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空室率25%超から「行列のできるマンション」になった理由

2014年09月22日

やじろべえ株式会社

空室率25%超から「行列のできるマンション」になった理由

新世代大家が作る「愛ある賃貸住宅」

空室率25%超から「行列のできるマンション」になった理由

いま「新世代の大家」が、魅力的な賃貸住宅を生み出し続けている

入居待ちが続く大人気賃貸マンションの仕掛け人に聞く

賃貸住宅などの不動産オーナー、いわゆる大家というと、かつては不労所得の極みといった感があった。毎月入ってくる賃貸収入で、悠悠自適に暮らしている人たち。そんなイメージだ。

しかし最近は賃貸市況が急激に落ち込み、住み手のつかない空き家・空き部屋が全国的に増加しているという。大家にとって空室率の増加は死活問題。もはや、不労所得などと呑気に構えていられる時代ではなくなっているようだ。

そんななか、暗い市況を打ち破るべくこれまでの賃貸にはなかった大胆な発想で、魅力的な賃貸住宅を仕掛ける若い大家が登場してきている。彼らの多くは祖父や親がもともと不動産賃貸業を営んでいて、それを受け継いだ二代目・三代目の大家たち。

そのひとりが、東池袋の賃貸マンション「ロイヤルアネックス」などを手掛ける青木純さん。青木さんは今から3年前、35歳の時に祖父の代から続く大家のバトンを受け継いだ三代目だ。就任当初から業界の常識を超えた様々な仕掛けを打ち、当時、空室率25%超にまで落ち込んでいたロイヤルアネックスを1年で満室にしてしまったばかりか、現在では100組を超える入居待ちが出る「行列のできるマンション」へと変貌させてしまった。

いったいどんな魔法をかけたというのか?
件のロイヤルアネックスを訪ね、青木さんに聞いてみた。

「当時のロイヤルアネックスは築23年が過ぎ、大家の私からみても市場のなかで際立つような魅力的な物件とは言い難いものがありました。自分が良いと思えないものを、自信をもって人に薦めることはできません。まずは『自分だったらどんな賃貸マンションに住んでみたいだろうか』と、住み手の視点に立った空間づくりができないか、考えるようになりました。そこで思い至ったのが、住み手が自分たちの趣向に合わせて思い思いに空間を変えることができる『カスタマイズ賃貸』です」

賃貸住宅は2年間などの短期契約で、住み手が入れ替わっていくことが多い。そのため、大家としては好き嫌いがハッキリわかれるような個性的な部屋ではなく、万人に受け入れられやすい空間にしておくことがセオリーだ。結果、無難なクロス、無難なフローリング、無難な間取りの画一的な部屋ばかりができあがることになるのだが…。

そんな常識を覆し、住み手の好みを大胆に反映した部屋をつくってしまおうというのがカスタマイズ賃貸だ。

「最初は『室内の壁紙を住み手が自由に選べる』というサービスからスタートさせました。入居者が入れ替わるタイミングで壁紙はどうせ張り替えますから、それなら次に住む人が好きなものを選べたほうが楽しいし、部屋に対する愛着も湧きますよね。選んだ壁紙が多少値の張るものでも、それほど大したコストではありません。仮に失敗したってすぐにはがせてリスクも少ないですしね」(青木さん)

こちらが入居者自身で壁紙をセレクトしたお部屋。壁だけでなく入居者の生活スタイルがインテリアにも表現されている


現在ではレオパレス21やハウスメイト、URといった大手も同様の壁紙サービスを展開しているが、ロイヤルアネックスはその先駆け。画期的な壁紙サービスは評判となり、各種メディアにも取り上げられるなど大反響を呼んだ。


業界の常識を打ち破る「オーダーメイド賃貸」という挑戦

しかし青木さんは現状に満足せず、すかさず次の仕掛けを打つ。
それが『オーダーメイド賃貸』。オーダーメイド、つまり住み手が一から間取りや内装を決められる賃貸住宅というものだ。

「築年数が経過しているので商品価値の再構成が必要になります。経年劣化のはげしい部屋や、需要が減っていくワンルームの二戸一化など、一度スケルトン状態にしてリノベーションを行ったほうが良いお部屋がいくつか出てきたので、どうせやるなら住まい手と一緒にやってみてはどうかと考えました。それなりの投資にはなりますが、先に住み手が決まっていますから、お支払いいただける家賃から改修にかける投資額も逆算できますし、完成後すぐに投資回収が可能なので非常に効率的です。それだけではなく、自分たちの感覚や意向が反映された部屋にはやはり深い愛着が湧き、結果として長く住んでもらうことができる。長く住んでもらえれば、かかったコストも十分回収できます。また、住まい手の感覚をとり入れ、徹底的にこだわり抜いてつくった部屋であれば、仮にその人たちが退去したあとでも、次の住まい手にも愛してもらえると思ったんです」(同)

そんな予感は的中。オーダーメイドは現在までに9件誕生したが、それぞれの部屋にファンがつき、入居希望者が殺到しているという。

オーダーメイド賃貸の最新事例「enne.」。リビングには入居者夫婦の希望で壁一面の棚を配した。寝室の珪藻土やキッチン背面の黒板になっている壁は夫婦が自らペイントしたという


入居者夫婦と大家、デザイナーが一体となってつくりあげた


入居者同士の交流も活発。屋上でヨガや結婚式を行うこともある。賃貸マンションでは珍しく、しっかりとコミュニティが醸成されている


新しい賃貸のあり方を提案し続ける青木さん。その背景には「住まいは生活の基本」という強い思いがある。住まいが変われば生活スタイルも変わる。結果、人格や考え方、生き方にまで大きな影響を及ぼすこがあるという。

「生活の場を提供する大家は、生活者の視点を広げる役割も担っていると思うんです。実際、ここに入居されたことをきっかけに、生活全般を見直される方も多いです。中には自分の生き方に改めて向き合った結果、仕事を変える選択肢をとった方もいらっしゃいます。『ここに引っ越してきて結婚したくなった』と言ってくれた住人もいますし、実際に3年間で9組が結婚しました。これからも、そうした前向きな決断のお手伝いをしていけたらと思います」

地域を巻き込んだコミュニティづくりで、暮らしを「もっと楽しく」

また、今年に入ってからは新たに共同賃貸住宅「青豆ハウス」をプロデュース。そのコンセプトは「住む人と集まる人が一緒に育てる共同住宅」。地域を巻き込んだ交流イベントなどを多数仕掛けることで、暮らす人、近所の人々が交わりながら「街の一部」として愛される住まいを目指している。
実際、青豆ハウスでは上棟式に入居希望者や近所の住人を集めて交流会を開くなど、建設段階から様々な交流イベントを実施。入居前からコミュニティができてしまうという稀有な事例を生んだ。

さらに、5月にはロイヤルアネックス2階にシェアスペース「co-ba ROYAL ANNEX」もオープン。基本は会員制のワークプレイスだが、誰でも参加可能なイベントやワークショップを定期的に催すなど、地域の人々が集まれるようにした。
賃貸住宅というと、どうしても地域の輪から少し距離を置いたクローズドなコミュニティに陥りがちだが、マンション内に半公共的なオープンスペースをつくることで、住人と地域との接点を生み出すことに成功している。青木さんがこうしたコミュニティづくりに力を入れるのは、「部屋や建物をきれいにするだけじゃなく、その場を楽しくするにはどうすればいいのか」ということを常に考えているからだ。

「賃貸マンションを街に開く」ことを目的にオープンした「co-ba ROYAL ANNEX」。ワークショップやトークイベントも積極的に行い、住人と地域とのつながりを生み出している


ちなみに、時には「co-ba ROYAL ANNEX」に周辺地域を盛り上げる活動をしている「地元のキーマン」を集め、これからの街づくりについてディスカッションすることもあるという。
もはやイチ大家の枠を超えた活動を展開している青木さんだが、当の本人には過度の気負いはなく、どこか肩の力が抜けている印象だった。

「住まい手に楽しんでもらいたいという想いはもちろん、僕自身がより楽しむためにやっている部分もあります。それが結果として、色んな人の生活を豊かにすることにつながれば本当にうれしいことですね」


最終更新日:2018年08月30日

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