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海抜と標高の違いとは?

2015年03月25日

平野雅之

海抜と標高の違いとは?

街で見かける海抜表示の意味は……

東日本大震災後に海抜表示をする自治体が増えた

東日本大震災後に海抜表示をする自治体が増えた

標高の基準は明治時代に定められたもの

東日本大震災で甚大な津波被害を経験した後、海沿いの自治体では「海抜表示」を掲示することが増えている。都市部の街路で「ここの地盤は海抜◯メートル」という表示を見かけたことのある人も多いだろう。しかし、この「海抜」と、地図表記で使われることの多い「標高」がどのように違うのか、詳しく知っている人は意外に少ないかもしれない。

まず「標高」であるが、国土地理院は「東京湾平均海面を基準(0メートル)とする高さ」として定めている。この東京湾平均海面は「T.P.」(tokyo peil)と表記されるが、もともとは1873年(明治6年)から1879年(明治12年)までの6年間における潮位観測の結果を平均して求めたものだ。それから100年以上が経ち、現代の東京湾平均水位とは一致していないようだが、T.P.の基準面はそのまま据え置かれている。

しかし、各地の標高を海面から測ることはあまり実用的でないため、高さの基準として1891年(明治24年)に参謀本部陸地測量部(国土地理院の前身)が「日本水準原点」を設置した。堅牢な地層に地下10メートルまで土台を築いており、水準原点を覆う石造りの標庫は日本最古の近代洋風建築の一つとされているようだ。

水準原点の標高は当初24.500メートルだったものの、1923年(大正12年)の関東大震災で86ミリ沈下し、さらに2011年3月11日の地震で24ミリ沈下したため、現在は24.390メートルに改定されているという。いずれにしても、日本各地の「標高」はここを基準として定められる。地盤の標高はもちろん、富士山など山の高さも例外ではない。

国会前庭北地区(東京都千代田区永田町)にある「日本水準原点」の標庫

国会前庭北地区(東京都千代田区永田町)にある「日本水準原点」の標庫


標高と海抜は本来違うものだが、実用上はほぼ同義に

「海抜」はその文字からも推察できるように「海面からの高さ」だが、基準となる平均海面は地形や潮流などによって地域ごとに異なる。たとえば、名古屋港基準面(N.P.)は東京湾平均海面より1.412メートル低く、大阪湾工事基準面(O.P.)も1.30メートル低い。

本来であれば、各地の最寄りの港湾における海面を基準として表すものが「海抜」であるが、標高と異なる高さ表記が混在すると不都合も多いのだろう。そのため、一部の離島などを除いて、国内のほとんどの地域は「海抜=標高」としている。つまり、特別な意図がない限り、北海道や九州でも東京湾平均海面(T.P.)を基準とした海抜だ。

たとえば、名古屋市内に設置された海抜表示では「ここの地盤は海抜1.5m」と記載した後に、小さな括弧書きで「N.P.2.9m」などと書かれていることがある。一般的な海抜表示なら1.5メートルだが、名古屋港を基準にすれば2.9メートルという意味である。

したがって、「ここの地盤は海抜◯メートル」ではなく「ここの地盤は標高◯メートル」でも同じ数字になるが、その目的が津波や高潮被害などに対する注意喚起であり、「海」という文字のあるほうがイメージしやすいため、ほとんどの場合には「海抜」が使われているのだろう。

なお、海抜の表示方法は0.5メートル単位、0.1メートル単位など自治体によって異なる。0.5メートル単位の場合は端数を切り捨てているケースが多いだろう。たとえば、1.9メートルなら「1.5メートル」と表示することになるが、これは安全面(少しでも高い場所への避難)などへの配慮から行われている措置のようだ。

最終更新日:2015年03月25日


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