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ドラマ「偽装不倫」の個性的な丈の部屋に学ぶ、インテリアの自分...

2019年09月11日

アチュー・ワークス

ドラマ「偽装不倫」の個性的な丈の部屋に学ぶ、インテリアの自分らしさとは?

ドラマ・映画の気になるマ・ド・リ

ドラマ「偽装不倫」の個性的な丈の部屋に学ぶ、インテリアの自分らしさとは?

人気ドラマや映画を観ながら、登場するお部屋の間取り図を洗い出し、暮らしぶりを推測するこの連載。賃料やエリア、インテリアから、実際の住まいづくりに役立つ情報をピックアップします。

住まい・インテリア・ライフスタイル関連の記事を多く担当する編集者Nの妄想・考察に、オオカワ建築設計室の代表を務める建築家の大川三枝子さんを相談役に迎えてお届けします。

※多少のネタバレを含みますので、ご注意ください。

ウソから生まれた恋は、純愛になる?

今回ピックアップするドラマはマンガを原作とした『偽装不倫』。


ヒロインは、32歳、独身、彼氏なし、趣味はひとり旅という「おひとり様女子」の濱鐘子(杏)。ひとり旅に出かける飛行機の中で出会った7つ年下のイケメン伴野丈(宮沢氷魚)に、思いがけず既婚者だと嘘をついたことから、期間限定の恋がはじまってしまいます。


自分に自信がなく「私が未婚だと知ったら、彼は離れていってしまう」と思い悩む鐘子。一方、脳に重い病気が発覚したことでスペインから帰国し、「最後の恋がしたい。僕が死んでも、帰る場所がある人が相手なら許されるかも」という祈りのような気持ちからはじめた不倫(と丈は思っている)の相手である鐘子を本気で好きになってしまい苦しむ丈。

純愛でありながら、揺れる思いの核心を相手に伝えることができない2人のラブストーリーです。


グローバルに活躍するフォトグラファーの丈が暮らす、素っ気ないけどさりげなく個性的なお部屋を見ていきましょう。


※トイレは、ドラマの中で登場していません(第9話現在)。Nと大川さんの「きっとここだよね?」という想像と空想を元に図面化しています


丈の部屋は、姉である灯里(MEGUMI)が営むスペインバルの2階(一軒家2階部分)。住所は、ドラマ中に登場する住所表示のプレートやお医者様の資料などの記載によると「東京都中央区中央佃1丁目」となっています。実際は「中央佃」という住所は存在しないのですが、昔の面影を残す周辺環境の雰囲気やシチュエーションから「中央区佃1丁目」周辺と仮定して問題ないでしょう。


立地と面積、窓からスカイツリーも望めるという条件から、賃料を約20万円と推測しましたが、帰国した丈がお姉さんが営むスペインバルの2階に身を寄せているという感じなので、実際は相場の家賃を支払ってなさそうではあります。

丈が帰国した際の灯里のセリフ「2階は何年も使ってないから」と、スペインバルが開業から2年ということから、この物件はバルの開業以前から灯里が管理している、もしくは、親族の持ち物だった可能性も考えられます。いずれにせよ、どう見ても古いながらに、しっかりと管理されていたのだと感じますね。


仮に築50年としましたが、エリアの歴史からすると、もっと古いかもしれません。築年数は経っているけれど、古さが劣化ではなく、味に昇華している。古さゆえの窓ガラスや建具の魅力は、好きな人にはたまらない雰囲気です。


玄関を入って左右にあるキッチンやサニタリー部分は、カーテンウォールでゆるくゾーニングされていて、もはや今っぽさすら感じます。好みです!

キッチンはかなり小さく、お風呂もシャワーのみ。潔いです!

間取りに起こしてみると、部屋の仕切りは一切なし。元々は2LDKだった部屋の壁を、いつかのタイミングで抜いたのかな? という推察が一般的かと思うのですが、この部屋のディテールへのこだわりを考慮すると、もしかしてもしかしたら、最初からこの間取りだったかも……なぜか、興奮しますね(笑)。


リアルに考えると、キッチン小さい、湯船がない、おそらく冬は極寒…となかなか過酷な条件ではありますが、ここまでスタイルができあがっているとあっぱれです。

今回は、このお部屋が、いかにしてさりげなく個性的な雰囲気をまとっているのか? を考えていきます。


【ドラマから察する、推定のスペック】

  • 所在地/東京都中央区佃(ドラマ中では「中央佃」という架空の住所になっています)
  • 床面積/60㎡弱
  • 間取り/1LDK(一軒家の2階部分)
  • 築年数/50年
  • 賃料/20万円

※あくまで推定です

スタイルがある住まいは、生き方すら表現する?

さて、ここからは建築家の大川三枝子さんとともにドラマの間取りやインテリアを見ながら、実際の暮らしやコーディネートに応用できそうなポイントをピックアップしていきます。

丈のお部屋は、好みによる違いはあれど、誰の目にもインテリア上級者を感じる空間。部屋の主を見なくても「多分、かっこいい人だろうね(少し変わり者っぽいけど)」と、無意識に住まう人を想像させる雰囲気が漂っています。

今回は、この「少し変わり者っぽいけど」という生き方も含めて主を想像させてしまう、部屋のオーラを構成する要素に注目してみました。


●スモーキーで穏やかなカラースキームの“醸し力” 

N:丈のお部屋、いいですね。今回のお部屋は、物件自体がすでに個性的で雰囲気満点!


大川:この物件を自分のスタイルとして飲み込んでしまうというのは、なかなかのもの。海外暮らしが長かった丈だからこそ身についた感覚のなせる技という感じがしますね。Nさん、好みでしょう?


N:ですね、ですね。ほら、でも25歳設定でしょう? ちょっと若すぎません?


大川:いや、丈じゃなくて…。お、お部屋…。


N:あ、お部屋(汗)そうですね、好みです。

自分のお部屋だったら凸部分の空きスペースに、質感がよくて上質なファブリックを張った薄くてくすんだサーモンピンクのソファを置きたいですね。って、それ1台置くだけで、いきなり私の部屋になりそうです(笑)


大川:そう、そこなんです。広々としているのにものが必要最低限という仮住まい感も丈のお部屋の魅力のひとつ。そして、ものが少ないから、大きな面積を占めるファブリックやちょっとした小物が際立つ。そして、それらの色合いが絶妙なんですよね。


N:カラースキームも細かく見ていくと、色数はそんなに少なくもない。だけどトーンが揃っているから全てがまとまっている感じがしますね。古い住まいならではの建具や床・壁・天井の少しくすんだような風合いともしっくり馴染んでいて、あたたかさすら感じます。


大川:色のトーンといえば、例えば同じ白でも、多くの人が想像するペンキのような真っ白もあれば、少し風化したような白もある。どの白を選ぶかによって、冷たく感じたり、とがった印象を受けたり、あたたかさを感じたりする。この感覚を自分のものにするのは、くり返しの訓練というか、たくさんの色を体感するしかないんですよ。


N:そういう経験がインテリア選びにつながっているから、主の人柄を感じるんですね。


大川:そうね。インテリア好きのみなさんには、多くのものを見て、感じてもらいたいですね。また気になる色を見つけたときには「この色、どう感じる?」って考えてみると、いいトレーニングになりますよ。


●空間を立体的にする適材適所の照明 

大川:あたたかみというと、丈の部屋は照明の使い方もいいですね。


N:まず、デフォルトが暗め。ヨーロッパが長かった感じ、漂ってますねー! 日本でも照明の多灯使いは、以前よりも多くの方が取り入れるようになった印象はありますが、それともまた違うニュアンスを感じるんですが?


大川:日本の住まいでよく見られる多灯使いは、まずはそれ1灯で部屋中を照らせるほどの強い全体照明があって、そこにスタンドライトなど部分照明をプラスするというのが主流だと思います。

もちろん、それはそれで便利だし(お掃除をするときなどは、強い光で照らしたいですしね)、全体照明だけの時と比べてニュアンスも出ます。

丈のお部屋の照明も、構成は同じなんですが、メインのライトとなるテーブル上のシーリングライト1灯と、玄関から見て奥側にある2灯、ベッドスペースの1灯が、そもそも暗めに設定されています。


N:なるほど。4灯ある天井からのライトも部分照明みたいな扱いってことですね。フルマックスでも暗めということは、影をしっかり影にできるということですか?


大川:その通り! イメージとしては、夜に全く照明をつけないでいる状態を真っ黒として、照明を灯した周辺が照らされるという感じ。逆に言えば、部屋のコーナーなどには灯りが行き届きにくいので、暗いままになります。すると、光源部分の明るさは際立ち、その周辺には放射状の丸い光が生まれます。

白熱色のぬくもりの相乗効果もあり、あたたかな雰囲気がより強調されるというわけです。


N:キャンドルの光を囲むようですね。


大川:小さな照明を採り入れるのは難しいな…という方は、キャンドルを使うのもおすすめですよ。ただし、火の用心でお願いしますね。


今回は、なかなかに上級者向けのお部屋でした。個人的には、テイストが偏りすぎてないのも主の雰囲気を感じさせるポイントかなと。ヴィンテージやインダストリアルの無骨さがある家具もありつつ、アンティークらしき柔らかなものもある。時間をかけて集まってきたっていう雰囲気に、お部屋が構築された歴史を感じます。


あとは…あれ! 私がこの部屋に住むなら、やっぱりソファ。このお部屋だと、座面が低めでごろんと身体を預けられるようなふかふかタイプ希望。思い切ってイタリアヴィンテージっぽいのとかもいいですね。ひとつ違うと、部屋の個性が変わるというのも、インテリアの面白さです。


そして今回も、しっかり揺さぶられました。

なんというか…苦しいんですよ。お互いに絶対的に好きなのに、好きだから一番の核心に触れられない2人。ああ、もどかしい。でも自分だとしても言えないかも…。

ああ、もどかしい。毎週もどかしい。

間取りを起こすことをすっかり忘れて、ストーリーに没頭しては巻き戻す作業を繰り返す中、ふと、オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」を思い出しました。あるクリスマスに、長くて美しい髪を売って彼の懐中時計につけるチェーンをプレゼントに選んだデラと、大切にしていた懐中時計を売って彼女への髪飾りを買ったジムのお話です。

お互いを思い合うがゆえに、生じたズレ。デラとジムは、プレゼントを贈り合うことでお互いの愛を確認できたわけですが、丈と鐘子はどうなるのかしら。


多分ですね、年齢やライフステージによって、このドラマの感じ方はかなり違ってくると思います。いろんな人の感想を聞いてみたいドラマでした。あーーー! ハッピーエンドでありますように(祈)。


(文:宮下菜歩/soretona、イラスト:大川三枝子/omiedesign オオカワ建築設計)


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最終更新日:2019年09月11日

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