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今の肌感覚で、経済的観点から賃貸か分譲か? を考える

2019年12月27日

アチュー・ワークス

今の肌感覚で、経済的観点から賃貸か分譲か? を考える

一生賃貸? いつかは分譲?

今の肌感覚で、経済的観点から賃貸か分譲か? を考える

写真:アフロ

過去にも多く語られてきた、分譲と賃貸はどっちがいい? という問題。住まいにおける設備仕様のグレードやフットワークを基準とした考え方を紹介した前回「経済的な理由を度外視すれば、一生賃貸の軽やかさがいい?」に続き、今回は、居酒屋から清掃員、内装業とさまざまな業種を経験し、公認会計士、税理士となった異色の経歴を持つ木村稔さん(木村稔会計事務所代表)を訪ね、賃貸or分譲どっちがいい? について、お金の面から考察していきます。

先が読みにくい昨今、自分の経済状況をしっかりと予測することが第一歩に

時代の流れがどんどん早くなっている現在、不動産をとりまく環境も刻々と変わり、将来どうなるか? を予測するのは難しくなってきました。分譲と賃貸はどっちがいい? という問題は、これまでもいろいろと論じられていて、「経済的な観点からいくと分譲に軍配」というものが多く見受けられます。


実際に「いつかは分譲」という希望を持つ人が多いのですが、最近は少しずつ「賃貸派」が増えてきているのが気になるところ。国土交通省の「平成30年度 住宅経済関連データ/住宅に対する国民の意識/今後の居住形態及び住み替え方法」を見ると、平成15年から10年で、今後の住み替えの選択肢として持ち家を希望する人が減少していることが分かります。グラフの最新値である平成25年から5年以上が経過している現在では、持ち家を希望する人がさらに減少していると推測されます。


今後希望する居住形態についての意識調査

※国土交通省 「平成30年度 住宅経済関連データ 住宅に対する国民の意識/今後の居住形態及び住み替え方法」のデータを元に作図


これまでの持ち家至上主義に変化が生まれているのだとしたら、そこにはどんな理由があるのでしょうか?


木村さんによると「働き方改革の推進により、副業を持つ人や独立して事業主となる人は増えているし、これからも増え続けるでしょう。ひと昔前のように、このまま会社員で居続けたら少しずつ給料が上がって…と長期予測をすることが難しくなったので、分譲か賃貸か? という問題についても、不動産相場やその周辺だけを見て判断できるものではなくなっていると考えられます」とのこと。


各家庭の経済状況については、将来の働き方やライフスタイルも含めて考えることが必要となってきます。人によって判断基準が異なるため、自分の収入やライフスタイルにとって何が最適か? を考えながら読み進めてください。

毎月のキャッシュフローを考えるなら、分譲ということになる?

写真:Wavebreak Media/アフロイメージマート


分譲を選ぶメリットとしてよく挙げられるのが、同じ面積、同じエリア、同じ築年数の物件だと、分譲物件を購入した方が月々の支払いが小さくなるというもの。言い方を変えると、月々のローン返済額と月の家賃が同じなら、分譲の方が条件のいい物件に住むことができるという考え方です。子育て世代と呼ばれる若い家族の場合、月々のキャッシュフローを考えて、物件の購入を考えることも多いでしょう。


「住宅ローンを組み、要件を満たすことで『住宅ローン減税』が適用されることもあります(正式には「住宅借入金等特別控除」)。この住宅ローン制度は、『自らが居住すること』『床面積が50㎡以上であること』『中古住宅の場合、耐震性能を有していること』のほか、『借入期間』や『収入』に関する要件を満たすことで、住宅ローンを借り入れて住宅を取得する際に、税金負担を軽減することができるものです」(木村さん・以下同)


購入する場合のメリットと言えそうですね。


「しかし、ここでしっかりと理解しておきたいのは、これはあくまで『月々のローンの返済額』と『月々の家賃』の比較の話ということ。その比較では分譲に軍配が上がりますが、ローン返済までのトータルのキャッシュフローなら分譲がそれほどお得とは言えない、ということを把握していただきたいですね」


たしかに、この比較では住まい購入の月額ローン返済額と、賃貸での月額家賃額だけを比較したものになっています。


「ポイントは、分譲物件を購入した場合、住まいに関する月々の支出は、住宅ローンの返済以外にも発生するということ。例えば、固定資産税や管理費のほか、大規模修繕の際には修繕積立金で足りない額を各住戸から徴収することもありますし、一戸建てなら、修繕費用は自分で貯蓄しておく必要があります」


トイレやキッチンなどの設備も経年劣化するので、ある程度の期間でリフォームや交換の必要があり、設備の維持という面でも継続的にコストがかかりますね。


「月額のキャッシュフローを重視する場合、分譲のローン返済額と毎月の家賃という単純な比較だけではなく、住まいのメンテナンスや設備にかかる金額を具体的にイメージしてみてください。一概に分譲の方が安価ということでもないということが分かると思います」


住まいを維持するための手間や費用も含めて総合的に捉える必要がありそうです。


写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート

「ローンを完済すれば自分のものになる」という事実と側面

分譲か賃貸か? を論じるとき、“購入すれば住まいが残る”“子どもに住まいを残すことができる”ということも、よく挙げられるメリットです。


「老後、『これは私の住まいだ』と言える場所をつくっておくという意味では分譲にメリットがあります。ただし、経済的な側面から見ると、購入した住まいの資産価値がどう変わるか? という論点を外すわけにはいきません」


分譲の住まいを購入することは、メリットと同時にリスクがあるということでしょうか?


「子どもに相続する場合、現金だと額面通りの評価となるのに対して、不動産だと約7割の評価になります。また、被相続人と一緒に住んでいた場合など、土地評価についていわゆる『小規模宅地等の特例』が適用されれば、評価がさらに8割減額される場合もあるので、相続対策としては悪くはないでしょう」


ならば、メリットしかないのでは? 


「しかし、これはその住宅に資産価値があった場合のこと。言葉を選ばずに言ってしまうと、売るに売れない物件が残された場合、資産価値が下がった住まいを売却するのは難しいですし、固定資産税を支払い続ける義務が発生するようでは、子どもも困りますよね? そういう意味では、その時代ごとに家族にとって都合のよい場所に暮らし、不動産ではないかたちで子どもに資産を残すことができる賃貸という選択肢に魅力を感じます」


たしかに、親から受け継いだ家に住むというのは、どこか憧れを感じますが、お金の面から考えるとそれだけの話ではなくなってきます。将来の資産価値を維持できそうならば分譲、そうでなければ賃貸という判断基準は、覚えておいた方がよさそうです。

貸す・貸さないにかかわらず、「投資」という考え方を

ここまでの流れから、分譲物件の購入をお金という側面から考えたとき、将来的に資産になるか? という投資的思考をもつことの重要さが分かりました。


「投資というと、自分は住まないで他者に貸すというイメージがあると思うのですが、実は自分で住む場合も同じです。投資と考えれば、分譲購入はリスクもあるけどリターンもある。価値が残る物件を購入すれば、子どもに相続してもよし、途中で売却するもよしということになりますよね」


場合によっては、分譲物件を購入して5年で売却したら、購入時より価値が上がっていて、実質住んでいた5年間の住居費用はなし、さらにおつりが…なんて、夢のような話もないわけではありません。いずれにせよ、どんな物件なら価値が上がりそうか?(下がらなそうか?)を見極めることが重要になってきます。


写真:アフロ


しつこいようですが、不動産に限らず多くの事柄について、時代の進むスピードが速くなり、ものの価値が変わるスピードも加速しています。もし仮に、リモートワークをする人が爆発的に増えたら、駅前物件は今ほどの価値を持たなくなるかもしれないし、先進的な設備が導入されて、まさかの郊外にとんでもない価値が生まれるかもしれない…と、そんなことを言い出すとキリがないですが、資産として住まいを残したい場合は、多角的なものの見方が少なからず必要になってきます。


さらに、終の棲家をどのタイミングで手に入れるかは、家族ごとの価値観があるでしょう。例えば「子どもが巣立つまでは賃貸を満喫し、夫婦2人になったら、将来の資産価値などを度外視して、自分たちが気に入った郊外の安い一軒家を購入して老後を過ごす」と聞けば、経済的な計画性がなさそうに感じる人もいるでしょう。でも、情勢の変化や各人のタイミングによっては、案外こういう選択がリスクを抱えず、計画的な選択になる可能性もあります。ライフスタイルの多様化が言われて既に久しい現在、経済的な側面から見ても、自分にとって何が幸せか? を見極めることが大切なのかもしれません。


宮下菜歩(soretona)



参考サイト

最終更新日:2019年12月27日

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