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大磯の古民家をパン屋にセルフビルド/before2

2017年08月08日

lefthands

大磯の古民家をパン屋にセルフビルド/before2

2つの故郷のエッセンスを加えて

大磯の古民家をパン屋にセルフビルド/before2

「ついに自分の城を持つのね」とリー・ウツミさん

この家を見た瞬間「懐かしい」と思った 

タイルの床が出来ました


大磯駅近くの築60年の古民家をベーカリーにすべく、セルフビルドで着々と改装中のリーさんとパートナーの内海潤さん。改築を始めてみたら梁がダメになっていたり、補強しなくてはならないところがどんどん出てきて作業がなかなか進まなかった前回(大磯の古民家をパン屋にセルフビルド/before1)。今回1ヶ月ぶりに現場を訪問してみたら、明るい笑顔のリーさんがいました。 


「細かいところの作業はまだまだ山積みだけれど、一番の懸念の水道局・消防署の検査が通ったのが一昨日なの。6月中のオープンに向けてがんばります」(リーさん)

アメリカ・サウスカロライナ育ちのリーさんがなぜ古民家に興味を持ったのか、この物件のどこが魅力的だったのか、うかがってみると、

「この家、懐かしくて」と答えるリーさん。アメリカ人のリーさんが「懐かしい」ってどういうことなんでしょう?


「子供の頃の思い出の家に似てるんです。実は父はインドネシアで軍関係の仕事をしていたのですが、軍事クーデター(※1965年に勃発、スカルノ政権崩壊)でインドネシア駐留の米軍ベースが引き上げて日本に移動し、それに伴い私の家族も神奈川県にやってきたんです。父は基地内の住宅に住むのを好まなかったので、葉山に日本家屋を借りて住んでいたの。葉山に住んでいたのは私が8歳~13歳の頃までで、その後はアメリカに帰国してサウスカロライナの高校へ行き、その後南米などいろいろな場所に住んだのだけれど、『ここが私の場所』と強く感じたのは、日本だったんです。この家を見た時、木の柱の手触りとか、畳の感触とか、忘れていた子供の頃の記憶が蘇りました」(リーさん)


ちなみにリーさんの妹さんは「日本が懐かしい」と感じることはないそうで、家族で同じ体験をしていても、思い出や合う土地って、かなり違うようです。


建物の左半分は別の人が経営するカフェで、床は大谷石。右半分がリーさんの店舗で床はタイル。この組み合わせがとても気に入っているとか。

異国の日本で思う、サウスカロライナ

細い路地の先にある軽トラから木材を運ぶ


リーさんがパンを焼き始めてもうじき20年になります。その間、茅ヶ崎のカフェなどでパンを委託販売したりマーケットで売ったりするなど、大人気のパン屋さんながら、店舗を持たない方針でずっと営業していました。

「それが変わったのはやはり7年前に大磯市に出店してからです。大磯の人たちは温かいし、明治時代から外国人の保養場所だった歴史があるせいか、外から来たものに対してもフレンドリーに受け入れてくれます。あと、食べ物も質の高いものを大事にする気風もありますね。ここで毎月出店し、7年間の関係性が出来ていたからこそ、『店を構える』という飛行機から飛び降りるような勇気のいることを始める気になったの」とリーさん。


実際、日本で店を出すのは、アメリカで店を出すより50万倍大変!と笑います。日本はリーさんにとって異国ですから、我々日本人がアメリカで店を持つのと同じくらい大変なことなのですよね。

「そうですね。ここは住宅街の中なので、周りの方の理解を得たり、役所関連の許可を得たり、古民家ならではの大変なこともありますが……店を持つということは、私にとっては、長い休みをとって故郷で過ごす時間がなくなることを意味します。実際、この作業を開始してからアメリカの家族が病気になったりして大変だったのですが、ケアしに行ったりできないという……とても精神的に辛いことも起こりました」(リーさん)


アメリカの家族の話になると、リーさん、少し涙がにじみます。


「私はサウスカロライナの小さな街が故郷なんです。だからこのお店には、自分の大好きなもの2つ、湘南とサウスカロライナを詰め込んでいます。ベーカリーのインテリアはパンに関係ない、どんな環境でも焼けるという方もいると思いますが、朝4時から夕方5時まで、一日に13時間も過ごす場所なんです。自分が心地よく仕事をするためには、自分が好きなもので囲まれていたいでしょ?」(リーさん)


Lee's Breadのファンにはおなじみの木箱は、夫の潤さんがデザイン&制作。木箱にしたのは、焼き立てのパンの余分な水分を逃がすため。「プラスチックだと蒸れて、パンのパリッと感がなくなってしまいます」

隣のカフェオーナーが見つけてきた解体した洋風建築の窓と、トタン板を組み合わせて仕切りに。

イケアのスチールゴミ箱もあえてアンティーク風に仕上げ


どんどんディテールが仕上がってきて、リーさんの世界観が見えてきていますよね。次回は完成したベーカリーのインテリアをお届けします。


(写真・構成:山祥ショウコ/レフトハンズ)


取材協力

最終更新日:2017年08月08日


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