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雨で被害に遭わない住まいの選び方とは?

2017年06月12日

田中 和彦

雨で被害に遭わない住まいの選び方とは?

河川の氾濫と内水の氾濫に注目

雨で被害に遭わない住まいの選び方とは?

京都嵐山桂川の洪水災害(ペイレスイメージズ/アフロ)


シトシトと雨の降る梅雨時は気分が滅入る。梅雨が明けても、今度はゲリラ豪雨の季節。水害被害のニュースを見るたびに、浸水などの被害には遭いたくないと思う人も多いのではないか。では水害に遭わない住まい探しのためには、どのようなことに気をつければよいか? 以下では大雨により引き起こされる水害に遭わない不動産探しを考えてみる。

洪水被害の危険エリアはハザードマップでチェック

大雨で起きる水害には大きく分けて二つの種類がある。一つは河川の氾濫、いわゆる洪水だ。ちなみに「洪水」の意味は、気象庁のウェブサイトで以下のように記載されている。

洪水大雨や融雪などを原因として、河川の流量が異常に増加することによって堤防の浸食や決壊、橋の流出等が起こる災害を洪水害といいます。一般的には、堤防の決壊や河川の水が堤防を越えたりすることにより起こる氾濫を洪水と呼んでいます。


川の水が流れ出るのが洪水。なので洪水の被害に遭わないためには、危なそうな川から遠く離れて住むのがよい。とはいうものの、川から遠ざかっても別の川に近くなるし、その川が決壊したらどうなるかなんて想像がつかない。こういう時は各行政が提供するハザードマップで確認すればよい。ハザードマップをみれば、洪水が起きた時にどのエリアがどの程度浸水するかのシミュレーション結果がわかる。


ハザードマップを手に入れるには役所に足を運んでもいいが、多くの行政はウェブサイトで情報公開している。まずは、国土交通省の提供する「わがまちハザードマップ」を利用するのが便利だ。複数の行政について確認できる。ただし、このページになくても、行政のサイトにある場合や、インターネットで公開はしていないが紙媒体では作成されている場合もあり得るので、そんな場合は各行政に問い合わせてみるのがよい。


試しに大阪市の提供するハザードマップ(「想定されている水害」ページ)を見てみよう。淀川、大和川、神崎川、寝屋川などが氾濫した時に想定される浸水想定区域図が表現されている。これを見ると単に「川から遠いから安全」と言えないことがわかる。仮に淀川の堤防が決壊したとする。大阪市北区の大阪市営地下鉄谷町線「南森町」駅界隈(関西ローカルな地名で失礼!)は、淀川と直線距離で3km程度の距離だが氾濫してもほぼ浸水しない。これに対して西成区の南海汐見橋線「津守」駅界隈は南森町の倍、直線距離で6km以上離れているのに1m以上の浸水が想定されている。洪水の被害に遭う遭わないは、川からの距離に加え、土地の高低差も大きく関係しているのだ。 


淀川が氾濫した場合(出典:「想定されている水害」大阪市ホームページ)


それは「大和川・東除川が氾濫した場合」の図を見ればわかりやすい。浸水域が西と東の2カ所に分かれているのがわかる。地図上の白いエリア(=浸水しないエリア)は上町台地である。こと大阪市内においては上町台地に住んでいれば「淀川、大和川、どちらが決壊しても浸水しない」と言える。

大和川・東除川が氾濫した場合(出典:「想定されている水害」大阪市ホームページ)


一点気をつけたいのは、浸水シミュレーションの前提条件。大阪市の場合は川ごとに異なる前提条件となっている。氾濫エリアを見比べ、大和川や神崎川よりも淀川の方が浸水規模が大きいから淀川沿いの方が危険かといえばそうではない。淀川は総雨量500mmの降雨を想定しているのに対し、大和川は総雨量280mm/268mmの降雨を想定している。この想定は堤防が破損/決壊した場合を想定しているので、見方によれば淀川堤防は280mm程度の雨では堤防の破損/決壊を想定していないとも考えられる。エリア同士の比較をする時は、必ず前提条件もチェックしたい。

洪水よりも「怖い」、内水の氾濫

(ペイレスイメージズ/アフロ)


さて、大阪市のハザードマップを見ると、聞きなれない言葉が書かれているのがわかる。「内水の氾濫」だ。これが大雨の時に想定される二つ目の水害。こちらも気象庁のウェブサイトに用語の解説があるので見てみたい。


内水の氾濫河川の水位の上昇や流域内の多量の降雨などにより、河川外における住宅地などの排水が困難となり浸水すること。


ここ数年、ゲリラ豪雨による被害を耳にする機会が多い。大雨の後に水浸しになっている状態、例えば都市部なら、道路が冠水し車が通行できなくなったり、地下街に水が流れ込んだり、線路下のアンダーパスに水が溜まってくぐれなくなったり、などの状況を目にした人も多いであろう。川が決壊するほどの雨量でなくても内水の氾濫が発生し床下浸水や床上浸水になることもある。(もちろんエリアにもよるのだが)市街地において洪水による被害が起きるのは数十年や百年に一度程度であるのに対し、内水の氾濫は比較的頻繁に起きていると言える。洪水の被害以上に気をつけておきたい。


内水の氾濫に遭わないためには、現地周辺の確認が一番有効だ。ハザードマップももちろん参考になるが、内水の氾濫のマップは洪水のマップほどには整備されていない。また、ハザードマップがあったにしても、そこには記載されていない危険な箇所もあり得る。内水の氾濫は、土地の高低差があればどこでも起こりうる。周辺よりも高台にある住宅地でも、その高台の中で低い位置にあれば周囲の土地から内水が流入してくるからだ。


内水の氾濫の被害を避けるには、以下のようなポイントをチェックするのがよい。


1:敷地と接道の高さ

道路の方が高いと、道路から敷地に水が流れ込んでくる可能性がある

2:当該地と隣接地の高さ

隣接地の方が高いと、隣接地から敷地に水が流れ込んでくる可能性がある

3:周辺に水路がある

水路からあふれた水が流れ込んでくる可能性がある


また、「水害被害記録」といった資料を公開している行政もある。それらの確認と周辺住民へのヒアリングまで行えば完璧だ。


「備えあれば憂いなし」とはいうものの洪水等の水害には遭わないに越したことはない。堤防決壊等による洪水だけでなく、ゲリラ豪雨による内水の氾濫であっても一度起きれば、一戸建ては勿論、マンションであっても駐車場ピットに内水が入り込み設備が被害に遭う可能性もある。不動産の価値は土地で決まる。モデルルームの家具や間取りばかり気にするのではなく、周辺との高低差やハザードマップのチェックも怠らないようにしたい。


最終更新日:2017年06月12日


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