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「初期費用」「月額賃料」「仲介手数料」値引き交渉しやすいのは...

2019年04月24日

田中 和彦

「初期費用」「月額賃料」「仲介手数料」値引き交渉しやすいのはどれ?

~ 得する賃貸交渉術 ~

「初期費用」「月額賃料」「仲介手数料」値引き交渉しやすいのはどれ?

写真:アフロ

新年度に入っての一人暮らし。広さ、場所、価格、様々な角度から物件を吟味して無事契約。しかし、住みだしてから諸事情があり止む無く転居先を探す……。こういうパターンの人は案外多い。住んで初めて気がつくこともあれば、住んでから自身の事情が変わることもある。そんな時には気を取り直して再度賃貸探しをするわけだが、できるだけ費用は抑えたい。そんな人のために今回はどのようにすればうまく条件交渉が進められるかを紹介したい。

やみくもに交渉するのはNG

契約事において相手方からいい条件を引き出すにはコツが有る。やみくもに値切ったとてうまくはいかない。これは不動産に限った話ではない。大切なのは「敵を知ること」。相手方が、どの条件が譲歩しやすくどの条件が譲歩しにくいか、を知る必要がある。交渉する際に切れるカードは3つ。敷金・礼金等の「初期費用」、「月額賃料」そして不動産仲介業者に支払う「仲介手数料」だ。

まずは、間に入る不動産仲介業者、彼らにとっては仲介手数料が命。ここを値切られると、極端な言い方をすれば仕事をする意味がない。もちろん貸主との関係性で「一円ももらえなくても成約したほうが得」という物件もあるだろうが、その場合は初めから「仲介手数料ゼロ」などとしているはず。そんなわけで不動産仲介業者に対して仲介手数料を値切るのは、あまり筋の良い値切り方とはいえない。

つぎに貸主はどうか。貸主にとって初期費用と月額賃料が自身の身入りとなる。とはいえ仲介手数料が値切りにくいとすれば初期費用と月額賃料のいずれかを値切るしかない。交渉しやすいのは、どちらか?

貸主は「月額賃料」を下げたくない

答えは、初期費用だ。なぜならば、貸主にとって、月額賃料は下げにくいから。下げにくい理由は2つある。

1つ目は、賃料を下げると「人気のない物件」というレッテルを貼られること。

貸主にとって一番望ましいのは、市場に出さずに紹介や事前の問い合わせで部屋が埋まること。実際に人気物件の中には「空室○人待ち」といった状態で、空室が出ても市場で募集されることなく次の入居者が決まる物件もある。

しかしそのような物件はまれ。ほとんどの物件は市場で借主を募集する。その場合、賃料を下げて募集する、あるいは賃料を下げて契約したことが周囲に知れてしまうと「あの物件は賃料を下げないと借り手がつかない物件だ」すなわち「不人気物件」とみなされることになる。

「募集価格と違って、成約価格は外に漏れるわけではないのになぜ?」と思うかもしれない。確かに、それはその通り。しかし、取扱業者は価格を下げたことを知るわけで、借主自身が他言することもある。賃料が下がったという事実は、貸主にとってはかなりつらい話なのだ。

2つ目の理由は、現在居住中の借主に対する信義則的な問題。仮に、あるマンションに月額賃料10万円で貸している部屋があり、同条件の部屋が賃貸に出るとする。月額賃料10万円以上の募集ならあまり問題はない。同額以上で募集していれば居住中の借主からの文句も出ない。現在の募集賃料よりも安く借り得ている、すなわち自分が「得している」からだ。だが月額賃料10万円以下での募集となると、今住んでいる人はいい気がしない。

もちろん、契約時期等によって金額が変わるのは仕方がないことで、同額にしなければならないルールもない。実際に、古くから住んでいる人の賃料の方が安い例は多くある。しかし最近では、逆のケースもある。新規契約の賃料が下がっていることが現入居者の耳に入れば、貸主に対して減額交渉が申し入れられるかもしれない。減額交渉の手間は貸主にとって負荷のかかる話であり、万一減額ともなれば、たちまちに収入が減る。

「初期費用」が交渉しやすい理由 

写真:アフロ


不動産仲介業者の「仲介手数料」は値切りにくく、貸主は「月額賃料」を下げたくない。というわけで一番交渉しやすいのは「初期費用」となる。

もちろん、将来にわたっての安定収入である月額賃料が減るのが嫌だという考えもある。礼金は契約時の一時的な収入であり、敷金はあくまで預かり金であり収入ではない。理由はそれだけではない。

敷金・礼金等の初期費用は、貸主によって大変ばらつきがある。貸主の言い値だ。一方、賃料については相場があり、貸主によるばらつきは少ない。例えば、条件の似通った2物件の賃料が一方は5万円、もう一方が15万円などといったことはまず無い。しかし、敷金・礼金は、同じ建物内の同じ広さの物件が敷金ゼロ円と敷金3ヶ月が併存しているなんてことは珍しくない。よって、賃料と違い初期費用は、貸主にとって交渉に応じやすい。そこが賃料と違うところ。

分かりやすくいえば、潜在的な借主の多くは月額賃料しか気にしていないということだ。不動産広告サイトでもチラシでも、まずは賃料が目を引くようにできている。「昨年の賃料は10万円だったが、今年は9万円に下がった」という人はいても、「昨年の事例は敷金が2ヶ月だったが、今年は1ヶ月に下がった」と語る相場ウォッチャーは少ない。

実質賃料を下げるフリーレントという技 

写真:アフロ


初期費用の交渉以外にも、もう一つカードがある。それは「フリーレント」だ。

フリーレントとは、入居後一定期間賃料を発生させないこと。契約条件に「フリーレント2ヶ月」とあれば契約日から2ヶ月間は賃料がかからない。賃貸借契約に定められた解約の申し出時期によって賃貸借契約の解約が退去時期に間に合わず、二重に家賃が発生することがある。それを回避するためにフリーレントが利用されることも多い。

このフリーレント、貸主にとっては受け入れやすい制度である。これも理由は二つある。

一つ目は、契約賃料を下げずに実質賃料を下げることができること。月10万円の物件の年間賃料は120万円。2年契約とすれば2年で240万円だ。この物件をフリーレント2ヶ月とすれば貸主の収入は2年で(24ヶ月-2ヶ月)×10万円=220万円。これは月額賃料に割り戻すと220万円÷24ヶ月≒9.17万円となり8%強、4年(48ヶ月)とすれば4%強の値下げと同じ効果がある。極端な話、フリーレント期間がどれだけ長くても、契約書には月額賃料10万円と記載があるから「家賃は10万円です」と胸をはって言える。

二つ目は、「成約せずに時間が過ぎたと思えばよい」と気持ちを納得させやすいこと。フリーレント1ヶ月を希望する検討者が目の前にいるとする。この検討者で契約を進めると1ヶ月の賃料を失うことになる。しかし、検討者に断りを入れてその部屋が1ヶ月間契約できなかったとすると「あ~あの時の人と契約しておけばよかった」と後悔することになる。検討者が少ない物件であれば、貸主も「待っていてもすぐに1、2ヶ月たつから決めてしまおう」という気持ちになる。

特に、4月以降は1~3月の繁忙期から一段落ついて検討者が減る時期。フリーレントが交渉カードとして生きる可能性は高い。

ただフリーレントに関しては1点注意しておきたいことがある。フリーレント物件には、賃貸借契約書に「一定期間内に解約した場合はフリーレント期間の賃料を請求する」といった内容の取り決めがされる場合もある。くれぐれも後から気付いて後悔することのないようにしてほしい。

条件の良い物件は3月末までに無くなることが多い。反面、4月以降は年度末ほど市場が活発ではないのでゆっくりと探すことができる。また、今残っている物件は貸主や不動産仲介業者にとって「賃貸付けしにくい物件」。条件交渉次第では「今が借り時」ともいえる。

最終更新日:2019年04月24日

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