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昔と今でこれだけ変わった! 大阪府下の「お金持ちタウン」の変...

2018年09月11日

田中 和彦

昔と今でこれだけ変わった! 大阪府下の「お金持ちタウン」の変遷

街の人気はいつまでも同じではない

昔と今でこれだけ変わった! 大阪府下の「お金持ちタウン」の変遷

大阪ベイエリアの夜景(ペイレスイメージズ/アフロ)

大阪府における「お金持ちタウン」40年間の変遷を見ていこう

街の人気というものは、移り変わるものだ。

かつては郊外の住宅街が「憧れの住宅地」であったが、今は都心居住がトレンド。都心の不動産が高騰しているのを傍目に、郊外の住宅地は下落基調だ。昔は邸宅街だったのが今は空家が居並ぶ街並み、または、以前はパッとしなかった場所が今では人気のエリア、といったこともある。

街の盛衰を見るにはいろいろな切り口がある。居住者所得(=街の住民の平均所得)はその一つ。人気の高いエリアは住民の所得が高く、そうでないエリアは相対的に所得が低い。この「住民の所得」は「市町村税課税状況の調(1975~2013年)」(総務省)に、納税義務者一人当たりの課税対象所得の平均値で市区町村別に記載されている。これを見れば市別の「金持ち度」がわかるわけだ。以下の記事では同資料を使い、大阪市と府下の他の市との「金持ち度」の変遷を見てみたい。


【比較する年代】

  • 1975年
  • 1991年(バブル期)
  • 2007年(リーマンショック直前)
  • 2013年(リーマンショック以降)

【1975年~バブル期】所得の高い人は都心ではなく郊外に住んでいた

大阪府箕面市(ペイレスイメージズ/アフロ)


まず、1975年の大阪市と郊外とを比較する。

当時の大阪市の納税義務者数一人当たりの課税対象所得(以下、「所得」とする)は、151万円。この数字は、大阪府下の他市と比べて決して高い数字ではなく、大阪市を除く32市(当時は大阪狭山市が狭山町、阪南市が阪南町なので正しくは30市2町)のうち半分超の18市が大阪市の所得を上回っていた。

中でも豊中市・池田市・吹田市・箕面市といった北摂エリアや、ニュータウンが多く建設された河内長野市・大阪狭山市(当時は狭山町)は大阪市より20%以上も所得が多かった。これら6市は大阪市よりも「金持ち度」が高かったと言える。


次に比較するのは1991年。バブルが弾ける年だ。

大阪市の所得は379万円、1975年から16年で約2.5倍となった。所得金額においては大阪市を上回る市は18市から22市に増えていた。「金持ち度」の高い市は1975年とまったく同じ顔ぶれの6市のままだった。

大阪市は1975年当時よりも少し人気が落ち、郊外の人気は変わらずといったところ。

【リーマンショック以降】郊外から都心へ 大阪市の「金持ち度」が上昇

次に比較するのは2007年。リーマンショック直前の年だ。ここにきて少し都市間のバランスが変わってくる。

2007年、大阪市の所得は331万円。バブル時の所得と比較すれば下がった。しかし、1975年と比較して大阪市以上に所得が伸びたのは32市中11市しかない。かつて「金持ち」であった6市は、2007年には豊中市・吹田市・箕面市の3市に半減した。


最後に、最新(といっても5年前だが)の2013年の数字で比較しよう。

大阪市の所得は315万円。リーマン前よりもさらに落ち込んでいるが、大阪府下の他市はもっと低い。1975年比で相対的に大阪市より金持ち度合いの増した市はわずかに6市(後述)しかない。所得金額が大阪市を上回る市は16市に減り、1975年には一つもなかった「大阪市より10%以上所得が低い市」が2市(門真市・泉南市)もある。

要するに、大阪市が相対的に「金持ち(≒人気)」となってきたのだ。


(写真:アフロ)

【まとめ】大阪市一極集中の傾向~しかしマイホーム取得にとってはチャンス

最後のまとめ。所得の伸びを大阪市と大阪市以外で比べると、バブル期には大阪市よりも大阪市以外の所得の伸びの方が大きく、リーマンショック期を経てその傾向が逆転、大阪市の方が所得が伸びている。最近の傾向としては「大阪市の方がより豊かになりつつある」と言える。

以下は行政区別に1975年から2013年にかけて、大阪市より所得の伸び率が高かった市と低かった市をそれぞれピックアップして紹介する。


大阪市よりも「所得の伸び率が高かった」市

  • 豊中市、吹田市(大阪府北部 北摂エリア)
  • 貝塚市、泉佐野市、和泉市(大阪府南部)
  • 守口市


大阪市の所得が伸びる中、上記の6市は大阪市よりも所得が伸びた。この期間で大阪市よりも所得の伸び率が高かった市はこの6市しかない。以下はあくまで筆者の推論だが、豊中市・吹田市は北大阪急行電鉄「千里中央」駅~「緑地公園」駅のあるエリアで同沿線を中心とした千里ニュータウン開発、貝塚市・泉佐野市・和泉市のうち貝塚市・泉佐野市は関西国際空港の開発という関西経済に大きく影響をあたえた2つの開発と関係があるように考えられる。


大阪市よりも「所得が伸び率が低かった」市

  • 枚方市、寝屋川市(大阪府北部 京阪沿線ベッドタウン)
  • 河内長野市、大阪狭山市、羽曳野市(大阪府南部 南海/近鉄沿線ベッドタウン)
  • 箕面市(大阪府北部 北摂エリア)


一方、大阪市よりも所得の伸びが鈍かった市は複数あった。「伸びた6市」以外は全て大阪市よりも伸びなかったわけだ。中でも所得の伸び率順に並べた下位6市が上記の市。この6市は同期間中の所得の伸びが大阪市と比べ10%以上低かった。箕面市は1975年には府下唯一の200万円超、2013年も吹田市に肉薄されているものの大阪府下トップ。そもそも所得が高かったので伸び率が低いのがある意味当然かもしれない。


それ以外の市の特徴としては、いずれも私鉄沿線のニュータウンということ。なかでも寝屋川市と羽曳野市については1975年当時は大阪市より所得が高く「金持ち」であったのが2013年には逆転され所得が大阪市以下となった。大阪で働く所得の高い層が寝屋川市や羽曳野市に居を構える、という図式が成り立たなくなったとも言える。


大阪の街並、北区のビル群(ペイレスイメージズ/アフロ)


少子化による買い手の減少、タワーマンションを中心とした都市部中心地での供給増加、高齢化に伴う駅遠物件の敬遠。不動産を取り巻くさまざまな環境を見ると、梅田(大阪)から天王寺を中心とした大阪都心部への人口と富の集中、郊外ニュータウンエリアの衰退は今後も続きそうに思える。今後の大規模開発も「うめきた2期」や「なにわ筋新線」等大阪市内の案件であり、「千里ニュータウン」や「関西国際空港」のような大阪市外の大規模開発で地域全体に大きく影響が波及するようなプロジェクトも期待できない。

今後も「大阪市に追いつかれる/抜かれる市」は増えていくにちがいない。大阪都心部への「一極集中」の流れには抗えない。

しかし、それは住まいを探す人からすればむしろ朗報とも言える。「郊外ニュータウン」とはいえ大阪都心部への移動にはせいぜい1時間程度。その程度の移動をすれば不動産を手当てしやすくなる。将来の資産価値を考えれば都心部有利といえるが、広い家、セカンドハウス、店舗を借りての小商い等、ライフスタイル重視なら郊外の方がいろいろなことが低予算で手に入る。

一極集中で逆に楽しみが増える、そんな考え方もいいのではないか。



【参考サイト】

※経済関係>課税対象所得:総務省『市町村税課税状況等の調』(Excel)参照

最終更新日:2018年09月11日

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