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分譲マンション広告、美しい外観写真に潜む「優良誤認」の罠

2017年07月07日

田中 和彦

分譲マンション広告、美しい外観写真に潜む「優良誤認」の罠

アート作品的パースに要注意

写真:アフロ

写真:アフロ

新築マンションの外観CGはカッコいい。とてもよくできている。ここ数年でCGの精度が格段に上がり、というよりはコストダウンが進み、「窓ガラスへの写り込み」なども含め芸術作品と呼んでもいいほどの出来栄えのものもある。高額タワーマンションのパースなどは、額に入れて飾りたいほどだ。


「作品」として鑑賞するにはそれでも良い。が、購入の判断基準としてみるには美しいだけでは困る。新築マンション購入時は、チラシやパンフレットなどで過度に期待を抱かないようにしたい。広告用のCGは印象良く見えるように、かなり「盛られて」いるからだ。以下、盛られているポイントをいくつかあげる。「新築マンション広告あるある」的に読んでほしい。

現地を示すの光の柱……敷地/建物形状とは無関係

空撮写真に白いあるいは青白い、あたかも大地から閃光が放たれたようなものが描かれているもの。この「光の柱」はマンションの敷地を表したものだ。


敷地を白く光らせることで、敷地がどこにあるかがわかりやすくなる効果がある。白くなっているだけでなく、天空高く光の柱が立つことによって更にわかりやすくなる。ちょうど「光の柱」と同じようなマンションが建つように見える。


しかしこれには落とし穴がある。光の柱の高さがマンションの高さとは無関係ということだ。また「光っている場所」は敷地部分だけ(のはず)だが「周囲も光る」ため、実際の敷地よりも広く見える。


「光の柱」はあくまで物件の所在地を示すための効果。実際の建物の高さや、ましてや建物形状とは何の関係もないことを強調したい。

建物からの反射光……どんな物件も日当たり良好!?

地上から見上げた建物パース。上層階部や最上階の端部分がキラッと光っていることが多い。「キラッ」でおさまらず、光の帯が建物の高さ程度まで伸びていることもある。また、桜の花びらや木の葉が舞うような季節感のある光の帯も見かける。


建物に反射光が描かれているのは、もちろん、日当たり良好であることのアピールだ。木の葉は、周辺に緑地や公園があることの主張であろう。


写真:ペイレスイメージズ/アフロ


陽が当たれば、建物から光が反射するのは当たり前なので、「敷地からの光の柱」より違和感はない。しかし、明らかに光りすぎのパースが多い。こちらも「光の柱」同様、現地の日照時間や日当たりとは何の関係もない。

近隣建物の消除……あるはずの建物がない!

晴れ渡る空にそそり立つようなフォルム。1階から最上階まで、立面図を見るかのごとく、全貌が見える外観パース。どのような雰囲気の建物になるかを知るには大変わかりやすい。


しかし、実際に建ったときにそのように見えるわけではない。前面道路の幅員が広い、もしくは建物前方が大きな公園などであれば、竣工後に同じ景色を見ることができるかもしれないが、街中のマンションであれば、近隣の建物が邪魔をして全景が見えない場合の方が多いであろう。仮に建物の全景が見えていても、低層部には電柱や電線があるはずだ。


写真:アフロ


広告に掲載されている建物の外観パースは、ほぼ全て、周辺建物や電線、電柱が省略されている。「建物全体の雰囲気を見せるため」に省略しているわけだが、正直、これは不親切だ。検討者からすれば、むしろ「どれくらい建物が被っているか」が知りたい。実際に販売センターでは、各階ごとにどのような眺望かをCGでみせたり、開口部側にある建物の高さを立面図に記載するなどして説明している場合が多い。


また、明らかに周囲に建物が立て込んでいる立地でも、建物の輪郭のみを薄い線で表示させ「スッキリ見えているけど、本当は建物が建っているぞ」と主張していることもあるので要注意だ。

車寄せの高級外車……国産車は

広告のエントランス予想図。車寄せに停まっている車は、ほぼ高級車だ。しかも外車が多い。国産車、特に軽自動車が停車しているのは見たことがない。


説明する必要もないが、これらはマンション販売のためのイメージ作り。豪華な家具が設置されたモデルルームのイメージ図と同じだ。モデルルームの家具ならば、まだインテリアコーディネートの参考になるが、高級車が停まっていても何の参考にもならない。


高級車と同じイメージ作りとしては「幸せそうな親子3人組」や「十分に成長した後の植栽」などがあげられる。

「実際より優良」と誤認される広告はNG。でも現状は?

不動産の広告表現には、一定のルールが定められている。北海道から九州まで各地区に設置された不動産公正取引協議会が、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づいた「不動産の表示に関する公正競争規約」に基づき、広告によって消費者に適正な情報が伝わるよう、不当な表示がないかの監視をし、適宜指導を行っている。


そのルールは「分譲宅地」「新築分譲マンション」「中古マンション」等、分野ごとに定められているが、細かい部分まで内容が定められてはいない。不当表示の判断基準は「実際のものよりも優良であると誤認されるおそれがある」かどうか、だ。


「光の柱」や「建物の消除」などについても同様だ。光の形状や高さについて細かい規定が明文化されているのではなく、あくまで、それを見た人が「実際のものより優良である」と思うかどうかで判断される。というわけで広告の下部には小さな文字で「CGによる加工です」「画像はイメージです」といった「実際はこうではない」という趣旨のキャプションが並ぶ。


広告は、広告主が自社の商品をよりよく見せようと思って作るもの。当然に「実際のものよりよく見せたい」わけだ。広告を見る際は、広告主がそのような思いで広告を作っていることをあらためて意識して見る方が良い。

最終更新日:2017年07月07日


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