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レトロだけど新しい。最近見直されている、団地の魅力って何?

2019年10月15日

中川 寛子

レトロだけど新しい。最近見直されている、団地の魅力って何?

環境良し、建物や間取りも豊富

レトロだけど新しい。最近見直されている、団地の魅力って何?

埼玉県のみさと団地。外壁を塗り直した棟が多数あるのですが、グラデーションになっていたり、ストライプになっていたりと棟ごとに個性があり、眺めているだけで楽しい気分になれます

そもそも「団地」とは? 

世の中には様々な住宅がありますが、そのうちのひとつに団地があります。団地とはもともとは一団の土地を指す言葉だそうで、住宅団地であれば「ひとつの土地に複数の建物が建つ、住宅の集合体」。つまり多くの住宅が集まっている一画を意味するのだとか。日本ではそのうちでも戦後の住宅不足の時代に日本住宅公団や都道府県、市町村などによって計画的に供給された住宅の印象が強いせいでしょう、こうした公的な住宅を指すのが一般的です。


昭和の時代には抽選倍率も高く、人気だった団地ですが、他にも多くの民間住宅が供給されてきたこと、建物の老朽化、日本住宅公団の再編(現在は独立行政法人都市再生機構。以下UR都市機構)で知名度が落ちたことなど様々な要因から、最近では知らない人もいるようです。


しかしながら、団地には知られていない魅力も多々あります。また、最近では建替えられてきれいになっている団地も多く、知らないというだけで選択肢に入っていないとすると実は損をしているかもしれません。では、どんな魅力があるのでしょうか。

ゆったりした敷地、住環境がなによりの魅力

団地の多くに共通する魅力のひとつが敷地の広さ。各棟の間に十分な距離を取って作られている上に、公園やプレイロット、遊歩道などが作られていることも多く、静かで子どもにとっては安全な場所なのです。 


建替えられたひばりヶ丘パークヒルズ内の公園。団地内にはこうした子どもはもちろん、住んでいる人たちが楽しめる場所が多数用意されています。写真提供/UR都市機構


また、団地によってはそれ以上に自然、植栽などの魅力があることも。たとえば武蔵野市にあるサンヴァリエ桜堤(1959年竣工の旧桜堤団地を建替え)は敷地内を流れる仙川沿いに仙川水辺公園が作られており、桜並木の中にせせらぎがあるという、なんとも風流な眺めが楽しめます。 


サンヴァリエ桜堤。仙川沿いの眺めは団地の中とは思えないほど。周辺にも桜の名所が多いエリアです。写真提供/UR都市機構


それ以外にも桜並木のある団地は多いのですが、個人的におすすめしたいのは現在ヌーヴェル赤羽台として建替えが進んでいる旧赤羽台団地。ここは東京23区内初の大規模団地として1962年に造成されているのですが、団地の外周にあるのは珍しい八重桜の並木。一般的な花見の時期とは少し遅れて咲くため、この地に住めば二度花見が楽しめます。


団地は高台にあり、その外周に八重桜の並木が続いています(2017年撮影)


敷地の広さを生かして新しい土地の使い方をしている団地もあります。埼玉県三郷市のみさと団地で利用者が少なくなったテニスコートの跡地に作られたのはシェア畑。1区画8㎡で78区画作られており、菜園アドバイザーの指導を受けて野菜が作れる仕組みです。道具も貸してもらえるので手ぶらで野菜作りを始めることができます。


みさと団地のシェア畑。駅からほんの数分のところに団地入口があり、中に入るとこれだけの緑。この畑では団地居住者以外も農作業が楽しめます


ちなみにみさと団地は1973年から入居が始まった古い団地のひとつですが、それから30数年経った2008年、2009年に最寄り駅JR武蔵野線新三郷駅前にイケアやららぽーと新三郷などが誕生、一気に便利になりました。団地には駅からはやや距離がある、周辺に商業施設が少ないなどのイメージがあり、実際、そうした団地も少なくありませんが、中には長年の間に周辺が変化するケースもあるわけです。 


駅からららぽーと方面を見たところ。建物の背後にみさと団地が広がっています

建物の安心に加え、間取り、仕様などのバリエーションも豊富

団地に共通する二つ目のメリットが建物の安全性です。公的な機関が作るのですから、耐震性能、防火性能その他、安心して暮らせる質が担保されていると考えられるのです。それに加え、長い年月に渡って作り続けられていたので、様々な種類の建物、間取りがあり、最近ではレトロな雰囲気を残したものからリノベーションされたもの、建替えられたものなども。選ぶつもりになればいろいろ選べます。


たとえば、最近話題になっているのが外部の企業と連携して改修された部屋です。現在は主に2タイプあり、ひとつは無印良品と連携したもの。昔ながらの和室をモダンで今風のものに変えたり、無印良品の収納グッズがきれいに収まるように作られていたりと、古さを活かした改修が人気を呼んでいます。


千葉県のハイタウン塩浜の無印良品と連携した部屋。写真提供/UR都市機構

 

イケアとの連携例はキッチン、壁紙の使い方に特徴があり、無印良品よりは広めの部屋が多いとのこと。こちらも人気が高く、募集があるとすぐに埋まってしまうそうです。埼玉県のかわつるグリーンタウン内のモデルルームを見学させていただいたのですが、キッチン、リビングなどを見ていると昭和60年代に建てられたことを感じないほど。


イケアと連携したスカンジナビアンモダンスタイルのモデルルーム。緑と青が基調になっているそうです


逆に昭和60年代初頭の団地は今よりも全体の専有面積、水回りなどが広く作られているケースがあり、広い部屋にゆったり住みたい人にはおすすめとか。民間の賃貸住宅では80㎡以上、特に100㎡オーバーという部屋はあまり見かけませんが、団地の場合、場所によってはあり得るのです。


変わった間取りもあります。私の友人はSOHO仕様ということでファミリータイプの隣にワンルームがあって、入口はそれぞれ別、内部でつながっている部屋に住んでいましたし、メゾネットを見学したこともあります。ウッドデッキを挟んで離れがある間取りなど、他ではなかなか見られない間取りもあります。

 

アネックスと呼ばれる離れのある間取り。埼玉県にあるコンフォール松原の住戸です。画像提供/UR都市機構


前述のサンヴァリエ桜堤やヌーヴェル赤羽台のように、新しく建替えられている団地も多数あります。そうした団地では敷地のゆったりした雰囲気はそのままに建物が更新されており、同時に商業施設などが一新されていることも。より住みやすくなっているのです。


多くの人は団地と聞くと板状の数階建ての建物をイメージしますが、実は都心を中心にタワーのある団地も存在します。郊外の一般的な団地からすると賃料はだいぶ高めにはなりますが、団地利用でも都会暮らしは可能。ちょっと意外かもしれません。


なんと、タワーも含め、恵比寿ガーデンプレイスもひとつの土地に複数の建物が建つ団地でした! 写真提供/UR都市機構


そして、もちろん、団地ならではのレトロな雰囲気を味わいたい人ならあえて和室のある間取りなどを選ぶ手も。古い団地でも水回りや設備等は改修されていますから、住み心地の心配はいりません。また、DIY可の物件やペット可物件も出てきています。


埼玉県狭山台団地の、最近、めっきり少なくなった和室のある住戸。天井までの押入れがあって収納が豊富などメリットもあります。 写真提供/UR都市機構


ペット共生住宅の場合にはペットを連れていける範囲が決められているなど、守るべきルールがあります

付随施設や人間関係、独自のサービスなどのプラスαも

団地内の施設やそこから生まれる人間関係なども魅力です。団地には広い敷地を活かして広場や集会室などが設けられていることが多く、それを利用して夏祭りやイベントなどが開かれている団地も多数。祭りやイベントに参加したり、運営に携わったりすることで人間関係は生まれやすくなるでしょう。


多摩ニュータウン永山の盆踊り大会(2014年)。写真提供/UR


最近では子育て世帯を対象にした施設、イベントも増えており、子育て世帯ならそうした団地を狙うのも手です。たとえば、かわつるグリーンタウン松ヶ丘第二団地では集会室を改装してイケアのコーディネートによるキッズルームが誕生。かわつるグリーンタウン松ヶ丘、松ヶ丘第二、新鶴団地に住む未就学児と保護者であれば登録制で朝9時から17時までの間、自由にキッズルームを利用できます。子ども達が周囲を気にせず、自由に遊べる空間は雨の日などには重宝するはずです。


未就学児を対象にしたかわつるグリーンタウン松ヶ丘第二団地のキッズルーム。可愛らしい室内に絵本、おもちゃなどが置かれていました


みさと団地では秋になるとハロウィーンパーティーが開かれるようになっており、当日は子ども達が集まって大騒ぎになるとか。同団地ではもともと店舗が入っていたスペースに子育てを支援するNPOや小規模保育所が入り、子育て世帯を支援する体制も生まれています。そもそも敷地内に保育所、クリニック、総合病院にスーパー、郵便局などが揃っている団地ですから、そこに子育て支援施設、サービスが加われば鬼に金棒。敷地内で安心して子育てができます。


子育て世帯だけではなく、団地は高齢者にも優しい住まいです。団地によっては敷地内に地域包括ケアセンターや高齢者交流サロン、多世代交流複合施設などがありますし、そもそも年齢によって入居者を拒むことがありません。


コンフォール茅ヶ崎浜見平の敷地内にあるブランチ茅ヶ崎は地域包括ケアセンター、保育園、診療所、市の出張所、地域育児センター、図書館などの公益施設が入った複合施設。写真提供/UR都市機構


みさと団地には高度なバリアフリー改修をした、週一回の訪問と電話連絡による安否確認、月一回の生活相談などのサービスのついた高齢者みまもり住宅がありますし、みさと団地にも他の団地にも健康寿命サポート住宅が用意されています。


フラットで手すりを随所に配したみさと団地の高齢者向けみまもり住宅内部。車椅子などでも利用しやすいようにトイレは引き戸になっています


これは段差への配慮があり、手すり、浴室暖房、人感センサー付き照明などを備えた住宅で、いずれも人気。高齢の家族、親族がいるならこうした住戸に住んでもらい、自分たちはその近くに住む、つまり近居するという手もあります。


下部から温風が出るという浴室暖房が入った健康寿命サポート住宅。みまもり住宅が単身者用なのに対し、こちらは2DKで夫婦などでも住める広さ


住宅、住環境以外にも団地には入居時に必要な費用、手間などが少なくて済むことが多いといったメリットもあります。自治体が運営している団地などでは所得制限その他細かいルールがあることもありますが、多少の煩雑さはあったとしてもメリットも多数。実際にどんな物件があるか、一度チェックしてみてはどうでしょう。


取材協力

最終更新日:2019年10月16日

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