ページトップへ

Yahoo!不動産おうちマガジン は家探しのヒントが満載の情報サイトです!

>
>
>
昔より苦しくなっている!? 若い世代の住宅事情

2016年10月31日

平野雅之

昔より苦しくなっている!? 若い世代の住宅事情

総務省「全国消費実態調査」より

昔より苦しくなっている!? 若い世代の住宅事情

写真:アフロ

「30歳未満、独身」男女ともに毎月の住居費負担が4分の1以上に

ときどき若い世代の人たちと接する機会もあるが、「家賃の負担が重くて生活に余裕がない」「食費や洋服代を節約しているのに、ぜんぜん貯蓄なんてできない」などといった話を聞くことも少なくない。これはいったいどういうことなのだろうか。さすがに独自のアンケート調査などを行うわけにもいかないので、総務省が5年ごとに実施している「全国消費実態調査」の結果を確認してみた。

最新のデータは平成26年後半に調査が行われたものだが、その中でとくに「30歳未満の勤労単身世帯」の集計結果についてみていくことにしよう。10歳代も一部に含まれるだろうが、大半は「親元を離れて仕事をしている20歳代の独身男女」と考えてよい。

1か月平均の消費支出における費用項目ごとの割合(内訳)を表したのが下のグラフだ。なお、可処分所得は男性のほうが多いものの、消費支出は女性のほうが多くなっている。

  • 男性 可処分所得 230,433円/月 消費支出 155,783円/月
  • 女性 可処分所得 183,193円/月 消費支出 160,947円/月

総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」をもとに作成

総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」をもとに作成


総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」をもとに作成

総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」をもとに作成


男性では「住居」が25.0%を占め、「食料」が23.9%で続く。それに対して女性は「住居」が26.2%と最も多い点は変わらないが、それに続くのは「交通・通信」の18.2%である。「食料」が男性と女性で大きく異なるのは、男性に外食、女性に内食の割合が多いのかもしれない。あくまでも平均ではあるが、女性の「被服及び履物」が意外と少ない印象も受けるだろう。

それでは、この「住居」の負担について過去40年あまりの推移をみるとどうなるだろうか。その結果を表したのが次のグラフである。

総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」(平成6年以前は国土交通省資料)をもとに作成

総務省統計局「平成26年全国消費実態調査」(平成6年以前は国土交通省資料)をもとに作成


昔は楽だった? 住居費負担は5倍に増大

男性では昭和40年代に5%未満だった住居費負担が、平成26年には25%と5倍以上に増大している。女性も同様の傾向であり、平成26年は少し減ったものの、平成21年には住居費負担が3割を超えていた。

住居費負担の割合が増加する一方で、以前に比べて大きく減ったのが男女とも「食料」と「被服及び履物」である。「食料」の割合は昭和49年に男性の4割超、女性の約3割を占めていたが、いまは2割前後となっている。また、女性の「被服及び履物」は昭和40年代に2割を超える支出割合を占めており、住居費の4~5倍を費やしていた。現在は住居費の約5分の1である。

「全国消費実態調査」における「消費支出」には、住宅を購入した場合のローンの返済は含まれていない。住宅ローンなどの返済が「非消費支出」として別途に集計されるためだ。したがって、この調査における「住居」は、ほぼ賃貸住宅における「家賃」と考えてよい。

それでは、住居費負担がこれほど増大しているのはなぜだろうか。その要因のひとつとして考えられるのが、賃貸住宅のグレードアップに伴う家賃の上昇である。昭和40年代には大都市圏でも「風呂なし、共同トイレ、4畳半1間」の木造アパートがごく一般的に存在していた。それがやがて「3点ユニットのワンルーム」に置き換わり、近年は単身者向けでも「バス・トイレ別の1Kや1DK」が多くなっている。

部屋の間取りもだんだん広くなるとともに、RC造やSRC造の賃貸マンションの割合が増え、新しい木造アパートも以前に比べだいぶグレードが高まっている。もちろん、住宅の性能や居住性が高まるのは歓迎すべきことなのだが、それに伴う賃料水準の上昇に、収入の増加が追いついていないのは大きな問題だろう。

平成11年と平成26年の調査結果を比べてみると、この15年間で「30歳未満の勤労単身世帯」における可処分所得は男性で月額5,000円弱しか上がっていない。女性にいたっては約10,000円の減少となっている。

また、晩婚化も大きく影響しているかもしれない。かつては20歳代で結婚するケースも多く、早々に「30歳未満の勤労単身世帯」の集計対象からは外れていたのである。おそらく、以前の平均年齢は20歳代前半であり、現在は20歳代後半だと推定される。30歳近くになって都心居住を始める人もいるだろう。そのぶん、住居費負担の割合が以前より高まっていることもありそうだ。

いずれにしても住居費負担が若い世代の生活を圧迫し、その他の消費に回らないことは経済面でもマイナスになる。住宅ローン以外の負債(借金)を抱える「30歳未満の勤労単身世帯」も男性で21.6%、女性で31.0%(いずれも平成26年)にのぼるのだ。住宅市場の将来を支えるべき若い世代が、毎月の家賃負担で疲弊している状態は好ましくないはずだ。国や自治体による支援策は「住宅購入・取得」に偏りがちだが、もっと幅広く対策を講じていくことも必要だろう。

参考サイト

最終更新日:2016年10月31日


キーワードを入力してください

キーワードから探す

本文はここまでです このページの先頭へ

Yahoo!不動産 おうちマガジンとは?

不動産にまつわるマジメな記事からおもしろ記事まで、家さがしが楽しくなる情報をお届け!新しい暮らしのヒントが満載のマガジンです。