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ヴィンテージマンションの価値が落ちにくい理由とは?

2017年06月29日

中川 寛子

ヴィンテージマンションの価値が落ちにくい理由とは?

価値が落ちにくい物件の3大要件

ヴィンテージマンションの価値が落ちにくい理由とは?

ヴィンテージマンションとして知られる広尾ガーデンヒルズ。緑の濃い静かな住環境が評価されている

2000年頃からヴィンテージという言葉が登場

主に都心部に立地し、価値の落ちにくい物件を指す「ヴィンテージマンション」という言葉がある。バブル後に地価が下落、都心回帰が言われ出した2000年頃から使われるようになった。多くの人が都心にマンションを買えるようになった中で、高額、良質で築年数の経っている物件を差別化するために生まれた言葉である。明確な定義はないものの、いくつかそう呼ばれるマンションの共通項とされるのが、「立地」「先進性」「管理」の3点である。

1.単に便利という以上の「立地」が第一の特徴

一般に住宅の立地では駅から近いなど利便性が高いことが評価されるが、ヴィンテージマンションと呼ばれる物件の場合はそれだけではない。歴史、由来のある土地に立地していることが多いのだ。たとえば高額で、しかも価値が落ちていないマンションが集まっている場所とされる千代田区番町。このエリアは江戸城の西側を守るために将軍直属の旗本屋敷が多く配された場所である。東京でも最古のお屋敷街のひとつと言ってもよいエリアで、現在もイギリス大使館をはじめ、複数の大使館や宮邸、大学などが点在しており、歴史のあるまちなのである。


千代田区番町は江戸時代に武家屋敷があっただけではない。明治以降には作曲家滝廉太郎や、小説家武者小路実篤、泉鏡花、島崎藤村、永井荷風、国木田独歩、菊池寛、与謝野鉄幹・晶子夫妻、吉行淳之介などなども居住しており、文化的なまちでもある


千代田区番町は江戸時代あるいは明治、大正期に大名、幕閣や華族などのお屋敷があった土地という立地もしばしば見かける。たとえば、麻布エリアでは、いずれも築年数はまだそれほどではないが、明治時代に三井家が開設した子弟教育のための寄宿舎「時習舎」跡地に建つ麻布霞町パークマンション(2000年竣工)や、西武鉄道グループの故堤康次郎氏の屋敷跡で、セゾングループの迎賓館として使用されてきた「米荘閣」の跡地に建つザ・ハウス南麻布(2004年竣工)などが代表例だ。


外苑西通りから広尾ガーデンヒルズに向かうと、最初に上るのがこの坂


また、高台に立地していることも多い。ヴィンテージマンションの代表例として挙げられることの多い広尾ガーデンヒルズ(1984~1986年竣工)は、最寄りの東京メトロ日比谷線広尾駅から歩いて6分という駅からの距離に加え、外苑西通りからは坂を上がった上に立地している。広尾駅周辺の標高は10メートルほどだが、敷地内には起伏があるものの、30メートル前後と高くなっているのだ。

2.当時の先端を行く広さ、設備など、質の高さ

2棟からなる三田綱町パークマンション。周辺にはイタリア大使館や三井家の迎賓館、綱町三井倶楽部などがあり、緑も多い


物件の質もポイント。ヴィンテージマンションには先進的な試みがある物件が多いのである。たとえば日本のタワーマンションの先駆として知られる、港区の三田綱町パークマンション(1971年竣工)の専有面積は115.71~128平方メートル。時代によって分譲マンションの専有面積は広くなったり、狭くなったりしているが、全戸100平方メートルを越えるようなマンションはそれほど多くはない。この物件が分譲された1971年前後の公団住宅(現在のUR都市再生機構)の専有面積が広くても70平方メートルを越えていなかったことを考えると、当時としては想像を超える広さだったわけだ。


同物件に限らず、専有面積100平方メートル超の部屋が多いのもヴィンテージマンションの特徴。敷地も部屋も、ゆったり広めなのである。また、間取りとしては、プライベート空間である子ども部屋・寝室などと、パブリック空間とされるリビングルームとが分離された「PP分離」と呼ばれるタイプが中心となっており、バスルームやトイレが複数ある部屋も多い。


広尾ガーデンヒルズの場合には人工地盤を作って地下に駐車場を配するというやり方が当時の最先端だった。地下あるいは半地下に駐車場が作られたため、その上部はすべて植栽、中庭などに充てられることになり、現在の緑豊かな環境に繋がったのである。建てられた時点で、その時代の先端であれば、時間が経っても見劣りしにくくなる。それが価値を維持する効果を生むのである。

3.管理の良さ、植栽の見事さも特徴

もうひとつ、重要なのが管理である。建物はいくら良いものを作っても、残念ながら時間とともに劣化する。それを完全に食い止めるのは難しいが、適切な管理が行われ、メンテナンスが実施されていれば劣化を遅らせられる。


植栽の手入れ状況を見れば建物の管理状況が分かる


そうした管理の良さが目に見えるのが植栽である。植物は定期的に適切な手入れをし続ける必要がある。敷地内の緑が見事な物件なら、管理がしっかりしていると考えられる。また、そうした緑が物件の魅力になっていたりもする。たとえば、広尾ガーデンヒルズにあの緑がなかったら、これだけの人気を維持していたかと考えると、緑の大事さが分かろうというものだ。


以上、大きく3つの条件が重なることで、マンションの価値は落ちにくくなるのだ。

都心以外にもヴィンテージはある

冒頭でヴィンテージマンションは都心を中心に立地していると書いた。都心居住を取り上げる雑誌などではヴィンテージマンションを坪(3.3平方メートル)単価300万円以上の物件と定義していることもある。だが、単価ではなく、価格が落ちない・落ちにくい物件という意味でいえば、都心以外にもヴィンテージというべき物件がある。


都心以外の、郊外のヴィンテージ物件としては、戸数の多い、いわゆる大規模物件が中心になっている


たとえば、JR南武線、東急田園都市線が乗り入れる溝の口には、分譲以来30年余が経つものの、当時とほぼ同じ額で取引され、売り物件が出ると1週間もしないうちに決まるというマンション、パークシティ溝の口(1983年竣工)がある。


物件誕生後に駅前の再開発が行われ、街のイメージが大きくアップ。加えて、駅から商店街を抜けて徒歩5分という立地に、現在の新築マンションと比べても遜色ない70平方メートル台の3LDK中心の間取り、さらにきちんと大規模修繕を続けてきた管理の良さが評価されているのである。歩行者と車を完全に分離させた集中立体駐車場や、複合開発が一般的ではなかった時期に敷地内にスーパーを入れるなどの先進的な手法も取り入れられている。都心の、いわゆるヴィンテージほどの単価で取引されているわけではないが、価値が落ちないことに加え、ヴィンテージたる要件も備えているのである。


この物件以外にも、地域のランドマークとして地元では誰もが知っているような物件はあちこちに点在している。都心のヴィンテージが買えるならそれでも良いが、そうではないものの、価値が落ちにくい物件を買いたいと思うなら、そうした地元のヴィンテージを探してみるという手もあるのではないだろうか。

最終更新日:2017年06月29日


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