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知られざる法改正で“街の格差”拡大必至!

2014年11月19日

さくら事務所

知られざる法改正で“街の格差”拡大必至!

不動産コンサルタント長嶋修が解説

知られざる法改正で“街の格差”拡大必至!

注目の「都市再生特措法」~人が住むところの線引き

住宅市場を大きく左右する法改正が行われ、今年8月に施行されています。これは簡単にいえば「人が住む場所、そうでない場所の線引きをしましょう」というもの。「人口減少下で、中長期的にすべての住宅地が生き残ることは無理だから、住環境を整える街とそうではない街をこの際、はっきり分けてしまいましょう」というわけです。

今回改正された「都市再生特措法」では、市町など基礎自治体が、街の中心部を指定できます。具体的には、医療・福祉施設や商業施設などを集める「都市機能誘導区域」や「居住誘導区域」を決め、容積率の緩和や税制優遇、補助金制度で郊外からの移転を促します。
つまり、指定された枠の内側では容積率割増、補助金で優遇されたりします。また、この法改正に伴う税制改正はすでに行われ、枠の内側では税制優遇もできます。

こうした各種優遇がある地域の不動産価格は上昇、それ以外は下落、中には無価値になるものも出るでしょう。十分なインフラ整備や行政サービスも見込めないわけですから、必然的に住む人が減る、商店などの出店もない、といった流れが起こりえます。枠の内か外かで、天国と地獄のような状況が生まれます。

国土交通省HP
http://www.mlit.go.jp/en/toshi/city_plan/compactcity_network2.html


30年以上も前から実行しているドイツ

実はドイツでは、30年以上も前からこうした政策に取り組んできました。1989年にベルリンの壁が崩壊した際、旧東ドイツの都市から西ドイツへと、大量の人口移動が発生。すると都市部の空き家が30%、40%と悪化。空き家対策を行うだけでは足りず、「集まって住む」のコンパクトシティ政策を実行しました。

現在、ドイツの多くの都市では、リーマンショック前より不動産価格が上昇、現在も安定的に推移。これはとりもなおさず、かつて人口の集約化に取り組んだ成果です。

日本ではこれから各基礎自治体で、どこに人を集めるのか、どこで線引するのかといった議論が行われます。道路一本はさんで雲泥の差がつくため、利害関係者が目の前にいる状況下でそうそう簡単に決めることはできないでしょう。それでもいつかはやらなければなりません。

ドイツ政府は、2015年予算案について、新規国債発行額ゼロを閣議決定しています。不動産市場にかぎらず、コツコツと改革を積み重ねてきた結果です。ひるがえって我が国では、たとえば年金問題は1980年代から国会で議論されていましたが、結局今になって大騒ぎしています。今回はどうなるでしょうか。各基礎自治体の、いえ市民の民度が問われることになります。


 不動産コンサルタント 長嶋 修
 1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。『中立な不動産コンサルタント』としてマイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウや、業界・政策への提言を行なう。著書・メディア出演多数。

最終更新日:2018年08月31日

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