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耐用年数でははかれない!? マンションの寿命はどう決まる?

2019年12月09日

クエストルーム

耐用年数でははかれない!? マンションの寿命はどう決まる?

マンションの寿命考

耐用年数でははかれない!? マンションの寿命はどう決まる?

写真:アフロ

築古マンションの人気の理由と、リアルな寿命

2022年には全マンションのうち、約4割が築30年を超えるという調査(国土交通省調べ)もあるなか、築30年、築40年といった築古(ちくふる)マンションが「ヴィンテージマンション」と呼ばれ注目度が高まっています。 


とはいえ、築古であるだけにそのマンションにいつまで住めるのか、そもそも住んで大丈夫なのかといった不安を抱くのは当然のこと。そこで今回、「マンションの寿命」をテーマに全4回にわたり、築古マンションについて掘り下げるべく、不動産コンサルティング会社さくら事務所・創業者で会長の長嶋修さんにお話を伺います。


1999年に業界で初めてとなる個人向け不動産コンサルティング会社・さくら事務所を創業、現会長を務める長嶋修さん。NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会初代理事長。ご自身のお住まいも、築40年以上のヴィンテージマンションだそう。


新築に対して築古と呼ばれる中古マンションですが、実は築何年からが築古といった明確な定義はありません。およその目安としては築30年、築40年といった物件は築古と呼ばれています。こうした築年数の経過したマンションに注目が集まっているのには、ワケがあると長嶋さんは言います。


「新築マンションの供給数が減り、価格が高くなったことが関係しています。首都圏の新築マンションは、2000年代前半にピークを迎えて年間8万戸を超える供給がありましたが、現在では3万戸台の前半にまで減り、それにともない価格は上昇しています。新築マンションの相場は首都圏で5,000万円代、東京23区内に至っては6,000万円代となっています」(長嶋さん)


そうした背景から、中古マンションに注目が集まっているのだと長嶋さんは分析します。


「分譲マンションが世に出始めたのが1960年代後半からですから、この先、築40年、築50年という物件が100万戸を超えてきます。そういったヴィンテージマンションでも、立地が良ければリノベーションすればいいよねという機運が高まっているのです」(長嶋さん)


そこで気になるのがマンションの寿命。国土交通省がこれまでに公表してきた資料によると、これまでに建て替えられたマンションの平均築年数は『約37年』(国土交通省 国総研資料84号「参考 マンション建替えに関する資料・各論」2003年1月)。そうだとすると、多くの築古マンションは寿命を迎えているということなのでしょうか?


「国交省がアナウンスしているマンションの寿命は、取り壊されたマンションや建て替えをしたマンションの平均築年数であって、現役で生き残っているマンションはカウントされていないのです。つまり、寿命として捉えるには正しい数字ではありません。一方、早稲田大学が定期的に行っている『建物の平均寿命実態調査』によると、鉄筋コンクリートで68年という数字があります」(長嶋さん)


これまで不動産コンサルタントとして、数多くのマンションを見てきたご経験をお持ちの長嶋さんご自身は、マンションの寿命をどのように捉えているのだろう。


「現実問題として、ごく普通に設計・建設され、その後も点検やメンテナンスを適度に行っているマンションであれば、100年以上は平気で持つと思います。というのも、例えばコンクリートという建材は新築で建てた時の強度が一番弱く、築後50年くらいで最も強くなります。コンクリートは最初はアルカリ性で時間をかけて中性化していくのですが、その過程で硬くなるのです。そこから50年ほどかけて、徐々に弱くなっていきます」(長嶋さん)


鉄筋コンクリートのマンションでは、コンクリートのなかに鉄筋が入っており、そのコンクリートの厚み「かぶり厚」はおよそ30 mmというのが標準値。なぜ30mmかというと、コンクリートの中性化の進行が1年に0.5mmと想定されているから。60年で30mm進行して鉄筋まで中性化が到達し、鉄筋に水と空気が触れるようになるという計算なのです。つまり、理論値として60年は大丈夫なように造ってあるということ。


「もちろん、現実にはコンクリがひび割れ、水が浸透するといったこともあり、理論通りにいかないこともあります。ですが、適正な建設工事がされ、点検・メンテナンスをしていれば100年は持つということです」(長嶋さん)


最近では、「人生100年時代」とよく言われますが、マンションも人間同様に“健康診断”をしっかりと行っていれば、長寿命で長生きできるということなんですね!


次回は、実際に築古マンションに住むことを想定して、築古物件のどこを見るべきか。長嶋さんに、チェックポイントを教えてもらいます。


(取材・文:頓所直人、構成:クエストルーム)


取材協力:株式会社さくら事務所 創業者会長・不動産コンサルタント 長嶋修さん

業界初の個人向け不動産コンサルティングを手掛ける一級建築士事務所。ホームインスペクション(住宅診断)の利用実績46,000組以上、マンション管理組合向けコンサルティングは400件以上という実績を誇る。知識と経験豊富な専門家により、住まいに関するあらゆる分野の強い味方として、悩める人をサポートする不動産の達人。


最終更新日:2019年12月09日

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