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訪日外国人旅行者が急増! でも恩恵を受けるのは一部だけ!?

2016年01月20日

平野雅之

訪日外国人旅行者が急増! でも恩恵を受けるのは一部だけ!?

「訪日外国人消費動向調査」より

訪日外国人旅行者が急増! でも恩恵を受けるのは一部だけ!?

写真:アフロ

訪日外国人旅行者数、消費額とも2015年は急増

観光庁が1月19日に発表した「訪日外国人消費動向調査:平成27年(2015年)年間値(速報)」によれば、昨年1年間の訪日外国人旅行者数は前年比47.1%増の1,974万人に達した。政府は2020年の訪日客数を2,000万人とする目標を掲げていたが、早くもそれを達成する勢いだ。また、訪日外国人全体の旅行消費額(速報)も前年比71.5%増の3兆4,771億円となっている。

だが、訪日外国人数のほぼ4分の1にあたる25.3%を中国が占め、香港、台湾を合わせれば51.6%に達する。旅行消費額では全体の40.8%にのぼる1兆4,174億円が中国だ。いずれは3,000万人も視野に入ってくるだろうが、今後の訪日外国人数の伸びは中国の経済動向に左右される面も大きい。

近年、訪日外国人が増えるのに合わせて「爆買い」や「インバウンド消費」という言葉を聞くことが多くなった。「爆買い」の勢いは東京湾岸部のマンションなど、一部の不動産にも及んでいる。また、昨年あたりから「民泊」が話題にされることも増え、空き家活用の一策としても期待されている。訪日外国人の増加が不動産に与える影響も大きいのだ。

しかし、そのような話を聞いても外国人の増加を実感できない人が多いのではないだろうか。実は外国人旅行者の訪問先はかなり偏っており、必ずしも望ましい形で訪日客数が増えているわけではない。観光庁がまとめた資料をもとに、都道府県別の「訪問率(2015年10-12月期)」をグラフにしてみた。

これは「観光・レジャー目的」の外国人について訪問先の都道府県を調べたものであり、10-12月期は6,443人から回答を得ている。最も多いのは東京都の45.4%で、次いで大阪府が42.4%となった。訪問地には出入国の空港、港湾も含まれているため、成田空港を抱える千葉県も比較的高い訪問率となっている。

しかし、2ケタの訪問率となったのは多いほうから東京都、大阪府、千葉県、京都府、福岡県、神奈川県の6都府県にとどまり、それ以外に5%を超えるのも8道県にすぎない。22県は1.0%未満であり訪日外国人の100人に1人も訪れない状況だ。最多の訪問率である東京都に隣接する埼玉県は0.8%にすぎず、同じ首都圏といえどもかなり極端な温度差が生じているといえるだろう。

観光庁「訪日外国人消費動向調査」をもとに作成


訪問地の偏りを減らしていくことが求められる

訪日外国人の国籍別に訪問先の都道府県の数をみると、韓国が1人平均約1.8都道府県にとどまるのに対して、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストラリア、ベトナムが4都道府県を超える。最多はスペインの約4.9都道府県であり、平均して多くの地域を回っていることが分かる。中国も約3.6都道府県であり、比較的多いほうだ。

しかし、全体の訪問率が2ケタとなった6都府県について国籍別にみると、中国は東京都、千葉県、神奈川県、大阪府、京都府において全体平均を大きく上回る訪問率となっており、主要地域に集中する印象も強い。

それに対して韓国と香港は、入出国の玄関口となりやすい福岡県への訪問率が全体平均を上回るのみだ。台湾はいずれも全体平均を下回っている。つまり、韓国、香港、台湾はより広く各地を訪れる傾向が強いのだろう。

また、欧米諸国は東京都、千葉県、神奈川県、大阪府、京都府への訪問率が全体平均を上回る点では中国と変わらないが、他の道県への訪問も比較的多い。とくに広島県へは欧米諸国のほとんどが2ケタの訪問率となっており、スペインは30%を超えている。中国と韓国の広島県への訪問率が、いずれも0.6%にとどまるのとは対照的だ。

これから求められる地方創生や地方活性化、さらに不動産市場のあり方にも訪日外国人の動向がさまざまな面で影響を及ぼすだろう。せっかく訪日外国人が増加しても、それが一部の地域にだけ集中するのでは効果が薄れることになりかねない。

東京都大田区では、国家戦略特区の制度による「民泊」が今月下旬にも始まる予定だが、それには「6泊7日以上」の制限も設けられている。しかし、東京に長くとどめるのではなく、訪日した外国人がスムーズに地方都市へ移動し、地方の観光地や名所などを訪れやすいような環境を整えることが重要なのではないだろうか。

最終更新日:2016年01月20日

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