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家の「高い査定」に喜ぶな! 査定結果と売却価格は別モノ

2019年02月12日

田中 和彦

家の「高い査定」に喜ぶな! 査定結果と売却価格は別モノ

「不動産一括査定サイト」のワナ

家の「高い査定」に喜ぶな! 査定結果と売却価格は別モノ

ペイレスイメージズ/アフロ

複数業者に一括で査定してもらえる「不動産一括査定サイト」

「一括査定サイト」。一度の入力で複数の業者に査定をしてもらえる便利なシステムだ。不動産や車などを売却する際、役に立つ。引越しや保険などの「一括見積もりサイト」と同様、利用したことがある人も多いであろう。


「不動産一括査定サイト」とは、文字通り一括で複数の不動産仲介業者に不動産の査定をしてもらえるサイト。査定してほしい不動産の概要を入力すると、その内容が複数の不動産仲介業者に渡り、複数の査定結果を得ることができる。

売却したい不動産の取り扱いが可能な不動産仲介業者を探し、一件ずつ個別に連絡をし、物件の説明をする。これは相当手間のかかる作業だ。その手間がなくなるのは「不動産一括査定サイト」の大きなメリットだ。


しかし「不動産一括査定サイト」は、同じようにみえる「車買取一括査定サイト」とは根本的な違いがあり、うまく活用するには予備知識が必要だ。

不動産一括査定と車一括査定の根本的な違いは「責任」

まず語弊があってはいけないので説明するが、不動産一括査定サイトで査定をする不動産仲介業者がいい加減だと言っているわけではない。「提示した金額で必ず売る」という「責任」がないということだ。


「車買取一括査定サイト」であれば、100万円と提示した事業者に頼めば100万円で買い取ってくれる。売れればそれで終わり。100万円が手に入る。よって「査定が一番高い業者」に頼めば良い。


「不動産一括査定サイト」はそうではない。複数の不動産仲介業者から一社を選んでも、そこで終わるわけではなく、そこからが売却活動の始まり。査定金額もあくまで査定金額。売却金を手にするのは売れてからだ。

ここで問題なのは、査定価格はあくまで「査定」でしかなく、その金額で実際に売れるわけではないということ。高い査定価格を提示した不動産仲介業者が高い価格で売ることができるという保証はどこにもない。その説明の前に、まずは査定価格と成約価格の関係を説明しておく。

査定価格は「3ヶ月で売れる価格」

写真:アフロ


一般的には査定価格とは「現在の不動産市況において3ヶ月程度で売却できる価格」のことを指し、(例えばマンションであれば)同じマンションもしくは近傍にある条件の近いマンションの成約事例を基に決められる(これを取引事例比較法という)。

過去の成約事例から決まるのであれば、査定価格はどの不動産仲介業者でも同じ金額になりそうなものだが、そうはならない。査定には「流通性比率」という項目があるからだ。

この流通性比率は、査定価格の最後に加えられる要素で、駅からの距離・建物の広さ・築年数・間取りといった条件比較では現れない「売れにくい・売れやすい」といった感覚を価格に反映させるもの。1.00(100%)を基準に-15%~+10%程度の幅で加えられる。

仮に成約事例から導き出された価格が同一だったとしても流通性比率という「サジ加減」で上下25%も査定価格が変わる。簡単に言えば、成約価格を基に計算された査定価格がいくらであれ、流動性比率で調整し「3ヶ月で売れる価格」を査定価格とするわけだ。

媒介を取得するために高い査定価格を提示する場合も!?

話を戻そう。査定価格と実際に売れる価格は別物であり、その査定価格は調整可能。しかも「高い査定価格」は「高い買取価格」とは違い、査定価格で売れなかったとしても不動産仲介業者に損失はない(実際には、販売活動をして売れなければ広告経費等の損失は出るが「買い取って売れない」ことに比べれば微々たるものだ)。

要するにこの「一括査定サイト」の仕組みは、仮に自社の利益だけを考えるとするならば、低い査定価格を提示して媒介取得の機会を失うよりも高い査定価格を提示して媒介を取得するほうが得となる仕組みなのだ。

もちろん高い査定価格を提示する不動産仲介会社が、すべて媒介取得のために意図的に高い金額を提示しているとは言わない。対象物件を探している顧客がいる、当該エリアに精通しているといった理由で「販売に自信がある」から高い査定価格を提示することのほうがおおいであろう。

ただ、査定を依頼した顧客の多くは「高い査定価格」を提示した不動産仲介会社に声をかけることが多いことから、この「一括査定サイト」が「ズルをしたほうが得」という仕組みになっていることは知っておいたほうがよい。

ハズレを引かないために「高い理由を確かめる」

ペイレスイメージズ/アフロ


必ずどこかが「一番高い査定価格」になる。どれが本当でどれが「ズル」なのかわからないじゃないか! という方もいるだろう。そう、おっしゃる通り。あからさまに高い金額ならわかるだろうが、そうでない場合はどう判断すれば良いのか?

いちばん高い査定価格を提示した不動産仲介会社に「御社の査定価格が一番高い。なぜか? 売れるのか?」と単刀直入に聞いてみるのが一番良い。

その時に以下のような答えだと要注意。


  • 普通に査定したらこの価格になります。
    (→他の業者も同じ成約事例を基に「普通に」査定しています)
  •  まずは高値で挑戦しましょう、下げるのは後でも大丈夫です。
    (→それは売出し価格の話で、査定価格が高い理由ではありません)
  • 当社にはこの物件をお探しのお客様がいらっしゃいます。
    (→お客様がいて高くなるのは売出し価格で、査定価格ではありません)


ポイントは論理的な説明ができているかどうか。「うちなら高く売ります」だけなら誰だって言える。それをどれだけロジカルに、そして売主の事情を考えて説明してくれるかをしっかりと見極めてほしい。

「一括査定サイト」の利用は、手間を省いて複数の不動産仲介会社へアプローチことが一番の利点。「高い査定」を求めて利用すると、失敗の憂き目に遭う可能性があることを知っておいてほしい。

最終更新日:2019年02月12日

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