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賃貸の平屋をセルフリノベでカフェに 天井を抜いてロフトも製作

2019年09月10日

アチュー・ワークス

賃貸の平屋をセルフリノベでカフェに 天井を抜いてロフトも製作

FLAT HOUSEに住む#25

賃貸の平屋をセルフリノベでカフェに 天井を抜いてロフトも製作

じつはそのやり方はさまざま

ひとことに自宅を使ってお店をするといっても、その運営の仕方にはいくつものパターンがある。営業方法はざっと下記の5つ。


(1)改造型

賃貸物件でありながら大胆に改修を施して商いをするパターン 

(2)持ち家型

賃貸ではなくマイホームを改装して一部を店舗にするパターン 

(3)軒先型

賃貸物件にあまり大きく手を入れず簡易な改修で商いをするパターン

(4)週末型

平日は会社へ勤務するなど本業を別に持ち、土日や祝日のみ営業するパターン 

(5)移住型

大都市圏から地価の低い地方へ抜け出し、好環境・低賃料の土地で商いをするパターン 

使用する物件や自分の時間の使い方、価値観や取り組み方で千差万別のホームショップがある。逆にいえば、この5つ以外にもあなたのやりたい方法があるならば、そのスタイルでできるのがホームショップなのである。

賃貸物件を思いっきり改装

「賃貸に住んでいるけれど、釘一本打てない」と嘆く人は多いだろう。しかしそれはマンションなど集合住宅の話。年月の経った貸家となるとそういう制約はぐっと減る。なかんずく昭和の平屋=フラット・ハウスともなれば、お金は出さないけれど口も出さないというおおらかな大家が一般的。何をしてもお咎めなし、という物件は少なくない。が、適当な改修や中途半端な施工はNG。以前ここでも話したように、退去後は資産としてプラスになるようなレベルのリノベートをすることが絶対条件だ。ホームショップにもビンテージ物件を玄人並にカスタマイズして開業する人がいる。

店子はシングルマザー

築50年のフラット・ハウスを思いっきりいじってホームショップにしているのは、都下に住むTさん。シングルマザーである彼女がこの家を選んだのには、家賃の安さと共に「どこをどういじってもいいが大家は基本何もしない」という入居条件があったから。普通であれば戸惑いそうな条件だが、Tさんは幼少期から「自分の家は自分の手で建てたい」と考えていたような女性。しかも大工見習いの経験もあった彼女は大喜びで即決した。描いていた青写真は、裁縫を教える喫茶店=ソーイングカフェと銘打つホームショップ。入居後は暮らしながら手を動かし、少しずつそして大胆に改修していった。 


外観は、東京都下ではまだしばしば見かけられる文化住宅。しかし、一歩足を踏み入れるとその改修のレベルに驚嘆することになる

天井を抜いて2階を造ったり、仕切りを外してまた新たに設えたりと空間分割を楽しむように再構築。その上で店舗空間と住居の分割をさりげなく実現させている

ステップを上がると現れる小さな個室は、押し入れ部分を改装した

パン類が並ぶショーウインドウはサルベージした廃品を再生

愛娘が遊ぶおままごと用キッチンもTさんのハンドメイド。手間はかけてもお金はかけないのがホームショップスタイル。手前の階段は後出のロフトへとつながる

裁縫をするスペースはバルコニーを使ってセルフリノベートした。ドアや窓も一部を除いてハンドメイドの人気スペース。ここで販売するオリジナルブランドの洋服も製作している

カフェ開店時は洋裁机が商品ディスプレイに変身

一見普通に見えるキッチンも、細かに見るとTさんならではのアイデア改修が満載 

プライベートルームは一番奥の和室6 畳間。母娘が寝るのにはこの広さで充分だという

天井を抜きボルデッドシーリングにし、階段を製作してロフトを設えた。私物だけでなく洋裁用資材もたっぷり収納できる

バルコニーを仕事場にした分、ウッドデッキを新たに製作。ここでもお茶が飲める

ランチメニューとティータイムセット。当然 Tさんの手作り


筆者もこの手の平屋には足にタコができるほど上がってきたが、ここまで中をいじって成立している物件はフラットハウスとしても初対面。特に米軍ハウスが平屋の最高峰という先入観があったため、文化住宅のポテンシャルの高さにも少なからずの衝撃を受けた。


拙著『HOME SHOP style』の読者の中にはご存知の方もいるかと思うが、現在Tさん親子は九州に移住している。首都圏を離れて大分県の限界集落にある古民家を購入、ここ同様にカスタマイズしてカフェ、ゲストハウス、木工教室などをホームショップとして運営している。今度は(1)に加え(5)も実践したということになる。もうこの古家をセルフ改修してホームショップをするというスタイルが、Tさんの人生においてデフォルトになっているのがジツに痛快かつ面白い。


ちなみにTさん退去後はカフェの常連だったお客が引き継いでいるという。このまま貸さずに解体の話もあったようだが、完成度の高さに大家が考え直したのかもしれない。ホームショップスタイルは様々な方向に伝播するのだ。


次回は持ち家型と軒先型のホームショップをご紹介する。乞うご期待!


アラタ・クールハンド arata coolhand

(イラストレーター/文筆家 東京出身)

ロゴタイプの制作からパッケージデザイン、広告、CDアートワーク、洋服の企画などを仕事とする。2009年と2012年に東京都下周辺の古い平屋ばかりを網羅した『FLAT HOUSE LIFE』を発刊し(2017年に『FLAT HOUSE LIFE1+2』として復刊)その後一冊一軒の平屋にフォーカスしたよりマニアックな『FLAT HOUSE style』をシリーズ化して自費出版。17年には九州の平屋だけを集めた『FLAT HOUSE LIFE in Kyushu』をリリース。幼少期に山口県の外国人向け平屋住宅での生活を体験、その後東京都下の文化住宅や米軍ハウスでの暮らしを経て、現在は都下の文化住宅と九州の米軍ハウス2拠点を軸に活動する平屋フリーク。

最終更新日:2019年09月10日

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