ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
賃貸住宅は造りすぎ? その動向を探ってみた

2015年12月23日

平野雅之

賃貸住宅は造りすぎ? その動向を探ってみた

賃貸需要の増加を上回る着工戸数

賃貸住宅は造りすぎ? その動向を探ってみた

条件が劣る賃貸住宅は入居者が集まらないこともある

賃貸用の空き家は429万戸

全国各地で空き家の問題が深刻化している。老朽化したまま放置された空き家も対策が急がれるが、賃貸住宅の問題もしっかりと考えなければならない。「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)によれば、約820万戸の空き家のうち過半数を占める約429万戸が「賃貸用の住宅」なのだ。賃貸用の空き家は年々増加の一途をたどっており、平成10年は約352万戸、平成15年は約368万戸、平成20年は約413万戸だった。

平成10年時点の調査では一部に売却用の空き家も含んでいることに留意しなければならないが、平成10年から平成25年まで15年間で賃貸用の空き家は2割以上、80万戸ほど増加しているのだ。しかし、それにも関わらず毎年かなりの数の賃貸住宅が新たに建てられている。

国土交通省がまとめた住宅着工統計によれば、貸家着工戸数の最近のピークは平成18年の54万3,463戸だった。リーマンショックなどの影響を受けた景気後退局面もあって平成23年には28万5,832戸まで落ち込んだが、その後は再び増加が続き、平成26年は36万2,191戸となっている。平成27年も10月までで31万戸を超え、前年同期を5%ほど上回る水準だ。

平成10年の時点でも過剰な賃貸用住宅戸数はすでに問題視されていたわけだが、平成10年以降の貸家着工を「累計戸数」でみるとどうなるだろうか。それを表したのが下のグラフである。

総務省統計局「住宅・土地統計調査」および国土交通省「住宅着工統計」をもとに作成


貸家の着工は15年間で664万戸

平成10年から平成25年までの貸家着工累計戸数は約664万戸、平成27年10月までの累計では約732万戸に達する。空き家数をはるかに上回る数の賃貸住宅が、15年ほどの間に新たに造られているのだ。もちろん、その裏側では取り壊された古いアパートやマンションなどもあるため、これが賃貸住宅の純増数というわけではない。その一方で、投資用マンション、分譲賃貸、あるいは住んでいたマイホームを貸すなど、貸家着工の統計に含まれていない住宅が賃貸用に加わるケースも少なくないだろう。

また、「住宅・土地統計調査」による借家住まいは平成10年に約1,682万世帯(1人世帯を含む)、平成25年に約1,857万世帯であり、15年間における借家需要の増加は約175万世帯だ。つまり、15年間で175万世帯の需要増に対して664万戸が新たに供給され、空き家が80万戸ほど増えている計算になる。

それでも、これまでは世帯数が増加してきたから何とかなった側面もあるだろう。だが、あと数年のうちに全国的な世帯数の減少が始まる。そのとき需要に合わない賃貸住宅は取り残され、空き家問題の深刻さが加速することも懸念されるのだ。

平成27年1月に相続税が課税強化されたため、相続対策としてアパートや賃貸マンションを建てる例も多くなっている。しかし、大都市圏でも入居者集めに苦労し、真新しい賃貸住宅が空いたままになっていることも少なくない。地方都市などであればなおさら、ニーズとミスマッチの事例も起こりがちである。

賃貸住宅の供給過剰で家賃相場が下がれば、それを借りる側にとってはメリットに感じられるかもしれない。だがそれは、維持管理が行き届かない物件の増加、住環境の悪化、オーナーの破綻など、思わぬ影響を受ける結果にもなりかねないことを理解しておきたい。

最終更新日:2018年08月30日

キーワードを入力してください

キーワードから探す


本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。