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傾くマンション・・・消費者は買う前に気づけるのか

2015年10月15日

株式会社さくら事務所

傾くマンション・・・消費者は買う前に気づけるのか

新築マンション購入の心構え

傾くマンション・・・消費者は買う前に気づけるのか

こんにちは。さくら事務所ホームインスペクター・一級建築士の辻優子です。

横浜の分譲マンションが傾いているニュースが流れました。杭が本来必要な長さより短く固い地盤まで届いておらず、建物が傾き始めたということです。

現時点で公表されている情報によると、杭施工を請け負った会社が不正な工事を行ったということですが、所有者にしてみればどの会社が何をしたかはどうでもよく、とにかく普通の生活に戻してほしいという願いだけでしょう。

こういった事態が起きれば、新築マンションの購入を検討している方が「あのマンションは大丈夫なんだろうか」と思うのは当然のこと。ここでは、このトラブルを参考に新築マンション購入を検討する方ができること、できないことをご紹介します。

消費者は欠陥マンションを契約・引き渡し前に見分けられるか

結論から言うとほぼ不可能です。

今回のトラブルにおいては、所有者たちの指摘により売主が社内調査で不正な工事の証拠を発見しましたから、同レベルで調査を行えれば物理的には可能です。ですが、マンション建設に関わる図面・資料は非常に膨大で、契約を検討している個人による同レベルの調査は現実的ではありません。

モデルルームなどの販売センターに「設計図書」と呼ばれる分厚い図面が置かれていますが、あれは建設中に使う資料のわずか一部。その他にも設計時点で参考に使う調査資料、構造計算に関する資料、施工中に作成される現場施工用の図面など、あるマンション1棟に関わる資料は多量で、とてもひとりふたりの人員で見きれる量ではありません。

しかも、今回は「建物が傾く」といった事象が起きたため、売主は原因追及調査を行う際にも、おそらくは杭や地盤に関する不具合をはじめから疑ってかかり、優先的にそれら資料をチェックしていったのではないかと推測します。

建物に何も事象が起きていない、それどころか契約前で建物の内部も見れない段階の消費者は、仮にマンションに詳しい建築士に資料精査を依頼しても、今回のようなデータの不正などを突き止めてもらうことは不可能だと言えます。

完成した建物を見ればわかるのか

仮に建物が完成し実物を見られる段階で住戸を契約するとしても、建物に不具合のわかりやすい兆候が表れていなければ、何か潜んでいても気付けません。完成した建物の地下から屋上までくまなく調べることができれば、多少情報量も多くなり判断材料は増えますが、一住戸を契約する消費者にはそれも難しいこと。

ですから、建物が未完成、完成によらず、住戸の購入を検討する個人消費者が「これさえすれば欠陥マンションをつかまない」という方法は残念ながらないのです。

消費者ができることは

ただひとつ、最悪のトラブルを想定して消費者ができることは、経営体力が十分にありそうな企業体が売主となっている物件を選ぶことです。

よく「大手企業なら大丈夫か」「中小企業は心配か」と質問されることがありますが、今回のニュースでもおわかりのように、大手だからというだけで欠陥トラブルを避けることはできず、物件の良し悪しと直結はしません。

そして、過去に起きた「耐震偽装事件」をきっかけに、今は「住宅瑕疵担保履行法」により、新築時の売主が倒産しても大きな欠陥トラブルの対処費用が補填される保険があり、売主の規模によらず、資金的に管理組合が困窮を極めるというのは回避できます。

ところが、こういった大きな欠陥住宅トラブルは、かかる費用を支払う終着点に至るまでの対処が非常に大変です。売主が存続していれば、管理組合としては信用ならないとしても、原因究明や対処に向けた準備を売主にやらせることができますが、売主が倒産してしまえば、被害者である購入者(管理組合)が主体となって進めなくてはならないケースも出かねないのです。

金銭だけでなく、住民が元の生活に戻るための手配、サポートも含めて補償してもらうには、売主が資力を備えた会社であることが望ましいという意味で、経営体力は重要と言えます。

もちろん、中小デベロッパーが売主の物件で、欠陥トラブルもなく平穏に何十年も過ごせているマンションは多数ありますから、繰り返しとなりますがあくまでも「最悪のトラブルを想定したときの防御法」とお考えください。



新築マンションのどれもがこういったリスクを秘めているわけではありません。ほとんどの分譲マンションは、多少の修繕を要する不具合は起きても、継続して生活するには支障がないものです。

「絶対に大丈夫」と言い切れる物件はないとしても、これから新築分譲マンションを買おうと思っている方は、売主に所有者を長期的にフォローする企業姿勢があるのか建設工事の品質をより高めるための仕組みを持っているのかなどの情報をしっかり説明してもらい、信頼できそうかどうかを判断してみてください。

株式会社さくら事務所
ホームインスペクター 辻 優子

最終更新日:2015年10月15日

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