ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
リノベーションに適した中古マンションの選び方は“年代”がポイ...

2019年01月31日

クエストルーム

リノベーションに適した中古マンションの選び方は“年代”がポイント

教えて!中古マンションリノベ 4

リノベーションに適した中古マンションの選び方は“年代”がポイント

雰囲気満点の1970年代と優等生な1980年代

“不動産の達人”さくら事務所に所属するホームインスペクター(住宅診断士)の山見陽一さんに、中古マンションのリノベーション(リノベ)のあれこれをずばり回答してもらう本連載。今回は、リノベにはどんな中古マンションを探せばいいのか、築年数とは違う視点から教えてもらいました!



──前回は、リノベーションの費用やスケジュールなど具体的なイメージが湧いてきましたが、今回は物件について伺います。なにか物件探しのコツはありますか?


山見 物件購入の判断基準として、建てられた年代別に大きく4つのグループに分けて検討することをおすすめします。古い方では1970年代から、80年代、90年代、そして2000年代と、それぞれに特長があるんです。


──では1970年代の物件の特長から教えてください。


山見 まず注意すべきは耐震性能ですね。「新耐震基準」に切り替わるのは1981年ですので、70年代の物件は旧耐震ということになります。ただ、クラシカルな雰囲気、いわゆるヴィンテージマンションと呼ばれるような魅力があるのも事実です。築40~50年の物件ですので、その間に大規模改修工事などで耐震改修や補強工事がなされている可能性もあります。


──“ヴィンテージマンション”は気になります!


山見 販売価格的にも築古というメリットはありますので、過去の地震で大きな影響が出ていないかも確認したうえで、狙ってみるのもいいかもしれません。ただし、日本最初期の共同住宅である同潤会アパートはだいたい60~70年で取り壊されています。15~20年住めればという考えならいいのですが、建て替えのリスクも考えておかないといけません。建て替えは、区分所有者の5分の4の賛成が取れればできてしまうので、自分の意思に反して決定される可能性もあることは理解しておく必要があります。


写真:アフロ


──なるほど。ほかに70年代物件の注意点はありますか?


山見 この時代の物件は直天井・直床といって、コンクリートに直接仕上げ材を張っている物件がほとんどです。階高(ある階の床面からひとつ上の階の床面までの高さ)も現代では290~300cmが普通ですが、このころは250~260cmがやっと。照明や水回りの取り回しのために二重天井・二重床にしないといけないとなると、梁の部分などでは天井高が200cmを切ってしまって圧迫感を感じるかもしれません。

直床はほかにも、遮音性の問題からマンション規約でフローリングが禁止になっている場合もあります。加えて、この年代の給水給湯管はまだ樹脂ではない可能性が高く、ぜひリノベーションのタイミングで樹脂製に交換しておきたいところなのですが、排水管は下の階の天井裏に入っていることが多くて現実問題、交換することができない場合が多いんです。

そのほか、エアコンが当たり前の時代ではなかったので、エアコン用のスリーブ(穴)が開いていないケースもあります。この場合、窓をひとつ開け締めできないようにしなければならなかったり、せっかくのヴィンテージな雰囲気が台無しに…というケースもありますね。


──1980年代の物件の特長はいかがでしょう?


山見 この年代になると二重天井・二重床が主流になっていて、間取りの変更がしやすいということがリノベ的にはポイントですね。70年代の物件の直天井・直床と比べると、80年代くらいからの物件は、あんなこともできる、こんなこともできるというトキメキがあります! 例えばキッチンを対面に変更しようと思っても、ちょっと工夫が必要になるので無理なく変更するためには二重床でないとできなかったりするのですが、それが80年代の物件ならできるんです。

給排水管も樹脂製が普及し始めます。給排水管の交換が必要なければ、それだけでリノベ費用は20~30万円ほど節約できると思います。耐震性も大きな心配はないでしょう。


写真:アフロ


──80年代は優等生ですね!


山見 基礎的な部分でなにかが足りないということはなくなってきますが、建物の躯体にやや劣化が見られたり、断熱材も新築時の施工不良などによる欠損があるケースもあるので、注意は必要です。また、二重床なので施工はできますが、床暖房などの設備の近代化までは難しいケースがあります。

1990年代、2000年代と新しいほど安心かと思いきや!?

──次は1990年代。バブルの世代の物件ですね。 


山見 そうですね。この時代は、80年代からさらにコンクリートの質や設備も近代的になったりしていますが、バブル期ならではの注意点があります。ひとつは、好景気による建設ラッシュで職人が不足し、施工不良が見られることが多いこと。 

もうひとつは、狭いのに無理に3LDKになっている物件が多いこと。このころ、3LDKが流行ったんです。いまなら2LDKか広めの1LDKにするような60㎡台の物件でも、なんとか3LDKにしていたので居室が小さいんです。ちなみに、階高も270~280cmと低く抑えられている物件が多いです。ただ、リノベ向きという意味では、ウォークインクローゼットにアレンジしたり、壁を取り払って空間をつなげたり、間取りの変更まで楽しめるということも言えます。


写真:アフロ


──最後に2000年代。といっても、古いものならもう約20年になりますね。


山見 築20年といっても、やはりコンクリートの品質は相当良くなっています。おそらく、30代の方が生涯をそこで暮らしても、建て替えということにはならないでしょう。設備も床暖房やディスポーザーが付くのがトレンドになりました。生ゴミを粉砕してキッチンから水で流せるディスポーザーは大変便利ですが、あとから自分の部屋だけ付けるということができません。マンションの地下に処理槽があって、そこにディスポーザー専用の排水管を設置する必要があるんです。ですから、使いたければはじめからディスポーザーが付いているマンションを狙う必要があります。設備されている場合でも、間取り面では必ずその排水管につなぐ必要があるので、キッチンの位置は制限されるケースがあります。


ペイレスイメージズ/アフロ


──便利な設備はその分、リノベーションするにはいろいろ不都合も出てくるんですね。ほかになにか2000年代ならではの特長はありますか?


山見 ボイドスラブという新たな工法が普及し始めたのですが、少々注意が必要です。これは通常20cm程度のコンクリートスラブの厚みを30数cmと厚くして、その分、梁が外周以外に不要となり大空間を作れるという工法なんです。が、どうも音のトラブルが起こりがちです。天井面が広い分、振動が伝わりやすいのではないかと言われています。ただ、必ずしも各部屋で起こるわけではなかったり、本当にごく一部の部屋だけだったりと、原因の特定が難しい印象です。

もうひとつ、アウトフレーム工法という手法も登場しました。これはそれまで居住空間内に出ていた柱をバルコニーに出して、部屋をスクエアに取れるように工夫したものです。でこぼこしないので家具の配置がしやすかったり、掃除がしやすかったり、同じ平米数でも使い勝手がずいぶん違ってきますよ。



いかがでしたか? 物件選びはリノベーションに詳しい仲介業者にお任せして…と言っても、まだまだそれほど特化したところは少なく、担当者レベルで気が利くかどうかという状況のよう。今回のような基礎知識は、ぜひ押さえて物件探しに臨みましょう。

次回は、山見さんが「いちばん悩ましいです」という施工会社選びについて迫ってみます!


(文・撮影:クエストルーム/イラスト:大久保ナオ登)


編集部追記(2019/02/05):建て替えについて、区分所有者の賛成割合の記載に誤りがあったため、記事を一部修正しました。


【取材協力】

業界初の個人向け不動産コンサルティングを手掛ける一級建築士事務所。ホームインスペクション(住宅診断)の利用実績43,000組以上、マンション管理組合向けコンサルティング多数という実績を誇る。知識と経験豊富な専門家により、住まいに関するあらゆる分野の強い味方として、悩める人をサポートする不動産の達人。

最終更新日:2019年02月05日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。