを通じて、新しく来られた方もその輪に入って、こんにちは、という挨拶の回数が増えればいいな。それがくらしやすさになっていきますから」。


「洋服を持ってきてくださるだけだと申し訳ない。楽しみが増えるといいなということで3、4年前からマルシェを始めました」と主催者の風間さん。現在は山形と江東区の2拠点生活で、山形で出会った新鮮な野菜や干し柿などの名産品もマルシェに並ぶ。


久保田さん:このエリアは、ひいおじいちゃんのころから住んでいるという子育て世代の方も多いんです。なんといっても昔からお祭りでつながった近所付き合いがあったんですよね。それに、最近話題の新しいカフェやショップ、クリエイターの人たちも自然に輪に入れるオープンマインドな雰囲気があるんですよ。ぜんぜんおしつけがましくない。出店者同士も、地元のお客さんともどんどんつながれる。別のイベントでもコラボしたり、お店にうかがったり。以前は点で仕事していた気がするんです。でも今は縁で円が描ける。小さい円ですし、行動範囲は狭くなったけれど、でも…気持ち的にはとても広くなったんです。


地元のお店の人とも自然とつながっていくことができる。 


同じようなタイミングでもう一つの出会いがありました。「フカヒト~FUKAGAWA HITOTONARI」という街イベントを運営するメンバーである店部(たなべ)浩司さんです。フカヒトは、深川を構成する清澄白河、門前仲町、森下という3つのエリアの街歩きイベントですが、単に飲食や参加者の交流ということではなく、深川の昔と今とこれからを支える人々、例えば江戸の伝統文化からつながる新しい文化や、昭和から続く工場などでクラフトを担う人たちを知ってもらい、そこから街に親しみをもってもらおうというもの。江戸時代には職人、商人、武士、芸者・芸人などが集まり活気にあふれていたという深川。その伝統は今でも生きているし、これからも生かしていきたい。それがこのイベントの狙い。


2013年4月オープンした「manmacafe 151A」。「子どもができてベビーカーで入れない飲食店が多いことに気が付きました。そこでお子様連れでも安心して食事ができる店をつくりたいと思ったんです」(店部さん)。久保田さんもランチにはベビーカーで訪れる。 


店部さんは「manmacafe 151A」というカフェレストランのオーナーでもあります。2013年のオープン以降、清澄白河の変化を感じてきました。「最初はこのあたりは閑散として店も少なかったのですが、その後サードウェーブコーヒーなどが少しずつ進出して、いつのまにか新しい店もかなり増えてにぎやかになりましたね。清澄白河のショップオーナー同志、とても仲がいいんです。競合業種でもギスギスしていない。町全体が大きなショッピングセンターみたいな感じ。もともとお祭り、お神輿でつながっている文化があって、それが生きているんでしょうね」


久保田さんは、最初は「おいしいランチの店」として通い始めましたが、次第に、家族ぐるみで関係が深まっていきました。


この日の定食は高知産の有機栽培の生姜を使った豚肉の生姜焼き。豚肉も築地場外の専門店から仕入れた赤城ポーク。料理は管理栄養士の奥様と一緒に。健康的な素材はもちろん、おいしさにもしっかりこだわる。


久保田さん:リピートしているうちに何げなく仕事の話になったんです。それをきっかけに私の扱うオーガニックグミを置いていただきました。私はこのころ、まだ地域になじんでない状況でしたが、店部さんは面倒見のいい方だから親身に聞いてくれて、いろいろなイベントや人をご紹介いただいて、そこからまたこのエリアでの新しい縁がつながっていったんです。


久保田さんが扱うオーガニックグミキャンディをカフェレストラン店頭で販売。


お祭り、お神輿、下町の情。これは決して暑っ苦しいものではなく、昔からいる人も新しく来られた人も、できる範囲で助け合ったり、気軽に挨拶しあったり。


久保田さん:店名は151A(一期一会)ですが、その場で終わりじゃなかったんですよ。このお店を通じていろんな一期一会がつながっちゃって、結局ずーっとこちらとの関係が続いています。

動けないからこそ見える風景も変わる

さて、久保田さんのお住まいに伺ってみましょう。オフィス兼用ですが、雑多な事務用品や書類などが散らかることもなく、とても美しく整っています。築浅でもなく一般的な団地の間取り、内装ながら、シンプルでセンスのよいインテリアや収納の工夫で、日常の活動にも、家族と共に羽を休めるのにも良い空間になっています。いまは落ち着いた環境ですが、久保田さんのこれまでの人生は、その真逆ともいえるものでした。


普段の事務仕事はダイニングテーブルで。できるだけ書類などがかさばらないようにしているとのことで、すっきりきれいな空間。 


久保田さん:大学卒業後、独立して仕事をしたいと考えていて、そのヒントを得るため単身でスペイン・マラガへ渡航しました。そこで日本の食品を海外で広げる仕事をしてみたいと思いつきました。でもなんの実務経験もありませんし思い付きだけでは無理がある。そこで貿易の勉強をするために、帰国して商社に入社しました。医療機器を中南米の国と取引する部署で、スペイン語を生かせることが決め手でした。そこでの経験を生かして2012年に独立。2013年から本格的に今の仕事をしています。


独立後は、平日も休日も、昼も夜も関係なく飛び回る日々。それでいいのかと、悩みながらも、疲れをためながらも走ってきたときに向かえた出産。久保田さんにとっては人生の喜びであると同時に、今までの経験や行動の制約を意味するものでもありました。人生の大きな転換点。でも、マルシェやフカヒトなどを通じて地元で活動していくと、全く新しい価値観が生まれ、ここだからこそできることに気がつきました。それは天からの「そろそろ自分を休ませなさい」というメッセージ…というのは言いすぎでしょうか。


お子さんができるまでは中東風でまとめていた部屋。そこにお子さんが安心して遊べるように少し改良。日差しは一日中、やさしく明るく差し込む。 


久保田さん:頭が固まっていたんですね。こうしなきゃ売れないとか、こういうやり方をしなきゃダメとか。それがガラッとかわりました。このあたりに住む人たちに教えていただいたのは、クオリティーオブライフ。みなさん、時間の使い方がうまく、気持ちが縛られていない。そういうみなさんと触れ合っているうちに、じわじわとこのエリアの魅力に気がついたんです。走り回っていた時には利便性、今は落ち着いた人間関係や住み心地の良さ。ライフステージに合わせて、自分にとって必要な街の魅力って変わるものなんですね。


久保田さんがオープンマインドでクリエイティブという、最近のこのエリアの象徴的な場所のひとつとして紹介してくれた「ワールドネイバーズ清澄白河」。ソーシャルアパートメント×カフェ×洒落たコインランドリーが一体となったスペース。 


「ワールドネイバーズカフェ」はソーシャルアパートメントの住人はもちろん普通のカフェとして近隣の方々にも人気。久保田さんもこちらの雰囲気とサンドウィッチがお気に入りでふらりと訪れる。


今日のオーダーは店名を冠した「WNCサンドウィッチ」。ポークソテーとオレンジに、チェダーとゴーダの2種のチーズという濃厚に感じる組み合わせながら、不思議と爽やかなテイスト。ボリュームも十分。


走ってきた人生があったからこそ感じられる、のんびりと爽やかな時間。意識が変わると見える景色も変わります。下町にあるとは思えない広大な木場公園などの自然、現代美術館や、注目の新しいカフェなど、じっくり暮らし始めたことで、身近にある素晴らしい環境や面白いスポットを楽しむことができるようになったそうです。人生の転換点で暮らし方が変わり、住んでいるエリアの知らなかった魅力に出会う。そしてもっと好きになる。


秋冬でも昼下がりには心地よい風。気分転換に木場公園でテイクアウトランチの日も。 


久保田さん:子どもができたらなんにもできない、じゃなかったんです。できる範囲のことをやってみたら、むしろやれることが広がったんです。


取材・文/岩瀬大二 撮影/中川文作



最終更新日:2019年02月22日

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