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都内で一番地震に弱いまちはどこ? 

2018年04月10日

中川 寛子

都内で一番地震に弱いまちはどこ? 

最新調査で地域危険度を確認しよう

都内で一番地震に弱いまちはどこ? 

東京都は第8回となる「地震に関する地域危険度測定調査」を公表

地震に対する都内の地域危険度を公表 

2018年2月15日、東京都都市整備局は「地震に関する地域危険度測定調査」を公表しました。これは1975年からおおむね5年ごとに行われている調査で、今回は第8回となります。具体的には東京都内の市街化区域の5177町丁目について建物倒壊危険度火災危険度の視点からまちをチェック、そこに災害時活動困難度を加味して総合危険度を測定するもの。日本の各種危険度調査の中でも細密さでは有数の調査です。

「建物倒壊危険度」が高いのは23区、なかでも下町エリア

危険度を順に見ていきましょう。まず、建物の倒壊危険度が高い地域は23区、特に下町エリアに集中しています。

建物倒壊危険度を表す図。濃い赤い色で示されている地域の危険度が高い。全体は5段階となっている


これは倒壊危険度が地盤特性、建物量、建物特性の3つの要素から算出されるためです。地盤が弱く、建物が密集している上に倒壊しやすい建物が集まっている地域は、危険度が高いと評価されるのです。逆に多摩地区では測定対象外となっている地域もあるほどで、倒壊の危険はあまりないということになっています。 


地盤に限らず、モノの固さはそのモノに含まれる水分量に左右されます。分かりやすいのは買ってきたばかりの豆腐と水切り(重しなどを載せて水を切る作業)した後の豆腐でしょう。水分の抜けた豆腐はそれ以前の豆腐より固くなっています。水分が少ないと固く、水分が多いと柔らかくなるのです。そして、水は高い場所から低い場所に流れます。つまり、低い土地は高い土地よりも水分が多く、柔らかいのです。

川沿いは散歩やジョギングその他に気持ちの良い空間ではあるものの、一方で災害の危険があることも


実際、この調査では荒川、隅田川沿いの低地である下町エリア一体が危険とされています。この地域は地盤が弱い上に、車社会が到来する以前から人が住んでいたため、道幅が細いのも特徴。そこに古い木造、軽量鉄骨造の家などが多く建っている地域があるとしたら、危険度が高いと判定されるのは無理もありません。 

「火災危険度」の高い地域は中央線沿線にも 

下町以外にも広い地域に火災危険度の高い地域が点在しているのが分かる


続いて火災危険度ですが、これは出火・延焼の危険性から算出されています。具体的には古い木造住宅など燃えやすい建物が多く集まっている、広い道路や公園がないなどの地域が危険とされています。分布図を見て気づくのは下町エリアでは建物倒壊危険度と重なる地域もあるものの、それ以外にも区部の環状七号線の内側、JR中央線沿線に危険度の高い地域があることです。 


幅員の狭い道路が多い地域では延焼が起こりやすいだけでなく、消防車が入っていきにくい、災害時に逃げ遅れるなどの危険性も高い

 
これらの地域は戦争で被災しなかった場所です。そのために狭い道路が残されており、そこに古い木造住宅が密集しています。火が出ると延焼の危険が非常に高く、東京都ではこれらの地域を木造住宅密集地域(通称モクミツ)として、不燃化を進める施策を推進しています。 

「災害時活動困難度」が高いのは多摩地域、23区西部 

災害時活動困難度は道路などの都市基盤の整備状況に左右される。整備が進んでいる場所ほど安全


もうひとつ、災害時活動困難度は災害後に行われる救助活動のしにくさを指標としています。具体的には道路幅や公園の有無・面積などから活動有効空間不足率を算出、さらに幅員の広い道路にまで到達するための平均所要時間から道路ネットワーク密度不足率を算出、そのかけあわせで評価をしています。


道路の幅員等が指標になっていることから分かるように、災害時活動困難度が高いのは道路整備が遅れている地域に多く、具体的には多摩地域や23区の西部など。逆に道路の基盤整備が進んでいる都心部や23区東部は困難度が低いとされています。

「総合危険度」が高いのは下町中心ながら広範な地域 

総合危険度を図化したもの。危険度の高い100町丁目のうちには14区が含まれており、広い地域に危険があることが分かる


では、最後に総合危険度を見てみましょう。建物倒壊危険度の高い下町エリアが中心となっていますが、それ以外にも広範な地域に危険度の高い地域が散在していることが分かります。危険度の高い地域の上位100町丁目を見てみると足立区、荒川区、葛飾区、墨田区、江東区などの隅田川、荒川に近い下町エリアが中心になってはいるものの、大田区や中野区、杉並区、品川区などにも総合危険度がもっとも高い5と評価されている地域があります。下町以外でも危険な地域はあるのです。 

空き家の多い地域も建物が倒壊、火災を起こす危険が高いので、現地を下見に行った場合には周囲にそうした建物がないかをチェックしておきたい


一方で危険度が高いといっても全域が危険というわけではないこともあります。特に細街路、古い木造住宅が密集している地域は年々に解消されつつあります。同じ町丁目の中でも整備が終わった地域は耐火性能の高い住宅に建て替えられていたり、道路幅が拡幅されたりもしています。全部がダメと決めつけるのではなく、現地を確認した上で判断をするようにしたいものです。


また、あらかじめ、危険が分かっているのであれば備えることもできます。揺れやすい、燃えやすいとされている地域であれば、耐震・耐火性能に優れた家を買う、建てる、借りる手がありますし、寝ているところに家具などが倒れてこないようにするなど住み方で被害を減らす方法も考えられます。


今後30年以内に南関東でマグニチュード7程度の地震の発生する確率は70%とも言われており、その場合にはどこに住んでいてもなんらかの被害は避けられません。であれば、少しでも被害を減じられるよう、場所選びから始まり、さまざまな対策を講じておきたいもの。この調査はそのために非常に役立つはず。ぜひ一度、目を通しておきましょう。

【参考サイト】 

最終更新日:2018年08月30日

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