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建設業の人手不足はいまどうなっている?

2015年11月11日

平野雅之

建設業の人手不足はいまどうなっている?

建設業就業者はピーク時の4分の3

建設業の人手不足はいまどうなっている?

建設現場は下請け構造の重層化も問題にされている

一時期の人手不足は解消してきたようだが……

横浜のマンションの一件など、このところ何かと話題にのぼることの多い建設業界だが、近年はその人手不足が問題とされてきた。しかし、国土交通省によれば平成26年3月をピークに不足状態は緩和し、現在は地域によって過剰となっている場合もあるという。平均賃金が上昇したことで人材を確保しやすくなったことや、景気対策の公共事業が一巡して減ってきたことも要因として挙げられるようだ。

その一方で、大手ゼネコン4社の平成27年9月中間決算は、いずれも営業利益が過去最高となったことが報道されている。採算性の悪い工事の受注を控え、利益の出やすい工事に絞ったことが好業績につながっている側面もあるようだ。つまり、人手が足りなくなるような工事数を引き受けないことで、表面上は人手不足が和らいでいるのだろう。

それでは建設業における就業者の状況はどうなっているのだろうか。総務省による「労働力調査」および国土交通省がまとめた資料をもとに調べてみた。

建設業就業者は平成9年の約685万人をピークに減少へ転じた。これは公共投資が大幅に削減されたことが主な要因だ。平成22年は約498万人でピーク比の減少幅は約27%に達した。その後は横ばい傾向にあるものの少し増加もみられ、平成26年は約505万人となっている。しかし、それ以上に深刻なのが建設業の高齢化(若い世代の減少)である。

建設業就業者を「55歳以上」と「29歳以下」に分けた割合をみると、平成9年までは「55歳以上」を上回るペースで「29歳以下」が増えていたものの、平成10年からはそれが一変した。国内の人口構造の問題もあるため、他の産業でも同様の傾向はみられるわけだが、建設業においては全産業平均をかなり上回る高齢層の増加、若年層の減少が続いている。平成26年は「29歳以下」が若干増加したものの11%弱にとどまり、「55歳以上」が34%強を占めているのだ。

総務省「労働力調査」をもとに作成


若年者、女性、外国人の活用も図られている

国土交通省や厚生労働省では、建設業における労働環境の改善や人材育成支援、若年者の雇用促進などのほか、女性が活躍できる環境づくりへの取り組みも実施している。また、緊急的な時限措置として「建設分野における外国人材の活用」にも乗り出した。

だが、これから引退していく高齢就業者の数を補うほど若年者や女性の雇用を増やすことは困難だ。現在は東京五輪に向けた公共投資や震災復興事業も多いが、それらが一巡した後のことを考えればなかなか積極的な雇用に動けない側面もあるだろう。長期的にみれば、建設市場が次第に縮小していくことは避けられない。

経済環境の動向にも大きく左右されるだろうが、建設業就業者に関する民間の研究によれば平成32年(2020年)には、平成22年比で約100万人減少するとの予測もされている。とくに、「おおむね10年程度の期間が必要」とされる技能労働者の育成は、これからも大きな課題として残るだろう。

建設業者の採算性があまり良くないとされるマンションでは、人手不足のしわ寄せが現場や下請け企業に大きな影響を与えかねない。くれぐれも施工不良が生じないことを願いたいものだ。

最終更新日:2015年11月11日


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