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京都に住みたい 古い町家も残り「上質な京都」を感じる上京区

2019年10月03日

田中 和彦

京都に住みたい 古い町家も残り「上質な京都」を感じる上京区

人も町も京都らしさが溢れるエリア

京都に住みたい 古い町家も残り「上質な京都」を感じる上京区

京都市 京都御苑

下町ならぬ「上町」の上京区

よく「下町」という言い方をする。それに対して「上町」という言葉はあまり使われない。京都には中世に「上町」、正確には「上町(かみのまち)」と呼ばれるエリアがあった。それが上京区だ。


下町が「庶民的な」ということであれば、上町は「高貴な」とでも言えば良いのだが、ここ上京区は「ステータスの高い」区と呼ぶほうがしっくりとくる。例えば「わび・さび」の文化を生み出し、日本の誇る文化として世界的にも有名なものに茶道がある。その様々な流派において最も著名であり人数の多い表千家・裏千家と、これに武者小路千家を加えた「三千家」の家元はいずれも上京区にある。日本を代表するといっても過言ではない茶道の中心地というだけでも、そのステータス感は十分に伝わってくる。


他にも通り名や町名の由来などにもその片鱗がうかがえる。後鳥羽上皇の院御所五辻殿があったことによる五辻通、応仁の乱勃発の地とされている上御霊神社にちなむ上御霊前通やそれにちなんだ上御霊◯◯町、出家して名を岩栖院とした細川満元が住居していた岩栖院町、同じく出家して大心院宗貞となった細川政元が住んでいた大心院町、等々。「町名のストーリー」を語りだすと続々と「歴史話」が溢れ出す。特に区内の東側にあたる京都御苑周辺は武家屋敷・公家屋敷跡が数多くある。

2度目の京都的上質スポットが魅力

他にも「上質な京都」を感じる場所はある。金閣寺・銀閣寺・清水寺あたりが修学旅行で訪れる「初めての京都」とすれば、上京区は「2度目の京都」的スポットとよんでもいいだろう。京都御苑(京都御所と呼ばれることも多いが公園として解放されているのは京都御苑。京都御所は内部にある旧皇居のこと)、相国寺(観光的にはメジャーではないが、あの金閣寺・銀閣寺は相国寺の別院)、上七軒(知名度では祇園や先斗町に劣るが京都の花街の中では最古と言われている)。これらすべて上京区に所在する。


上七軒の街並み

   

上記いずれのスポットもカッコ書きが無いと分かりにくいが、この一家言ある感じがとても京都、とりわけ上京区らしいとも言える。


「虎屋」なんかもその類。黒に金色の虎の絵が印象的、手土産で重宝される羊羹の虎屋。この虎屋を「東京の店」などと言おうものなら「いまは天皇さんと一緒に東京いってはるんどす」と切り返される。まあ「~どす」は年配の人しかあまり使わないので、いささか誇張していると思われるかもしれないが、言い方は違っても大方同じことを皆思っている。虎屋は本社は東京だが、発祥は京都。いまでも京都御苑のすぐ西隣、いわゆる「御所西」エリアに店舗がある。


こういうあたりのニュアンスを理解しておかないと「御所ってゆうてはるわ」「金閣寺(祇園)は知ってはっても、相国寺(上七軒)は知らはらへん」などと言われてしまう。そんな話がまだ残っているのが上京区だ。

複数ある景観保全エリア

こう書くと「お高い」ように思われそうだが、「お高い」ではない。先にも書いたように「ステータスが高い」のだ。言い換えれば、長い歴史によって育まれた豊かな文化に対して住む人が誇りを持っている。もちろん千年の都と言われる京都、どの区であっても文化は豊かで住民はそれに誇りを持っているが、ここ上京区はとりわけその傾向が強い。武家屋敷・公家屋敷が多かった御所周辺東側エリアはもちろん、西側においてもそうだ。


西側エリアが誇る文化といえは西陣織。「西陣」は地名にはなく、上京区の北西部(から一部北区にかかる)エリアをそのように呼ぶ。由来は応仁の乱の際に、西軍が本陣を置いたからというのは有名な話。そして、この地で生産されているのが高級絹織物の西陣織だ。呉服業界の規模は縮小し往時の勢いはないが、今でもその存在感は健在だ。ちなみに、かつて西陣織を生産していた京町家は、広い土間と大きな吹抜けがあり織屋建(おりやだて)と呼ばれ、上京区内に点在する。西陣織を作らなくなっても、その建物自体が文化財となって残っている。


西陣の街並み


また、この西陣織やその関連業の密度が高いエリアは「千両ヶ辻界わい景観整備地区」として京都市市街地景観整備条例によって地区内の新築や改装などに一定の制限が加えられている。同様に、区内北西部の上七軒と呼ばれる北野天満宮周辺のエリアも「上京北野(かみのきょうきたの)界わい景観整備地区」として景観保全の施策が打たれている。

利便さなら東エリア、ゆったり過ごしたいなら西エリアがおすすめ

京都市 北野天満宮の紅葉(写真:アフロ)


上京区内には二つの景観整備地区があるがいずれも、上京区の西側エリア。これは、「交通が不便であった」ことが一つの理由と言える。


上京区は、そのちょうど中心あたりを南北に堀川通が走る。堀川通以東は京都市営地下鉄烏丸線の駅徒歩圏内であり、JR「京都」駅や阪急「烏丸」駅までの移動が容易で、大阪までのアクセスも便利。そのため住宅等の土地活用ニーズが高く、多くの町家は解体されたのちマンションやビル等に建て替えられていった。それに比べ堀川通以西は、京都市内では珍しい中央分離帯を挟んで3車線ずつプラス歩道のある幹線道路を超えてさらに西側に行く必要があり、東側に比べて開発のスピードは緩く、結果として町並みが残されている。


分譲マンションが多く交通利便性の高い上京区東エリアもいいが、地下鉄での移動を念頭に置かないのであれば、町家が多く残り比較的ゆったりとした時間の流れが感じられる西陣や上七軒界隈を中心とした上京区西側エリアも魅力的だ。

京都私大の雄 同志社大学も上京区

烏丸今出川交差点西側から東側を望む。向かって左が同志社大学今出川キャンパス。右手は京都御苑。


最後にもう一つ紹介したい場所がある。それは同志社大学の存在。京都、いや関西を代表する私立大学だ。京都で企業・自営業を営む人には同志社大学卒業生が多く、京都で商売をする上で「同志社卒」は大きなアドバンテージとなる。また同志社卒でなくても、京都御所に近接する広大なキャンパスの雰囲気は上京区民にとって、好きな風景の一つという人も多い。また、学内のフレンチレストランが利用可能であったり、京都市営地下鉄「今出川」駅界隈を中心としたエリアに数多くある大学生ターゲットのリーズナブルな飲食店等を利用できるというプラスもある。


上京区中京区下京区と一つにくくられることもあるが、上京区は中京区・下京区とは空気が違う。JR京都線・阪急京都線の利用が容易な中京区・下京区に比べ「大阪に電車一本で行けない」が故に分譲マンションは比較的少ない。宿泊施設も少ないため、道を行き来する観光客も同様に少ない。少し誇張して書いたきらいもあるが、それは上京区の持つポテンシャルをリスペクトしてのこととお許しいただきたい。より深く京都を感じ、どっぷりと京都に浸りたい。そんな人には、是非とも上京区住まいをおすすめしたい。より「京都らしさ」が残っているエリアだ。 


最終更新日:2019年10月03日

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