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増加する民泊施設 京都市内の民泊条件はどうなるのか?

2017年10月23日

田中 和彦

増加する民泊施設 京都市内の民泊条件はどうなるのか?

マンションの一室、民泊の可否は?

増加する民泊施設 京都市内の民泊条件はどうなるのか?

(写真:アフロ)

京都に民泊協会誕生

さる8月、簡易宿所を運営する不動産会社が中心となり「京都簡易宿所・民泊協会」が設立された。協会のウェブサイトには、その理念として「簡易宿所・民泊事業に対する理解を深め、簡易宿所・民泊事業の適正な運営を確保することにより、市民生活の安寧と秩序を維持しつつ、簡易宿所・民泊事業の健全な発展を図る」と掲げられている。

不動産業界、特に京都においては、宿泊施設の増加に期待するところは大きい。ここ数年で、宿泊業運営事業者への宿泊業が可能な物件の仲介や売却、宿泊施設として利用するための内装工事といったビジネスが増えている。それ以外にも、自ら保有する不動産で事業をしたり、管理をしている物件で運営を行うといったことも収益のチャンスだ。

良質な宿泊施設が増えることは、不動産所有者、運営者、そして宿泊施設利用者、ひいては周辺の物販・飲食事業者へも利益をもたらす。しかし周辺住民にとっては、宿泊施設ができることによる直接的な利益はない。ここで行政と民間事業者の意見が分かれる。

「マンションの一室利用」が争点

(写真:アフロ)


今回の地元不動産会社による「京都簡易宿所・民泊協会」設立の目的の一つは「マンション一室でも宿泊に利用できる」ようにすることだ。同協会は「京都市内の賃貸住宅のうち中心部は2%、周辺部は5%以上が空き室になっているといい、民泊を空き家対策に位置付けることも市に提案する。」と発言している。一方、門川大作京都市市長は以前に記者会見で「単純に宿泊施設が足りないからといってマンションの一室を利用するのは良くない」と述べており、すぐに認められるとは考えにくい。

マンションの一室を宿泊施設として利用できれば、不動産所有者には朗報だ。空室期間が長い不人気住戸を宿泊施設として利用したり、宿泊単価が高く取れる期間だけ宿泊施設として利用し賃貸募集の時期を調整することもできる。空室対策となるだけでなく、収益アップの可能性もあるわけだ。これらは所有者だけでなく管理をする不動産会社にとっても仕事の種となる。

しかしマンション住民の立場になれば「マンションの一室」で民泊が可能となることは、あまり嬉しい話ではない。時には言葉が通じなかったり、時には文化の違いがあったり、そんな不特定多数の人が隣室に出入りをすることを考えれば、その不安な気持ちは想像に難くない。

民泊協会主導の「簡易宿所・民泊事業の健全な発展」に期待

しかしそのような民泊に対する不安は、何も「マンションの一室」に限ったことではない。町家であっても、普通の一戸建てであっても隣家で民泊が行われれば不安なのは同じ。町家の宿泊施設はよくてマンションの一室はよくない、というのは観光客目線で見た場合の「京都市の宿泊施設のクオリティー」を保つことにはなるが、住民にとって納得感のある説明とはならない。

また京都市は、2017年9月、ホテル予約サイトのエクスペディア・グループと地域活性化包括連携協定を締結した。この協定は、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたもの。ちなみに2016年のリオオリンピックでは、個人宅の宿泊仲介・エアビーアンドビー(Airbnb)がオリンピック公式サプライヤーとなった。京都市は民泊(エアビーアンドビー)ではなくホテル(エクスペディア)を選んだ、というわけだ。


(ペイレスイメージズ/アフロ)


京都市が推す京町家の宿でも、不動産会社が切望するマンションの一室でも、地域住民の「トラブルの無いように運営して欲しい」という思いは同じだ。京都市内では宿泊施設がここ数年で激増、無許可の民泊も数多い。同協会の発足が、その理念に掲げる「市民生活の安寧と秩序を維持」の実現への一歩となることが望まれる。


最終更新日:2017年10月23日


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