2015年06月17日
平野雅之
通勤時間が最も長い県は? 全国一の市町村はあの人気エリア
平均的な通勤時間が1時間超もある

長い通勤時間はストレスも多くなる
通勤時間が長い県は首都圏に集中
みなさんは毎日の通勤時間をどのように過ごしているだろうか。電車のシートに座り、ゆっくりと本を読んだり、好きな音楽を聴いたりして有意義に過ごしている人もいるだろう。徒歩や自転車で通勤、あるいはマイカー通勤の人もいるはずだ。しかし、大都市圏では満員電車に揺られ、大きなストレスを抱えながら通勤している人も多いに違いない。ところで、この通勤時間は住む地域によってどのように違うのだろうか。
空き家問題に関連して取り上げられることの多い「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省)だが、実はさまざまな調査項目があり、都道府県や市町村ごとの片道通勤時間も調べている。そこで、統計表に示されたデータを確認してみた。なお、ここに挙げるのは「中位数」であり平均値とは異なるが、それぞれの自治体における勤労者の平均像と考えてよいだろう。集計の対象となっているのは会社・団体・官公庁などに勤める社員、職員、パート、アルバイトなどで「世帯の家計を主に支える者」だ。自営業者などは含まれていない。
全国集計では通勤時間が27.6分となり、これを家の所有形態で分けると持ち家が29.4分、持ち家以外が24.9分となっている。持ち家のほうが2割ほど長くなっているが、これはほとんどの地域でみられる傾向だ。
都道府県別では、最も長いのが神奈川県の48.0分、次いで千葉県45.7分、東京都43.8分、埼玉県43.7分といった順になっている。関西では大阪府よりも奈良県のほうが長く41.0分だ。逆に通勤時間が最も短いのは宮崎県の17.7分。首都圏のおよそ3分の1である。

総務省「平成25年住宅・土地統計調査」をもとに作成
自治体ごとにみると1時間を超えるところもある
さらに市区町村別にみるとかなり様相が異なる。たとえば東京都の場合、千代田区の通勤時間は22.2分、中央区は27.2分で全国の数値を下回る。職住接近を実現している人も多いのだろう。23区内では練馬区の50.4分、世田谷区の47.5分、葛飾区の47.1分が長いほうのトップスリーだ。
東京の多摩地域に目を向けると、町田市の58.0分、清瀬市の55.9分、西東京市の55.3分など中間エリアに50分台の市が並ぶ。しかし、このエリアを超えて都心から離れると、逆に通勤時間は短くなっている。1時間弱の通勤時間を境にして、地元の会社などに通う人の割合が増えるのだろう。
千葉県の場合には、千葉市が47.3分なのに対して我孫子市は59.6分、印西市は59.5分だ。この両市から東京へ通う人が多いことが考えられる。それに対して、鴨川市は14.4分、館山市は16.1分であり、この地域に住んで遠くへ通う人は少ないようだ。
その他、3大都市圏の主な都市では、さいたま市が51.1分、横浜市が51.6分、川崎市が49.3分、名古屋市が30.7分、大阪市が32.0分といった通勤時間である。
それでは、全国でいちばん通勤時間が長いのはどこだろうか。全国すべての市区町村を確認することはできなかったが、首都圏および大阪府、愛知県を調べた中で通勤時間が60分を超えていたのは、神奈川県葉山町の65.7分、神奈川県逗子市の61.2分、横浜市青葉区の60.9分、大阪府豊能町の60.9分だった。隣接する葉山と逗子がおそらく全国の1位と2位であり、さらにその隣の鎌倉市も56.3分となっている。この通勤時間の長さに代え難い居住環境の良さがあるのだと好意的に考えておくことにしよう。
それぞれの市区町村の中には、片道通勤時間が2時間以上の人も少なからず存在している。何らかの事情もあるはずだが、その時間をどう過ごすのかも大事だ。仮に片道1時間、往復2時間の通勤を年間250日、40年にわたり続けるとすれば、延べ2万時間に達する。日に換算すればおよそ833日、2年3か月あまりも電車の中で暮らすことになる。住宅を購入あるいは借りるときには、通勤のことをしっかりと考えてみたいものだ。
最終更新日:2015年06月17日