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ずばり! オリンピック後の不動産不況が起こらないこれだけの理...

2019年01月14日

クエストルーム

ずばり! オリンピック後の不動産不況が起こらないこれだけの理由と本当のリスク

晴海・豊洲・有明、東京湾岸展望3

ずばり! オリンピック後の不動産不況が起こらないこれだけの理由と本当のリスク

GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ

オリンピック特需はない! 不動産の暴落は起こらない!

再開発ラッシュに湧き、東京都心の不動産市況を牽引する存在とも言える晴海・豊洲・有明の東京湾岸エリア。市場の移転、そして2020年に東京五輪を迎えるこのエリアの現状と展望を、“不動産の達人”さくら事務所創業者にして会長の長嶋修さんに緊急取材し、全3回にわたってお届け! 


最終回となる今回は、オリンピック後の不動産市況について。前回(晴海地区に建設中の東京五輪選手村は2019年5月から販売開始!注目度はいかに)で詳報のとおり、オリンピックの選手村跡地は約5600戸の分譲・賃貸マンションとして供給されるが需要過多に陥ることはないのか? オリンピック特需が終わることで不動産が暴落するという説が、まことしやかにささやかれるが実際のところは? ずばり長嶋さんが答えてくれた!


※本記事の内容は2018年12月11日時点の取材内容に基づいています。


――オリンピックが不動産市況におよぼす影響を伺えますか? 不動産が暴落する…なんて話も聞こえてきますが。


長嶋 まず、オリンピックは不動産市況とは何にも関係ないですよ! みんながイメージで言っているだけで、先進国で行われたオリンピックを調べてみたところ、不動産市況に影響を与えた例はないんです。新興国や経済のパイが小さい国──1964年の東京オリンピックはそうでしたけれども、そういうオリンピックは経済成長を助けるという側面もあって、一時的に景気が良くなったり、オリンピック後の工事需要の落ち込みはありました。けれども今の日本のような先進国、経済大国では、オリンピックによる建設特需というのは不動産市況全体から見ると本当に上澄みみたいなものなんです。オリンピックより前に、民主党時代に「コンクリートから人へ」というスローガンで公共事業がだいぶ止まったのを、アベノミクスで吹き返した勢いの方が爆発的でした。また、震災など災害復興事業もありますので、そこにさらにオリンピックの工事が乗っかってきたという程度のことなんです。

なかには、「不動産が暴落するだろうから家を買うなら2020年以降に」なんて人がいるんです。2020年以降には、建築費も下がるだろうと。おそらく、下がらないです。一戸建てもマンションもオフィスビルも、下がるほど需要が減っているような状況にまったくない。今、2018年ですが、4年後、5年後ぐらいまで、建設会社は需要が見えている。地方では別ですが、東京など一般的な都市部はおおむねそんな状況です。なので、オリンピックの前後で不動産市況がどうだということは、考える必要はないと思いますね。


――インバウンドの活況もあって、そこでの工事需要もありますね。


長嶋 それも大きいですね。それこそ、豊洲や有明エリアにあれだけのホテル建設が予定されていたり(第1回「ついに市場もオープンし、活況を呈する豊洲の不動産市況の現状と展望!」参照)。今、日本全体の不動産は落ち込む地方と、上昇が一息ついた大都市圏、そして現在も上昇傾向の都心部とものすごく三極化していますが、やっぱり都心部はめっぽう強いんですよ。ここでは建築の需要も旺盛にあります。

たとえば、大手町や丸の内みたいなオフィス街でも、玉突きで建て替えが進んでいます。渋谷や品川エリアでは大規模な再開発も行われています。


豊洲・有明エリアには、インバウンド需要の高まりを反映するようにホテルの建設計画が次々に発表されている。写真は有明駅周辺。 写真:アフロ


――なるほど。では、特に買い控える意味はなくて、低金利な今買ったほうがまだいいわけですね。


長嶋 そう思います。前回で話しましたが、住宅ローンの金利は引き渡し時に決まってきます。4年後、5年後の金利がどうなっているかなんて、それこそ本当に分からない話ですが、少なくとも今より金利が下がるということはないと思います。いつ、どのタイミングで、どのくらい上がるかという読みになってきている状況です。


気持ちいいまでにずばりと言い切った長嶋さん。消費税の増税についてもさらに突っ込んで展望を伺ってみる。

消費税増税も不動産市況に悪影響にはならない。むしろ増税後の方が有利になる可能性も。

――ちなみに、オリンピックとは別に、近々、消費税率が上がるというトピックもありますが、この前後ではどうでしょうか?


長嶋 私は、消費増税は今回やらないんじゃないかと、勝手に思っているんですが、仮に増税されたとして、住宅市場そのものにはほとんど影響はないと思います。というのも、まだ本決まりじゃないんですが大きく2つか3つの策が打ち出されようとしていまして、まず住宅ローン控除の期間を10年間から13年に延ばそうという方向で議論されています。さらに、消費税が2%上がっちゃった分をポイントなどで還元しようという話も出ています。それに加えて、消費税負担を緩和するためのすまい給付金という制度もあるんですよね。どちらかというと省エネ性能に優れた住宅などが要件になりますが、住宅を買ったらただただお金をあげますという制度です。さらに最近、子育て支援的な意味合いで食洗機などに給付金を出そうというような話も出てきています。もしかしたら消費増税後のほうが得かもしれない。金利はわからないですが。

これらを勘案すると、消費税増税前になんとしても駆け込みで買ったほうがいいという理由は、ちょっと見えないので、駆け込み需要ののちに不動産市況が落ち込むということは考えづらいです。


――逆に言うと、今、買いたいと思っている人で買える環境にあるなら、買い控える必要もないよということですね。


長嶋 金利を考えると、そう思います。オリンピックのことや消費税増税よりも、むしろ不動産価値が落ちない、落ちにくい物件を選ぶことの方が重要です。資産価値で将来、もしかしたら100万の差が簡単に吹き飛んでしまうかもしれない。


――そういう意味では、それこそコンパクトシティが実現される晴海の選手村跡地や豊洲、国家戦略特区の有明は、不動産価値の評価が将来下がる方向にはなりづらそうですね。


長嶋 私はなりづらいと思いますね。2004~2005年ぐらいにかけて、東雲で三菱グループが手がけた全1000戸超と当時日本最大級のツインタワーマンション「Wコンフォートタワーズ」があります。当時、坪当たり150万とかでものすごく安かったんですよ。


――その当時からしたら、それこそ東雲はへき地みたいなイメージですもんね。


長嶋 そう。人が住むところじゃないし、しかも、あの物件は割に東京湾岸エリアのタワーマンションのはしりのころだったので、「引き渡しが2年も先なの!?」という受け止められ方だったんです。が、蓋を開けてみたら結構、不動産業界人が買っていたりしたんですよ。


――投機目的だったということですね。


長嶋 私も当時、投資勉強会をやっていて、「絶対、これは買いだから」といって何人か買ったんです。そうしたら、倍近くぐらいになりましたよ。今、東京湾岸エリアで開発が進んでいる物件はそこまで極端じゃないとは思いますが。もうある程度、注文が集まってしまっているので。


先行してタワーマンションが開発された東雲エリアの現在。 GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ


――確かに東雲は、東京湾岸エリアの先行事例として、いい参考になるかもしれないですね。まあ、安くは買えないでしょうけど、東雲と同じことが起こるだろうと。


長嶋 要は、投資が行われたり、人が集まる見込みがあって、この後スラム化するということにはならない、ということがポイントです。


――オリンピックの跡地って、諸外国ではそういうスラム化みたいな話も聞こえてきたりしますが、そこは今回、都心なので安心だということですね。


長嶋 そうです。日本でも長野オリンピックの跡地は、もう本当に、まさにレガシーという状況になってしまっていますけど、今回は超都心部ですのでそんなことは考えなくていい。特に今回、オリンピック会場のメインになるエリアは、国家戦略特区とアジアヘッドクォーター特区という二地区(第1回参照)の中枢という感じでもあるので、オリンピックが終わったからといってその特区から外れるわけでもありませんからね。オリンピックは、あのエリアに数ある需要の1つだという程度の位置付けでしかないと思うんです。


――いわゆるオリンピックバブルを心配する必要はないんですね。


長嶋 もしもオリンピックで経済バブル的なもの、あるいは不動産バブル的なものが崩壊するようなことがあるんだとすれば、それは東京湾岸エリアに限らないと思うんですよね。もともと渋谷区や港区の方が割高なんですから、バブル崩壊するんだったらそちらの方が下がり方が大きいという話になっちゃうと思うんです。そういった地域は坪500万、600万台なのに対し、湾岸エリアはまだ300万ぐらいですから。もし不動産バブルの崩壊が起こったとしても、東京湾岸エリアの下落率は低いと思われます。


――そういう意味でも、タイミング良くて、買える人ならおすすめということでしょうか?


長嶋 ええ、気に入っているなら、買えばいいんじゃないかと思います。本当にオリンピック後の不況って、みんな雰囲気で言っているだけなので心配ないですよ。そういう事実は過去にも確認できないし、実際に建設事業のボリュームを見ても、オリンピックがなくなったところで建設費が下がる可能性って今のところまったくない。まして、別にオリンピックだけのことじゃなくて、都市開発という側面からも東京都も国も力を入れているエリアですから。


東雲といういい先行事例も聞けたところで、本当に気にすべき住宅ローンの金利についてさらに質問を重ねてみる。

本当に心配すべきは金利の上昇。住宅ローンは固定金利にすべし!?

――では、オリンピック後の方が物件価格が下がるんじゃないかと思って買い控えている人がいるとしたら、そんなことはないし、金利が上る可能性のほうがあるよということですね。


長嶋 はい。むしろ、本当にそんなことで買い控えている人たちが一部にいたりするので、不動産価格は上がるかもしれないです。東京湾岸エリアのマンションで、いくつか大規模修繕をオリンピック以降に先延ばししているところがあるんです。工事は億単位になりますが、今は工事費が高いのではないか、というイメージで。2020年以降にはそういう需要もマグマのように溜まっているので、むしろ高くなっちゃうんじゃないかなと感じています。


――オリンピック以降の方が下がると思っている人のほうが多いわけですが、むしろ上がるかもしれない。


長嶋 ええ。2018年問題(第1回参照)もそうだったんですけど、世の中の現実はもうちょっと落ち着いたもので、そんなに上振れも下振れもないと思うんです。問題があるとすれば、やはり金利ですよね。安倍政権になって以降、日・米・欧とも、どちらかというと量的緩和気味な政策を取っていましたので、それがかなり不動産市場に流れたというのがあるんですよね。大量のお金が、しかも低金利で流れてきて不動産市場を底上げしてきた。ところが最近、EUはブレグジット(イギリスのEU離脱)問題もあって、金融はやや引き締め気味の方向なんです。アメリカも今、金利を上げてきていて、2019年以降も上げていくよという状況です。この国際金融というのは、基本的に協調しないと為替にものすごいブレが出たりしてやっていけないので、そうすると日本も今みたいなゼロ金利、マイナス金利的な政策を続けていけるのかと思うんですよね。


――円高になってしまうというような問題が出てくるので…。


長嶋 ええ。金利が上がると、不動産市場はもろに影響してきます。住宅ローンの金利が1%のときと、2%のときとだと、借りられる全体額がかなり違ってきてしまうので。そのときに、同じレベルの人がマンションを買おうと思ったら、物件価格を下げないといけなくなるんですね。今の金利だったら5000万の物件が買えたのに、金利が上がったことで4500万までになってしまうという話なんです。なので、オリンピックバブルとか何とかいうより、やっぱり、一番は金利です。


写真:アフロ


――今、金利は底を打っているんじゃないかという話があるので、やっぱり買えるなら今がおすすめとなりますか?


長嶋 今のところ、安倍政権が続いていますし、日銀も今のままでいくというふうに言っていますが、4年後、5年後はどうでしょうね。どのみち、景気が良くなっても悪くなっても、いつかどこかで金利は上がります。これをずっと続けるということは物理的に不可能と考えたほうがいい。だから今、住宅ローンを組むんだったら絶対固定金利です。変動金利だと、インフレに対応できないので。固定金利で今の1%、1.5%で確定しておけば、仮にインフレになっても変動金利のようにどんどん金利が上がっていっちゃうというリスクがない。変動金利だと、インフレに対するリスクヘッジが効かないので。


――今、目先のことだけで見ると、変動金利の方が圧倒的にお得に見えますよね。


長嶋 変動金利だと0.5%とか、ありますからね。変動金利は住宅ローンの全額が早く減っていいんですが、やっぱりインフレへのリスクヘッジができないというのが最大のデメリット。かつ、変動金利と固定金利って、その金利の決まり方の性質上、先に固定金利が上がってくるんです。そういう仕組になっているので、変動金利で借りている自分の住宅ローンの金利が上がったからと固定金利に借り換えようとしても、先にそっちがもっと上がっちゃっているので無理なんです。今、変動金利で借りてもいい人は、残高が減るのを楽しみつつ、もし金利が結構上がっちゃったらもう一括返済できるよという、大部分を返せるという算段がある人ということになりますね。


住宅ローンについても、自己資金を持っている人なら財テク的に変動金利でリスクを取るのも一考だが、一般的には固定金利で間違いなしとこちらもずばり。活況を呈する東京湾岸エリアの展望を探ったことで、結果、不動産市況から金利動向まで、大きく先行きが見通せた取材となった。


(文・撮影:クエストルーム)


【取材協力】

業界初の個人向け不動産コンサルティングを手掛ける一級建築士事務所。ホームインスペクション(住宅診断)の利用実績43,000組以上、マンション管理組合向けコンサルティング多数という実績を誇る。知識と経験豊富な専門家により、住まいに関するあらゆる分野の強い味方として、悩める人をサポートする不動産の達人。

最終更新日:2019年01月14日

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