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【首都圏】マンションの売りのひとつ「文教地区」ってなに?

2017年12月06日

中川 寛子

【首都圏】マンションの売りのひとつ「文教地区」ってなに?

静かな住環境に期待

【首都圏】マンションの売りのひとつ「文教地区」ってなに?

都心部の大学近くが文教地区として指定されているケースが多い

文教地区では環境、風紀を乱す恐れのある施設は建てられない

文教地区とは、都市の健全な発展等を目的とする都市計画法という法律で定められた特別用途地域のひとつです。そもそも、日本の市街地では「この土地にはどんな用途の建物なら建てられるか」が用途地域として指定されており、工場と住宅など異なる用途の建物が混在して住環境が悪くなるなどの弊害が出ないように配慮されています。特別用途地域はその用途地域の上に重ねて指定されるものです。

文教地区と聞くと大学などの教育機関があるまちを思い浮かべる人が多いが、美術館、博物館なども要件とされる。上野公園周辺はその好例


指定は住宅地のうち、大学や研究所等の教育研究施設や、図書館・美術館・博物館などの文化施設がある程度まとまった地区を対象にして行われます。指定されると教育や研究、文化活動をする上で、環境を悪化する可能性がある施設の建設は制限されるため、良好な住環境が保たれるといわれます。


具体的に制限されている施設としては東京都の場合、キャバレー・ナイトクラブ・喫茶店などで風営法の適用をうけるもの、ホテルや旅館、劇場・映画館・演芸場、マーケットや遊技場、場外馬券場・場外車券場など。「環境を害し、風俗を乱す恐れがあると認められるもの」となっており、詳細の指定は地方公共団体が行うとされています。より厳しい第一種、多少緩やかな第二種と指定を分けている例もあります。

文教地区と謳っていても、実際には指定されていないケースも 

ひとつ注意したいのは、都市計画法上の文教地区以外にも、一般名詞として「大学などが多い場所」という意味で文教地区という言葉が使わることがあるという点です。

たとえば、千葉市のホームページでは、稲毛区について「若者と連携する『文教のまち』」と説明されています。同区内には千葉大学、敬愛大学、千葉経済大学の3大学に加え、高等学校7校に市教育センターなどの教育機関、放射線医学総合研究所などがあり、文教地区に指定されていてもおかしくはありません。しかし、問い合わせてみたところ、指定はされていませんでした。

文教地区という言葉には環境の良い地域というイメージがあることから、CMでもよく使われていますが、本当に良好な環境が守られる文教地区なのか、単に大学などが多い地域としての文教地区なのか。自分が望んでいる環境がどちらかを考えて選ぶべきでしょう。


千葉市の幕張新都心文教地区の解説図。用途地域ごとに色分けされており、そこに文教地区のエリアを緑の線で表している。他の自治体の場合は都市計画図の上に色のついた斜線を載せるなどで表していることが多い(出典:千葉市ホームページ「千葉市幕張新都心文教地区建築条例の概要」)


その際、参考にしたいのは各自治体で出している都市計画図です。首都圏の多くの自治体ではホームページ上で見られるようになっていますから、それで確認すれば法律上の文教地区かそうでないかは一目瞭然です。ちなみに千葉市では稲毛区は指定されていませんが、幕張新都心(海浜幕張駅)で指定があります。

都心に多い文教地区。その理由は大学があるから

都心の大学の多くは高層化が進んでおり、周囲の影響はそれほど大きくないのではと思われるが、文教地区の規制は続いている


首都圏で見ると、そもそも研究学園都市として作られたつくば市を除けば都心に文教地区が集中しています。それは大学をはじめとした教育関連施設が多いから。たとえば千代田区では皇居の西側、北側に文教地区が広がっていますが、西側にあたる四ツ谷駅、市ヶ谷駅、麹町駅周辺には上智大学、大妻女子大学、女子学院、雙葉学園などがあり、北側の九段下駅、飯田橋駅、神保町駅周辺には法政大学、明治大学、専修大学、日本大学など枚挙にいとまがないほどです。

渋谷区も大学などが集中する地域のひとつ。渋谷駅から広尾駅、表参道駅にかけては青山学院大学、國學院大學、実践女子大学、聖心女子大学など複数の大学が集まっている地域は文教地区に指定されています。都心近くでありながら、それほどざわざわした雰囲気がないのは大学があるおかげかもしれません。


東京大学周辺は当然(?)文教地区となっている


文教地区といえばすぐに思い浮かぶのが文京区ですが、同区の場合には東京大学の周辺である本郷三丁目駅から千駄木駅などにかけてと、お茶の水女子大学や拓殖大学、跡見学園女子大学などのある護国寺駅から茗荷谷駅周辺が該当エリア。特に後者は小石川、小日向など住宅街としても知られた地域で人気があります。

大学から考えれば外さない 

それ以外の自治体でも大学の近くを考えれば、それほど大きくは外しません。台東区では東京藝術大学や美術館などが集中するエリアが指定されており、具体的には上野公園から北側です。


早稲田大学周辺では点在するキャンパスの周辺も含めて指定されている


港区では慶應義塾大学のある田町駅、三田駅周辺が指定されており、新宿区では早稲田大学のある西早稲田、戸山、戸塚町など。新宿区では新宿御苑、神宮外苑も指定されており、周辺の環境が守られています。

写真左手の緑の部分が学習院大学。駅前に大学があるため、その周辺には建てられない施設が多く、静かな環境が保たれるわけだ


豊島区では学習院大学のある目白駅周辺、立教大学のある南池袋界隈が指定されています。目白駅周辺は山手線の駅の中では珍しいほど静かな場所ですが、それは駅前に大学があるためなのです。

都立大学跡地周辺の住宅街。都心部以外の文教地区は静かな住宅地となっている


目黒区、大田区、世田谷区では東京工業大学の近くが指定されています。東工大はこの3区の境界近くにあるため、文教地区も3区にまたがっているのです。目黒区では都立大学跡地周辺も指定されています。あまり面積は広くはありませんが、品川区では旗の台駅近くにある昭和大学、香蘭女学校周辺が指定されています。

郊外では国立市、町田市に文教地区

23区外では国立市、町田市が主なところ。国立市はご存知のように学生の多いまちで、一橋大学、桐朋学園、国立高校などがあり、市の北半分ほどの広い地域が文教地区に指定されています。国立市はイチョウや桜の並木に彩られたまちの美しさでも知られていますが、元々、計画的に道路や並木を配して作られただけでなく、建てられる施設に制限があることが景観を守ってもいるのです。

小田急線の線路沿いにある玉川学園。この学校のためにまちが作られている


町田市の文教地区は小田急線の玉川学園前駅周辺にあります。このまちはそもそも、玉川学園という学校のために作られたまちですから、当然といえば当然かもしれません。

東京都以外では前述した千葉市の幕張新都心、つくば市に文教地区があります。どちらも整然とした街並みが特徴です。

以上、首都圏の主な文教地区を見てきました。静かでクリーンな住環境にこだわる人なら一度検討してみても良いかもしれません。

参考サイト

最終更新日:2017年12月06日


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