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京都に住みたい 肩肘張らない下町情緒、大阪勤務ファミリー層に...

2019年08月16日

田中 和彦

京都に住みたい 肩肘張らない下町情緒、大阪勤務ファミリー層におすすめの下京区

金閣銀閣はないが梅小路公園がある

京都に住みたい 肩肘張らない下町情緒、大阪勤務ファミリー層におすすめの下京区

京都タワー(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

昨今のインバウンドブーム以前から修学旅行生等で賑わう定番観光地である金閣寺(北区)、銀閣寺(左京区)、清水寺(東山区)。外国人観光客の急増でここ5~6年存在感がグッと増した伏見稲荷(伏見区)。そんな超メジャー級の観光スポットを目指す観光客はまずJR「京都」駅(下京区)を目指し、お目当ての場所に移動してゆく。下京区は素通りして……。観光的にはそんなポジションの下京区、さていったいどんなエリアなのか?

下京区は京都市の玄関口

大阪から在来線、東京から新幹線、空港からは「はるか」もしくは空港バス。これらが発着するのが下京区内のJR「京都」駅。遠方から京都へ来る人の多くは、このJR「京都」駅とその駅前広場に面したJR中央改札口がある京都駅ビルが「京都の玄関口」だ。このJR「京都」駅と京都駅ビル、京都の街にひっそりとした寺社仏閣や町家のイメージを持っている人は、その大きさ、ボリューム感に驚くかもしれない。なかでも中央改札北側にある幅147m高さ50mの巨大吹き抜けは圧巻だ。


JR京都駅烏丸口改札(写真:アフロ)


そして、この京都駅ビルに勝るとも劣らない存在感を放っているのが京都タワー。「京都の玄関口」を見守るように駅の北側にそびえ建つ。周辺には31mの高さ制限がありせいぜい10階程度までの建物しかない。その高さ制限の上限よりちょうど100m高い131mのタワーは、当然周辺に比類する建物もなくやたらと目立つ。白と赤の色合いと細長い形状からか「ろうそく?」などと言われるが、実は灯台をイメージして建てられた建造物。建築当初は賛否両論あり反対派も多くいたそうだが、今は京都のシンボルとして市民に愛される存在。京都タワーはけしからん! なんていう人はいない。


この印象深い京都駅、京都駅ビル、京都タワーの3つがあるのが京都市下京区だ。金閣寺や銀閣寺をみて「ふ~ん」としか思わずに「見たことあるけどあんまり覚えていない!」なんて人も案外京都タワーや京都駅ビルの印象は残っているような気がする。

大阪への移動が便利

前置きが長くなったが要するに下京区は京都の玄関口。何と言っても大阪への移動が便利だ。大阪勤務者にとっては、とても住みやすいエリア。


JR京都駅のホーム(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)


下京区は、南をJR東海道本線、北を阪急京都本線に挟まれたエリアであり、区内のどこに住んでも、多少の遠い近いはあれどもJRの駅か阪急の駅まで無理なく歩ける。そしてどの駅を利用しても大阪(梅田)方面への移動が容易い。参考までに説明すると、下京区内にあるJR線と阪急線の駅は、JRが「京都」駅で新快速停車、阪急が西(大阪側)から順に「大宮」駅「烏丸」駅「河原町」駅であり「烏丸」駅「河原町」駅は全ての電車が停車、「大宮」駅も特急こそ止まらないが通勤特急・快速急行などが停車する。


JR東海道本線と阪急京都本線の「2線アプローチ」はポイントが高い。新快速利用でJR「三ノ宮」駅から「大阪」駅までは約20分、JR「京都」駅からは約30分と10分程の差でしかないのに大阪通勤者にとって京都は神戸よりも遠いイメージがある。その理由は「乗り換えなしの一直線エリアが少ない」から。


神戸市内の市街地の多くはJR線、阪急線、そして阪神線を利用して「大阪へ一直線」なのに、京都市内はJR「京都」駅から地下鉄利用やバス利用のエリアが多い。例えば大阪直通のJR線の駅の数を比較するとよく分かる。神戸市内には、西は「舞子」駅から東は「甲南山手」駅まで合計17駅あるのに対し、京都市内には「桂川」駅「西大路」駅「京都」駅「山科」駅のわずかに4駅。それだけ直通路線でカバーされているエリアが狭い。そんな「大阪から不便」である京都において下京区の利便性は特筆すべきものがある。

気張らず住める下町情緒

ファミリー層に住みやすい理由は交通利便性だけではない。


肩肘張らない下町情緒あふれる雰囲気で暮らしやすいという側面もある。京都市内は「敷居が高い」と考えられている節がある。例えば、中京区はあの三井グループのルーツと言える三井越後屋等の大きな商家がある経済の中心。上京区は表千家・裏千家の家元や京都御所など「ハイソサエティ」なイメージ。それらと比べると、下京区は住民の生活に根ざした下町的なイメージで取っつきやすい。


実際に、真北に位置する中京区と比べて下京区の町家の規模は全般的に小振り。店舗にしても、「関西初出店」や「東京に続いて日本で2店目」といったメジャーで「ヨソ行き」なお店が多く並ぶ中京区に対し、下京区には家族経営の和菓子屋、喫茶店、定食屋などが多い。観光客が多いのはどこも同じだが、隣り合う中京区より「生活の匂い」がする。


また、京都には古い町並みが残っていると言われるが、より古くから残っているのは建物よりも道路の形状だ。ご存知の通り上京区~中京区~下京区にかけては街区が碁盤の目。平安京の条里制の面影を残している、というより条里制がそのまま残っているエリアが広い。しかし、下京区の「碁盤の目」は上京区・中京区と比べると、細い通りがあったり十字路ではなく少し曲がった通り、斜めの通り、抜けていない通りがあったりと、すこしラフな感じ。一度歩いただけでは気づかないかもしれないが二度三度と街を訪れればこの細かいニュアンスに気付くはずだ。

そこに暮らす人の憩いの場、梅小路公園

下京区 梅小路公園(写真:アフロ)


前段では下京区に超メジャーな観光スポットが無いような書き方をしたが、それは外国人観光客や修学旅行生等の観光客が京都に求めるイメージ通りの寺社仏閣のようなスポットに関してのこと。下京区には寺社仏閣のようなステレオタイプな京都とは違う名スポットがある。梅小路公園だ。


梅小路公園は、ファミリー層にはうってつけのレジャースポット。JR「京都」駅徒歩約15分という市街地にあるにもかかわらずその面積は約13.7ヘクタールと相当広い。定番の表現を借りれば甲子園球場3.5個、東京ドーム3個弱の大きさ。公園の中には寝転がったり弁当を広げたくなる広大な芝生広場、夏には多くの子供で賑わう河原遊び場、森林浴のできる回廊や雑木林、季節が来れば梅が咲き、桜が咲き、紅葉も観賞できる。ここに京都水族館があり、隣接地には京都鉄道博物館。「自転車ですぐ」の場所にこんな場所があるのだから、ファミリー層が「子供を連れてどこに行こう?」なんて迷うことはない。


梅小路公園を「下町情緒」と表現するのは少しおかしいが、「散歩に行くのは京都御所」といったエリアに比べると庶民的だ。

最近のホットスポットは五条楽園

「五条楽園」から鴨川を望む(筆者撮影)


この数年京都市内では、ホテルやゲストハウス、「町家の一棟貸し」などの宿泊施設が激増したが、なかでも一番大きく景色が変わったのが下京区。「京都市統計書」によると各区の宿泊業施設数は平成25年度以降平成30年度まで6年連続下京区がトップ。多くの住宅や事業所が宿泊施設へと変わっていった。「修学旅行以来京都に行っていない」なんて社会人はもちろん、5年前に京都を訪れたという人でも街の様子の変貌ぶりには驚くに違いない。


「町並みが変わった」というフレーズはネガティブな文脈で使われることが多いが、変わって良くなった町並みもある。下京区の「五条楽園」もその一つと言える。


五条楽園とは、下京区の東端の鴨川に沿ったエリア。旧遊郭、昔の赤線だ。指定暴力団の事務所があるなどし、地元の人もあまり立ち寄らないエリアだった。2010年まで営業を続けていたが、同年に廃業し、住民の高齢化も相まって空き家が増加。そのタイミングと、観光客増加によるAirbnb実施者・新規の旅館業事業者の増加が重なり、今では多くの宿泊施設と旅行客が行き交う「安全な街」へと変貌した。

近年注目度の高まる下京区

ところで、どんな都市でも「住所ヒエラルキー」がある。京都でも、ある。今回紹介した下京区は、京都御所に近い上京区や中京区と比較して、どうしても「格下」扱いされがち。しかし、大阪や神戸などを含む多くの都市で起きた「高級住宅街よりも利便な都心」というトレンドが京都にも波及し、広域への交通利便性に優れ、「格下」ゆえに不動産価格に割安感のあった下京区は俄然注目されることになった。


「格下」などと書いたが、下京区のポテンシャルは高い。京都市内にある主だった百貨店、JR京都伊勢丹は下京区の南端、大丸京都店、藤井大丸、高島屋京都、京都マルイは下京区の北端(四条通)。今後も、北は四条通りから、南はJR「京都」駅まで、下京区内の「繁華街化」は止まりそうにない。


下京区は今年で区制140年目。京都市が昨年自治120周年であり、なんと下京区は京都市よりも歴史がある! なのに「格下」といわれるのもいささかかわいそうに思えるのだが……。



参考サイト

  • 京都市統計書(京都市)
    ※第10章文化・観光 45旅館、ホテル(Excel表)参照

最終更新日:2019年08月16日

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