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(ペイレスイメージズ/アフロ)
家を買う際のお金についての基礎知識やおトクな情報をお届けする当連載。第2回は、住宅ローンを組むときに誰もが持つギモン「自分はいくら借りられるの?」を解決していきましょう。
住宅ローンの「借入限度額」ってどうやって計算するの?
今回も、ファイナンシャルプランナーの中村諭さんに、住宅ローンで借りられる金額(借入限度額)の算出方法について伺ってみました。
「住宅ローンでいくら借りられるかを知りたいとき、おおよその目安となるのはその人の税込年収です(ボーナスや手当てなどをすべて含む金額。額面年収ともいう。以下、”年収”とします)。年収と“返済比率”から、金融機関から借りられる住宅ローンの金額を算出することができます」
「返済比率」とは、年収のうち、住宅ローンの返済に充てる金額の割合のこと。試算する場合は、返済比率35%という数字に設定してみましょう(フラット35で年収400万円以上のケース。年収400万円未満の場合は、30%で設定を)。
「例えば、年収400万円の人の場合、返済比率を35%とすると、年間の返済額は140万円、これを12ヶ月で単純に割ると月々約11.6万円の返済となります。この月々11.6万円という数字をもとに、借入限度額をシミュレーションしてみると良いでしょう」
年収を元に「シミュレーション」してみよう
ここで中村さんから、「借入限度額をシミュレーションするときは金融広報中央委員会の『知るぽると』というサイトを使うとよいですよ」と、耳寄りな情報が。早速、実際に「知るぽると」の「借入限度額シミュレーション」で年収別にシミュレーションをしてみました。
まず、年収400万円の人が年間140万円(月々約11.6万円)を固定金利型「フラット35」の35年ローンで返済する場合。
【「知るぽると」の「借入限度額シミュレーション」での入力例】
「知るぽると」での入力例。面倒な計算も、必要な数字を入れるだけでラクラク。算出した借入限度額を物件購入の参考にしてみよう。(画像引用元:知るぽると)
上記を入力して「計算する」と、借入限度額は4042万円という結果に!
年収600万円の場合、年収800万円の場合も同様に計算して、一覧にしました。
■年収別 借入限度額シミュレーション結果一覧(フラット35の場合)
年収 | 月額返済限度額(概算) | 借入元金限度額 |
400万円 | 11.6万円 | 4042万円 |
600万円 | 17.5万円 | 6098万円 |
800万円 | 23.3万円 | 8119万円 |
つまり、フラット35を利用する場合、年収の約10倍のお金が借りられるという計算になります。案外多く借りられるものですね!
注意!「借りられる額」と実際に「借りていい額」は違う
借入限度額をシミュレーションしたうえで、それぞれの家族構成などに合った返済プランを立てましょう。(ペイレスイメージズ/アフロ)
とはいえ、年収の約10倍を“借りられる”というのは、あくまで計算上の目安の数字。中村さんは、「実際の生活を考えると、年収の6~7倍が現実的な借入額と言われています」と注意を促します。
また、フラット35の場合は、全額ローンで購入するのではなく、一定の自己資金を用意した方が金利面で有利になります。
「フラット35の場合は、物件購入金額の10%の頭金と購入時の諸費用は自己資金で用意することが推奨されており、10%未満の場合は金利が高くなってしまいます。4000万円のマンションを買おうと思ったら、最低限400万円の頭金を用意しましょうということです」
では、一般的な民間住宅ローンの場合は?
「どんな住宅ローンでも、返済能力を確認するための審査がありますが、銀行などの民間住宅ローンとフラット35では、返済可能な金額を試算するために使う金利が異なります。民間住宅ローンの場合は、審査には金利4%でシミュレーションした借入限度額を目安に考えるとよいでしょう(実際の借り入れ時の金利とは異なります)」
先ほどのシミュレーションで金利を4%に変えて計算してみると、年収の約6.5倍のお金が借りられる金額になります。民間住宅ローンを利用する場合は、こちらの数字を目安にしましょう。民間住宅ローンの場合、借入限度額自体はフラット35よりも少なくなりますが、頭金なしでも最優遇金利で借りられるケースがあるそう。
■年収別 借入限度額シミュレーション結果一覧(銀行などの場合)
年収 | 月額返済限度額(概算) | 借入元金限度額 |
400万円 | 11.6万円 | 2619万円 |
600万円 | 17.5万円 | 3952万円 |
800万円 | 23.3万円 | 5262万円 |
こちらの数字が現実的な借入額として参考になるでしょう。
いずれにしても、あらためて「ライフプランを立てることが重要」と中村さん。こんな事例を教えてくれました。
「最近は、夫婦共働きで世帯年収が1000万あり、二人の収入で家を買うというような人が東京では特に多いんです。でも、実際は奥さんの出産で産休を取ったり、仕事を辞めたりする場合もあるので、1000万円の収入が続くと想定してローンを組むのは危険です」
同じ年収でも、子どもの人数や実家が近くにあるのか遠方にあるのかなどで、毎年かかるお金は変わってきます。シミュレーションで借りられる限度額を知ったうえで、自分の家庭に合った返済プランを立てることが重要ですね。
それでは第2回のまとめです。
<今回のまとめ>
(取材・文:クエストルーム)
最終更新日:2017年12月19日
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