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「滞納問題」を抱えたマンションに注意! 中古マンション購入で...

2018年10月18日

田中 和彦

「滞納問題」を抱えたマンションに注意! 中古マンション購入で失敗しないコツ

マンション全体の滞納事情が大事!

「滞納問題」を抱えたマンションに注意! 中古マンション購入で失敗しないコツ

ペイレスイメージズ/アフロ

中古マンションの購入で失敗したという人は多い。購入を検討し、担当の営業マンに思いつくままに質問を浴びせ、それぞれに納得のいく回答をもらう。契約時には、分厚い重要事項説明書や補足資料に対する不動産仲介会社の説明を聞き「これだけ確認しているのだから問題無い!」という気持ちになったのもつかのま、引き渡しを受けて住み始めてから「これくらい調べておけばよかった……」と後悔するも時すでに遅し、なんてパターンだ。契約前に確認すべきことは膨大にあり、ついつい「ま、いっか」と確認を怠ることもある。なかには笑い話で済ませられるような「後悔」もあろうが、これがお金に絡む話となってくると、住宅ローン等の支払い状況によっては死活問題となる購入者もいるであろう。


と、ここまで書くと「あ、大規模修繕の予定云々の話だな、知ってる知ってる。」とタカを括ったあなた。そのチェックだけでは甘い。今回はその原資となる修繕積立金や管理費、その滞納のお話。資産価値の維持のため、大規模修繕やマンション管理を着実に行っていくための原資となるこの費用。かなりな割合で滞納されている。滞納があれば、それが管理費なら日々の管理に支障をきたすかもしれないし、修繕積立金なら大規模修繕等の計画が狂う。


中古マンション購入後に想定していなかった金銭問題に巻き込まれないよう、購入前に確認しておきたい管理費/修繕積立金の滞納について話したい。

管理費・修繕積立金の滞納

マンション全体としての滞納については、全くもって珍しい話ではない。誰彼か滞納しているマンションはかなりの数にのぼる。  


「平成25年度マンション総合調査 結果報告書」に「管理費・修繕積立金の滞納」についての項目がある。これによると3ヶ月以上の滞納がある管理組合は37.0%。3ヶ月ということは残高不足のうっかり滞納ではなく別の理由がある滞納と考えてもいいであろう。管理組合の3つに1つはそんな「わけあり滞納」を抱えているわけだ。


この報告書の内容は後ほど確認するとして、まずは滞納を二つに分けて考えたい。売買対象住戸の滞納と、マンション全体でみた滞納、の二つだ。

売買対象住戸の滞納は気にする必要なし

まずは売買対象となる「住戸」の滞納。粗っぽい言い方だが、これは気にする必要がない。なぜならば、決済時にお金で解決するからだ。中古マンションを購入する際、売買契約に先立って重要事項説明がある。売買対象住戸に管理費/修繕積立金の滞納があれば、重要事項説明書に必ず記載される。滞納の金額は、管理会社が発行する重要事項調査報告書(所定の手数料を支払った上で管理会社に重要事項調査依頼書を提出することで発行してもらえる書面)に記載されている。


中古マンションの売買の際、当該住戸の滞納金は、売主が決済・引渡しまでに精算するもの。仮に売主が金銭的に困窮し管理費等を払えない状態にあっても、売買代金で支払うことができる。売買代金を上回る滞納があれば別だが、都心部の居住用マンションでそのようなケースは少ない。


そんなわけで売買の実務では売買対象住戸に滞納があった場合は、決済/引渡し前に手付金で売主が支払う、決済時の残代金で売主が支払うのどちらかで解決する。中には、決済/引渡し後に買主が支払うというパターンもある。滞納金額分を売買代金から減じる等して調整するわけだ。いずれにしても、どのように滞納状態を解消するかは事前に納得した上で取り決めをして契約すれば問題ない。


写真:アフロ

契約でおしまいではない! 滞納管理費の精算は慎重に!

しかし、滞納金に関する失敗例はある。よくあるのは、この管理費等の精算実務が杜撰(ずさん)なケース。例えば、売主が売買代金の残代金で支払うとしていたのに、決済の場で滞納金の振込までせずに「後で払う」と言って取引が終わってしまうケース。決済が終わってしまえば、新しい所有者である買主は「支払ってください!」と督促するしかない。書面に書いているからといって、売主が本当に支払ってくれる保証はない。契約書での取り決め通りに前所有者が支払ってくれなくても、管理組合から滞納金を督促されるのは買主のあなただ。


前所有者が滞納し、契約書でも前所有者が決済金で支払うとわざわざ記載までしたのに、そんなはずはない! 理不尽だ! と思う人もいるだろうが、これは決まりなので仕方がない。「建物の区分所有等に関する法律」の第54条に「区分所有者の特定承継人は、その承継前に生じた管理組合法人の債務についても、その区分所有者が前条の規定により負う責任と同一の責任を負う」と記載がある。すなわち売主との取り決めがどうであれ、滞納金は現所有者が支払うべきものなのだ。


もちろん契約書を楯に損害賠償の申し立てをすることは可能だが、必ず取り戻せる保証もないし、何と言ってもそんなことに手をわずらわせることが無駄だ。必ず、決済時にキチンと処理しておきたい。


ちなみに、上記の「滞納」の話は比較的多額、数ヶ月以上の滞納を想定した内容だが、なかには「1ヶ月の滞納」といった金額の小さい場合もある。これは、引落日によって毎月滞納している人だったり、たまたま残高が足りなかったりといった場合が多いので、それほど問題ではない。ただし、精算の仕方は具体的に不動産仲介業者に確認しておいたほうがよいだろう。

マンション全体の滞納額はスルーしがち!?  

次は「マンション全体」の滞納。管理組合の区分所有者からの未収金だ。


売買対象住戸の管理費等については月額ならびに調査時点での滞納額が重要事項説明書に記載されるのは先ほど述べたとおり。しかし、同じマンションで売買対象住戸以外の住戸が滞納をしている場合は、重要事項説明に記載されないことがある。重要事項説明の必須事項ではないのだ。管理会社はもちろん把握をしているはずだが、管理会社によっては重要事項調査報告書にマンション全体としての滞納額の開示をしていない場合がある。もし重要事項説明書を見てマンション全体の管理費等滞納額が記載されていない場合は不動産仲介業者を通じて確認してもらう方がよい。


当該住戸の滞納のように、直接自分が支払いに関係するわけではないので見過ごしがちだが、マンションの維持管理が滞りなく行われるかどうかを考えると、むしろマンション全体の滞納の方が大きな問題だ。では、どの程度のマンションが滞納問題を抱えているのか、どのようなマンションに多いのか? 冒頭で紹介した「平成25年度マンション総合調査 結果報告書」をもう一度見てみたい。

長期滞納者の多いマンションは要注意

写真:アフロ


冒頭で「3ヶ月以上の滞納がある管理組合は37.0%」と書いた。これが6ヶ月以上では22.7%、1年以上では15.9%となる。6~7物件に1物件は1年以上の滞納がある「問題児」を抱えている計算となる。


1年以上の滞納住戸を抱える管理組合の割合を、そのマンションの完成年次と総戸数で比較した資料がある。完成年次は古いほど、総戸数については多いほど、滞納者を抱える管理組合の割合は増える。「1住戸でも滞納がある管理組合」ということなのである意味当然の結果。このあたりは想像に難くない。しかしそれが滞納住戸の割合も考慮すると、興味深い傾向が見て取れる。管理費等が支払えなくなり滞納してしまう住戸の発生は「◯住戸に1戸」のような一定割合となっておらず、大規模マンションほど長期滞納者の割合が多くなっているのだ。


サンプル数は2,324。総戸数規模別で見るとそのうち過半数(1,399)が75戸以下。この76戸未満のマンションには滞納住戸割合が3%を超えるマンションは一つもない。それに対して、76戸以上(895)のマンションでは27戸もある。割合にして約30%だ。


また501戸以上のマンションでは、1年以上の滞納住戸が10%超というものが2つある。10%超というのはひどい。最低でも51住戸が1年以上滞納しているマンションというわけだ。サンプル数2,324の中の2つなので千に一つもないと言えるが、知らずにそのような物件を購入してしまったら目も当てられない。


大規模物件では一人一人の存在感が小さくなりルールを守る気持ちが希薄になるのか、それとも大規模マンション志向である住民に問題があるのか? この資料からは「大規模マンションになるほど長期滞納者の割合が増える」という事実はわかるが、その理由まではわからない。とりあえずは大規模マンションを購入する際は、より注意をしたほうがよさそうだ。

滞納が多いマンションは将来が不安  

マンションは管理を買え、とはよく言われる話。住民同士のコミュニケーション、管理状態のよさ、大規模修繕の予定等、確認すべきポイントはたくさんあるが、その活動の源泉は管理費と修繕積立金。これがきちんと回収されていないマンションは、建物のメンテナンス等に支障をきたすのはもちろん、本来はマンションの価値向上に振り向けられる管理組合の活動が管理費の督促や支払い請求の訴訟など、本来は必要のない業務に時間や費用を充てなければならない。


不動産仲介業者には面倒がられるかもしれないが、管理費等の滞納については当該住戸だけでなく、マンション全体についても確認しておきたい。


【参考サイト】

※「平成25年度マンション総合調査〔データ編〕」参照

最終更新日:2018年10月18日

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