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「こんなハズじゃ…」を回避する“築古物件”の賢い選び方

2017年12月13日

クエストルーム

「こんなハズじゃ…」を回避する“築古物件”の賢い選び方

マンション購入ホントのところ5

「こんなハズじゃ…」を回避する“築古物件”の賢い選び方

いま、築古物件に人気が集まるホントの理由

新築マンションの価格の高騰で、人気が増している中古マンション。新築同然に内装がキレイになったリノベーション物件のほか、最近では築年数が古い物件が“ヴィンテージマンション”として再評価され、人気を集めるようになっています。ただ、うわべだけの物件選びに終始すると入居後に思いもよらない落とし穴が待っていることも……。

毎回、不動産の達人に“マンション購入のホントのところ”を聞いてくるこの連載。今回は、築古マンション選びの注意点について、さくら事務所に所属するホームインスペクター(住宅診断士)の川野武士さんに伺いました。

さくら事務所に所属するホームインスペクター(住宅診断士)の川野武士さん。一級建築士、二級建築施工管理技士。これまでに受けた住まいに関する相談は1,000件以上。


――本題に入る前に、ホームインスペクターって何をする人ですか?


川野 第三者の専門家の立場から、住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用までを見極め、アドバイスを行うのがホームインスペクターです。いわば、住宅に特化した“かかりつけのお医者さん”です。最近では物件購入前に住宅診断を依頼される方が多く、特に、中古物件ではニーズが高まっているのを感じますね。


――やはり、今は中古マンションが人気なのでしょうか?


川野 新築マンションは着工数がリーマンショック前の半分ほどに落ち、立地を厳選する傾向もあるので、かなり値段が上がっているのが現状です。中古マンションとの価格差は、都内で3,000万円程度、首都圏でも2,000万円程度ありますので、その分、中古マンションの引き合いが強まっています。また、最近では外観は古くても内装は新築とあまり変わらない、リフォーム済み物件やリノベーション物件が増えていますし、「古いからこそデザイン性が高い」と、“築数十年”のヴィンテージマンションに人気が集まる傾向もあります。


――都内には“築40年”クラスのマンションが残っていますが、実際、それだけ築年数が古いヴィンテージマンションでもニーズはあるもの?


川野 購入対象となる中古マンションは、築10~20年程度の物件が一番のボリュームゾーンで、どれだけ古くても築30年までというところでしょうか。とはいえ、築40年クラスでも耐震補強や設備の修繕がきちんと行われている物件なら十分に住めます。価格の安さや、ヴィンテージ感にこだわる人にはニーズはあると思いますよ。


リーズナブルであることも魅力ですが、築年数の古いマンションの人気の秘密はデザイン性なんですね。築古でも、リノベーションすれば住み心地も新築同然にアップすることもできるようです。今、「やっぱ中古がいいなぁ」と思った人、大事な話はココからです。

建物の“完成日”と外壁の“茶色いシミ”に気をつけて!

――築年数が古い中古マンションを選ぶうえで注意すべきポイントとは?


川野 ずっと長く住み続けたいならまずは耐震性ですね。震度6~7の地震に対応する「新耐震基準」が始まったのは昭和56(1981)年6月。少なくともそれ以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」ですから、きちんと耐震診断を行って、耐震性が低い場合は耐震補強工事が済んでいるかどうかが重要です。建築確認申請が「昭和56年6月」以降に受理されているかどうかも含めて、その辺りは不動産会社に必ず確認するようにしましょう。


――ほかに築古マンションを選ぶ際に気をつけるべきことはありますか?


川野 外壁のひび割れにも注意してください。というのも、古いマンションでありがちなのが“コンクリートの中性化問題”なんです。コンクリートは本来アルカリ性で、これが中に入っている鉄筋のサビを防ぐ効果を持つんですね。ただ、長年外気にさらされたコンクリートは、表面から徐々にアルカリ性が失われて中性化します。それが内部の鉄筋に達すると湿気などによりサビが起きやすくなり、サビが生じると鉄筋自体の体積が増してコンクリートが割れる。すると、割れたすき間から雨水が入ってさらに浸食が進み、最後には剥がれ落ちて建物の耐久性に問題が出ます。物件見学時は外壁に幅0.5mm以上のヒビ割れがないかをしっかり確認すること。ひび割れがあって、そこから“茶色いシミ”がにじみ出ているような物件は鉄筋がさびている可能性が高いといえます。 

外壁も忘れずチェックしましょう。(写真:アフロ)


ヴィンテージマンション選びも、中身が第一で見た目はその次。結婚相手を探すときと同じだったということか…(?)。肝に銘じておきます! 

ヴィンテージマンションは“築○年”が狙い目!

――ではズバリ、ヴィンテージマンションで狙い目となる物件とは?


川野 お買い得感があって、建物の構造的にもリスクが低い物件となると、やはり新耐震基準に対応した“築30年前後”が目安になるかと思います。ただ、マンションの場合は、エントランスや廊下、階段はもちろん、玄関の扉やバルコニー、建物の構造部分といった共用部分は、修繕やリフォームを勝手に行うことはできません。部屋の中はキレイになっても、こうした共用部分の維持・管理がずさんだと、入居後に水漏れや構造上の問題が出たり、突然、大規模な補修工事が必要となり、修繕積立金の値上げを要求されたりすることも…。共用部分の修繕がきちんと行われているかどうかは修繕計画書、場合によっては管理組合の議事録に記載されていますので、購入前に不動産会社を通じて見せてもらうようにお願いするといいでしょう。そこで必要書類の提出を拒むような物件は、避けた方が賢明かもしれません(苦笑)。 


ここをチェック!「失敗しない築中マンション選び」 

  • 建築確認申請が昭和56年6月以前の物件は旧耐震
  • 旧耐震物件は耐震補強がされているかを確認
  • “外壁のヒビから茶色い染み”は要注意物件
  • ヴィンテージマンションは築30年前後が狙い目


川野さんによれば、住宅診断の料金相場は「1回5~6万円」とのこと。素人目では建物の欠陥を見極めるにも限界があるということを考えれば、物件購入前にホームインスペクターなどのプロに診断してもらうというのも手です。


(文:興山英雄/構成・撮影:クエストルーム)


取材協力:株式会社さくら事務所

業界初の個人向け不動産コンサルティングを手掛ける一級建築士事務所。ホームインスペクション(住宅診断)の利用者39,000組以上という実績を誇る。知識と経験豊富な専門家により、住まいに関するあらゆる分野の強い味方として、悩める人をサポートする不動産の達人。

最終更新日:2018年08月30日

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