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京都と神戸、規制と緩和で真逆の指針~マンション推進とマンショ...

2019年02月26日

田中 和彦

京都と神戸、規制と緩和で真逆の指針~マンション推進とマンション規制~

指針は真逆でも思いは同じ?

京都と神戸、規制と緩和で真逆の指針~マンション推進とマンション規制~

新神戸駅付近の街並み(ペイレスイメージズ/アフロ)

規制の京都、開発の神戸

京都は行政の規制が厳しく、神戸は革新的で自由。そんなイメージを持つ人も多いだろう。「イメージ」というよりも、実際にそうだ。

京都は景観を守るために、都市計画や条例など様々な規制を施している。街並みを守るために外壁や屋根などの色彩を制限したり、大文字等の眺望が遮られないように高さを制限したり、事細かなルールが設けられている。

一方の神戸、阪神淡路大震災以前は「株式会社神戸市」と呼ばれ、山の土を切り出し住宅地等を開発、その切り出した土でポートアイランドなどの人工島をつくるなど積極的な都市開発を行ってきた。

そんな正反対のイメージを持つ両都市が、昨年末に相次いで都市計画の方向性を発表したのだが、これがまた「正反対」の方針であった。

【京都】高さ規制を一部緩和

京都市内では建築物に対する厳しい高さ規制がある。一部地域をのぞいて建築物の高さは最大10~31mに抑えられている。2007年以前も上限45mで15階建超の建築は難しかったが2007年に策定された新景観政策により高さ制限の最高が31mに引き下げ。せいぜい10階程度しか建築できなくなった。


京都市東山区の街並み(写真:アフロ)


その、京都市の厳しい規制の代表とも言える高さ規制が一部緩和されるという方針が2018年11月に発表された。

31m超の建物が建てられるようになったわけではないが、現在上限20mであるJR山陰本線「丹波口」駅西側エリア等、一部の特定されたエリアで高さ規制が緩和される。また、御池通沿道や、京都市営地下鉄「竹田」駅、JR東海道本線「山科」駅周辺など同じく特定エリアで上限を超える高さを認める特例許可制度が利用しやすいようになる方向だ。

この規制緩和でタワーマンションがバンバン建つようになるわけではないが、新景観政策実施から約10年、規制方向から緩和方向に舵が切られたのは画期的と言える。

規制緩和の原因はホテルの急増

なぜ京都は規制緩和の方向性を打ち出したのか?それは地価高騰によりマンションやオフィスの供給が減ったためだ。

一般的には、宿泊施設は住宅やオフィスよりも収益性が高く、土地価格が高くても収支が成り立つ。しかし住宅等と違い立地の良さが問われるため、宿泊施設が建設されるのは一部の交通利便性が高い場所や環境の優れた場所等に限られる。

しかし、観光客の流入が止まる様子のない京都市内は、宿泊施設の需要が非常に高く、商業地域住宅地域問わず、今までであればマンションやオフィス等になったであろう土地までも、根こそぎホテル等になっていると言っても過言ではない状況。街並み保全のための高さ制限よりも、街に観光客ではなく住民を呼び戻し活気を取り戻すのが目的だ。

【神戸】都心部でマンションを規制へ

マンション供給を増やしたいために規制緩和した京都。これに対して神戸は都心部でのタワーマンションを規制する条例施行を目指している。

神戸市の中心部である三宮界隈。阪神淡路大震災までは店舗やオフィス等の業務施設が集積する活気あるエリアだったが、震災で大きな打撃を受け多くの店舗や事業所が閉鎖や縮小した。あれから20年以上が経ち、神戸の人口も震災前の水準まで戻ったが、かつて本社ビル/オフィスビルであった建物が賃貸マンションや分譲マンションへと変わっていった。

このような流れの中、容積率の高い中心部商業地にはいくつものタワーマンションが建設された。1997年以降100戸以上のマンションは56棟、うち60mより高いマンションは19棟。マンションが建つと、人口は増えるが商業地としての賑わいは減る。このような流れを食い止め、都心部にオフィスや商業施設を集積させ、魅力ある都心をつくるための施策が今回のマンション規制だ。

三ノ宮駅周辺はマンション禁止 

神戸のこの規制、かなり厳しい内容が考えられている。 

JR「三ノ宮」駅を中心とした東西約700メートル、南部約400メートルのエリアは原則、住宅の建設を認めず、オフィスや商業施設を誘導。その周囲も敷地面積1,000平米以上の敷地にマンションを建築するときは容積率を400%までしか認めない。現行の容積率が約600%なので今建てられているマンションの規模と比べて約2/3のボリュームとなる。

東京・大阪等の大都市に限らず、地方の中心都市や郊外のターミナル駅においてもバス便ニュータウンから駅前生活への回帰の流れもあり、タワーマンションの建設が増えている。そんな中、神戸市の「中心部タワマン禁止」は、「株式会社神戸市」らしいな革新的な判断とも言える。


神戸市三宮 フラワーロード(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

マンション誘致も規制も街の活性化の手段 

子育て層の住民を増やそうとマンション建設を望む京都市と、マンション建設による街の空洞化を防ぐためマンション規制をする神戸市。

動きは真逆だが、狙いはどちらも同じ「街の活性化」だ。宿泊施設ばかり増えても住民が減り街は空洞化する。マンションばかり増えても事業者や商業施設が減れば街の魅力が減る。施策は真逆だが、魅力ある街づくりにかける行政の思いは同じ方向を向いている。

参考サイト

最終更新日:2019年02月26日

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