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不動産売買の仲介は「大手が安心」は本当か? 信頼できる仲介会...

2019年03月05日

田中 和彦

不動産売買の仲介は「大手が安心」は本当か? 信頼できる仲介会社とは

「両手比率」から考えてみた!

不動産売買の仲介は「大手が安心」は本当か? 信頼できる仲介会社とは

写真:アフロ

これから1~3月は中古不動産の売買が活発になる時期。年度末までに不動産を売ろうと、不動産仲介会社に売却依頼をしようとしている人も多いだろう。都心部で不動産の売却を考える際、依頼先の選択肢は複数あり、どこに頼めば良いかわからないという人は少なくない。地元の老舗不動産会社か? フランチャイズ系か? はたまた大手不動産会社か? 迷うところだ。


なかには「大手に任せておけば安心」と特段考えることもない人がいる。いや、むしろそのような人が多い。はたして本当にそれで良いか? ここに一つ興味深いデータがある。

大手不動産仲介会社は手数料率が高い?

住宅新報社が発表する「主要流通各社の仲介実績」というデータがある。このデータでは同社が実施したアンケートの結果から大手仲介会社の手数料収入、取扱件数、取扱高等が記載されている。


ここに記載されているデータをもとに「手数料収入÷取扱高」で手数料率が計算できる。例えば手数料収入が1億円、取扱高が25億円の会社であれば、1億円÷25億円=0.04となり手数料率は平均して4%となる。


この方法で各社の手数料率を計算すると、1社をのぞいた28社が3%超となった。

両手取引・片手取引とは? 手数料率の仕組み

ここで手数料率3%超という数字の意味と「両手取引」のつながりを簡単に説明したい。


まず手数料について。これは、売主または買主が不動産仲介会社を介して物件を売買した場合の手数料率は400万円を超える部分については3%(+消費税)と宅地建物取引業法で上限が決まっている。400万円以下は200万円超と200万円以下でそれぞれ4%、5%と決められているが、一般的には簡易計算で「物件価格×3%+6万円」として計算される。


この手数料となる「3%+6万円」は売主・買主のそれぞれから受け取ることができる。業界用語では、売主もしくは買主のどちらかから仲介手数料を受け取る場合を「片手取引」、双方から受け取る場合を「両手取引」と呼ぶ。「6万円」を考えないものとすれば、契約がすべて片手なら手数料率はおよそ3%、両手の契約が増えれば手数料率が上がり、すべての契約が両手だと手数料率は6%となる。


さて、ここでもう一度各社の手数料率を確認してみよう。計算してみると、手数料率は3%台から5%台と会社ごとにばらつきがある。数値が大きければ大きいほど、「両手取引」の割合が高い会社となる。


もちろん、200万未満の物件であれば片手でも5%の仲介手数料となるが大手不動産の営業エリアや取扱高を考えると、「低額物件が多いから手数料率が高い」と考えるには無理がある。ここはやはり順当に「手数料率が高い会社は両手取引が多い」と考える方が無難だ。


写真:アフロ

手数料率が示す意味

ちなみに両手(取引)は違法ではない。「双方代理で違法だ!」と息巻く人もいるが、不動産仲介は「代理」ではなく「媒介」なのでこの批判はナンセンス。売主側の仲介会社が買主を見つけるために相応な努力をした結果、買主を見つけて両手取引となることは何の問題もない。問題なのは、両手取引の多さだ。


例えば、ある大手不動産会社の手数料率は5.27%。これは単純計算で約60%の取引が両手でないと実現できない数字だ。10件の取引の内、自社の顧客に他社の媒介物件、または自社の媒介物件に他社が顧客を紹介した案件が4件しかないということになる。


嫌みな言い方をすればこのような大手不動産会社は、媒介物件を5件持っていれば、そのうち3件は、何十社、何百社とある他の不動産仲介会社の力を借りることなく成約させることができる「優秀な仲介会社」というわけだ。


しかし、このような偏りが起きるのは少々考えづらい。そこで疑われるのが「囲い込み」だ。

囲い込み、被害を受けるのは買主ではなく売主!

「囲い込み」とは、「売り物件情報を他社に紹介せず自社の顧客だけに紹介する」こと。情報の囲い込み、だ。顧客からの仲介手数料は上限が決められているため、一取引での手数料を増やすためには、3%の手数料となる片手よりも6%となる両手を増やす方が良い。


これが、両手取引が多い不動産会社は手数料収入を増やすために「囲い込み」をしているのではないか? と言われるゆえんだ。しかしこれはあくまで「状況証拠」。「囲い込み」が行われていなくても顧客数が多ければ両手の件数は増えるので、手数料率が高いだけで「囲い込み」が多いとは言い切れない。ただ一つ言えるのは、「囲い込み」が行われていなくても手数料率が高い不動産仲介会社は売主にとって「機会の損失」をしている可能性があるということだ。


買主は、不動産仲介会社が「囲い込み」をしていても、その「囲い込んでいる会社」の仲介で買えばいいので特段の損失はない。むしろ別の不動産仲介会社からの紹介がない分安く買えるかもしれない。


割りを食うのは売主だ。広くいろいろな不動産仲介会社に情報が共有されて買主を探してもらえばより多くの「買主候補」に出会え、高く売れる可能性があるのに、「囲い込んでいる会社」の顧客にしか紹介されないのでその可能性が閉ざされる。


写真:アフロ

依頼先は「大手だから」ではなく先入観なしで選ぶ

大手不動産会社の両手比率は高い。取引の過半数が両手である会社も少なくない。しかしそれがすべて「囲い込み」とはいえない。「顧客の多さ」による部分も大きい。しかし顧客が多いばかりに手持ちの顧客で成約(=両手)し、より多くの顧客への露出が妨げられる可能性もある。


ではどうすれば良いか? それは地元の不動産会社も大手不動産会社も先入観なく考えて選ぶこと。担当者の力量や人柄なども考慮する必要がある。「大手が安心」と何も考えずに大手の会社に任せるのは思考停止であるし、「大手は囲い込みをしている!」と決めつけるのも早合点。これから不動産を売る人買う人は、会社だけでなく担当者も含めていろいろな面から考察して依頼先を検討してほしい。


最終更新日:2019年03月05日

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