ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
一度でいいから寝てみたい。チンパンジー発、究極のベッド

2016年09月23日

lefthands

一度でいいから寝てみたい。チンパンジー発、究極のベッド

あらゆる面で画期的

一度でいいから寝てみたい。チンパンジー発、究極のベッド

うーん、心地よさそう

これが人類進化型、究極のベッドです

質の高い睡眠を得られると、疲労回復だけでなく、ダイエットやうつなど、私たちの生活のすべての面によい影響があると最近の研究で分かってきています。そんな折、京都大学の研究者たちが”究極の睡眠へ誘うベッド”が開発したということで話題になっています。というのも、そのベッドの原型となったのが、チンパンジーが木の上に作るベッドなのだとか。その名も「人類進化ベッド」というこの画期的なベッド、さっそく拝見してみましょう。 

これが「人類進化ベッド」


これがベッド? 驚きなのが、まず「四角くない」こと。それにロッキングチェアのような脚の形状。どうしてこの形に行き着いたのか、詳しい話を開発に関わった3人に伺ってみました。

生涯1万個以上のベッドを作るチンパンジーは究極の「ベッド職人」

そもそも、このプロジェクトの発端となったのが、京都大学の研究員としてタンザニアを中心にチンパンジーの研究をしている座馬(ざんま)耕一郎さんの貴重な体験でした。京都大学といえば、霊長類の研究で世界的に知られています。
「私の研究テーマは『チンパンジーの毛づくろい』だったのですが、毛づくろいというのはシラミを取る行為です。ただ、野生のチンパンジーのシラミの数を数えるのは難しいので、彼らのベッドの中に落ちているシラミの数や種類を観察し始めたのが、きっかけでした」(座馬さん)
チンパンジーは基本毎日移動するので、移動した先で手頃な樹木を探し、ささっと10分程度で木の上にベッドを作ります。それも毎日。一度使ったベッドは再利用しません。
「一生の間に、1万個以上のベッドを作る計算になります。ということはある意味究極のベッド職人といえますよね。そのベッドがあまりにも気持ちよさそうで、ちょっと寝てみたのですが、もうこれが優しく包まれるとろけるような素晴らしい寝心地で、あっという間に眠ってしまいました(笑)」(座馬さん)
日本に帰国したとき、あまりの夏の暑さにチンパンジーのベッドでの快眠体験を思い出した座馬さん。自分の布団でその寝心地を再現しようとしますが、うまくいきません。
「その“究極の寝心地”という座馬さんの話に魅せられて、まずはダンボールでプロトタイプを作ってみたのが僕です。その時は『人間のベッドに叶う寝心地のものなんかないやろ』と思ってましたが、作ってみると意外に心地よくて」と、プロダクトデザイナーの石川新一さん。
そこに寝具のプロであり、快眠プロデューサーでもある株式会社イワタ代表取締役の岩田有史さんも加わり、手弁当でプロジェクトがスタート。とにかく、座馬さんしか体験していないチンパンジーのベッドの寝心地に、「もしそれが再現できたなら」と誰もが魅せられたのでした。

左:株式会社イワタ代表取締役 岩田有史さん、右:東南西北デザイン研究所代表 石川新一さん、寝転がっている人:京都大学大学院アフリカ地域研究 座馬耕一郎さん


楕円形で360度の枕、ヒントはハンス・J・ウェグナーの名作椅子

チンパンジーと人類の遺伝子は98%一致しているとか。彼らが心地よいものは人類も気持ちいいはず。


座馬さんが「チンパンジーのベッド」の条件として出してきたのは3つ。あり、そのどれもが従来のベッドの常識とかけ離れていました。
  1. 楕円形である 
  2. 360度抱き枕がある 
  3. 真ん中がくぼんでいて、ベッド自体360度の心地良い揺れがある 
なぜなら、チンパンジーは天敵であるヒョウを避けるため、5m以上の樹木の上にベッドを作るのですが、彼らが選ぶ木は直径10cmくらいの細い木。しっかりとした太い幹だと、ヒョウが下から登ってこられるから、だとか。
「そういう細い木ですから、心地よく揺れるんですよね。その揺れがまた眠りを誘うんです」(座馬さん)
この「揺れ」と「心地良い真ん中のくぼみ」をどうしようか……考えていた寝具のプロ岩田さん。ヒントとなったのはハンス・J・ウェグナーの名作椅子「Yチェア」でした。
「Yチェアの座面はペーパーコードという素材で編まれています。それが人の形に合わせて心地よくホールドするから長時間座っていても疲れないんですよね。そこで岡山に協力してくれるペーパーコードの職人さんを見つけて相談してみました」(岩田さん)

「5m以上の樹木の上にベッドを作ります」(座馬さん)

さらに「360度の枕」に関しては「楕円形の布団の縁を全部枕にしてしまえばええんやないかと。そもそもチンパンジーは基本横寝で葉や枝を抱き枕のように使うそうです。人間も70%くらいの人は横寝だと聞いてますし、この縁を抱き込むようにして寝れば体が安定しますよね」(石川さん)
岩田さんは、その布団の素材にはフェザーを使い、柔らかく体を包み込みながらも、体熱や汗が抜けるようなベッドパッドを作り上げた。
「楕円の寝具を作るのは大変でしたが、そもそも我々の寝具が四角いのは部屋の形がそうなっているからだったり、工業製品として作りやすいからなどといった理由で、誰もそこに疑問を持たなかったのでしょう。寝心地を考えたら楕円になった、というのはとても説得力があります」(岩田さん)  

通常、寝具ベッドに使われる素材はいろいろある。


寝てみたい人がどんどん現れた

1年の歳月をかけて完成した「チンパンジーのベッド」。早速一晩寝てみた座馬さんは「すごく寝心地が良くてあっという間に寝入りました」と大満足。このベッドを「睡眠」をテーマにしたイベントで展示したところ、「寝てみたい」という人が続出。
「中には筋萎縮性障害をお持ちの方や、高齢者の方、ケアマネージャーの方もいらっしゃったのですが、意外なことにその方たちからも『早く商品化して欲しい』という感想をいただいたんですよ」(石川さん)

「座馬さんの感覚をものさしにしてもの作りをするのは明快で楽しかった」(石川さん)


「正直デザイナーとしてはそこまで想定していなかったのですが、思い通りに動くスペックが高い介護用のベッドよりも『断然安心するし、寝心地がいい』と。ベッドの脚がロッキングチェアのようになってますから、ベッドに上がろうとして体重をかけると『ベッドのほうが迎えに来てくれる』とおっしゃる方もいました」
包み込まれるような寝心地、心地よい揺れ、横寝で安定する布団の形。いわば、究極のリラクゼーションをもたらしてくれる「チンパンジーのベッド」は、これから先色々な可能性を秘めているようです。

商品化に向けてクラウドファウンディングを行っている


(文・構成 山祥ショウコ/レフトハンズ)

最終更新日:2018年08月30日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。