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ゴルフ場の芝がもたらす心地よさと不動産価値の意外な関係

2016年03月04日

夫婦漫才

ゴルフ場の芝がもたらす心地よさと不動産価値の意外な関係

明海大学不動産学部学生コラム 3

ゴルフ場の芝がもたらす心地よさと不動産価値の意外な関係

芝がきれいだと、ゴルフも映える?

ゴルフ場の芝がもたらすプレイの心地よさと不動産価値


実家で父が不動産業を営んでいることもあり、そんな父の姿を見て、いつか何らかの形で不動産に関われたらと思い、明海大学不動産学部に入学した。

高校までは、野球一筋であり、野球のことしか頭にはなかった。高校の3年間は、厳しい上下関係、厳しい練習の毎日だったため、自由主義である大学生活に全く刺激を感じず、目標は何かと聞かれても、とりあえず宅地建物取引士の資格、いわゆる「宅建」を取得するということだけだった。

入学して1カ月が過ぎたころ、たまたま父にゴルフ場に連れていかれた。何も教えてもらわなくても、自然と体が打つ動作に反応し、何か野球をやっていた時の感覚を思い出した。いつしか、そんなゴルフに惹かれて本気でプロを目指したいと思うまでになった。

このコラムでは、大好きなゴルフをテーマに、ゴルフ場の芝がもたらすプレイの心地よさ、そして、不動産価値の関係について自分の考えを述べたい。

ゴルフ場の芝について

ゴルフ場の芝、いわゆるターフは種類があり、それぞれ特徴がある。私自身、今までいくつかのゴルフ場で実際にプレーしてきて気付いたことは、季節によって芝の性質や伸び具合が異なるのはもちろんであるが、ゴルフ場によって使用しているフェアウェイの芝、ラフの芝、グリーンの芝がそれぞれ違うということだ。

現在、日本で使用されているゴルフ場の芝は、大きく洋芝と和芝の2つに分けられ、さらにそれぞれ2つに分類される。それぞれの特徴を以下に示す。

・洋芝
・ベント
寒さに強く色がきれいである。また、世界中のグリーンで最も多く使用されているのがこのベント芝だ。
・バミューダ
暑さに強く他の芝に比べると繁殖力が強いのが特徴。最近では夏に猛暑になることの多い関東地方で多く使用されている。

ベントグリーンにて。プレイ中の筆者。


・和芝
・高麗
日本で古くから使われている芝の一つであり、多くのゴルフ場でフェアウェイの芝として使用されている。
・ノシバ
一般的にゴルフ場以外でも目にすることのある芝の一つで、多くのゴルフ場でラフとして使用されている。
  

冬の高麗芝フェアウェイ


日本のゴルフ場の現状

過去には高麗芝をグリーンとするゴルフ場も数多く存在していたが、現在の日本のゴルフ場におけるグリーンは、ベント芝がほとんどだ。その理由は、難易度の高いプレーを求めるプレーヤーのニーズにある。つまり、ベント芝は、ボールの転がりが速く、コントロールが難しいが、その難しさを楽しみたいと思うプレーヤーは多い。例えば、毎年9月にフジサンケイクラシックが行われる山梨県富士河口湖町にある富士桜カントリー倶楽部のグリーンは、ニューベントA2というベント芝が使用されている。また、当該グリーンは、富士山の麓に位置するため、富士山からの傾斜を受けて転がるボールの速さは高速となるとともに、ラインがとても読みづらい。結果として、男子ツアーでも屈指の難易度を誇るグリーンとなっている。実際に、私が富士桜カントリー倶楽部でプロ達の試合を観戦に行った際に、用いられている芝にとても衝撃を受けたことがある。一般的には、フェアウェイにはコウライ芝が使用されるが、ここではL93ベントというベント芝が使用されていた。歩いた感触は、絨毯の上を歩いているような感じだ。通常、ベントはグリーンに使用することが多いが、ここではグリーンにも、そしてフェアウェイにもベントが使用されていた。この何ともいえないゴルフ場のきれいさは、メンテナンスに費用や時間を投じていることの結果であろう。
 
プレーフィー(プレー料金)について

日本のゴルフ場の平均的なプレーフィーは、平日では1万円前後であり、土日においてはより高額になる。それに比べ、プロのトーナメント会場になるコースや名門コース(例えば、東京よみうりカントリークラブ、富士桜カントリー倶楽部、太平洋御殿場など)では、平日のプレーフィーは2万円以上になる。土日では、3万円を超えるコースもある。当該ゴルフ場の客層をみると、大手企業の社長の方や政治家の方、あるいは資産家などの、いわゆる富裕層が多いことに納得できる。

現在、日本のゴルフ場は、全国に約2,400ヶ所(『じゃらんゴルフ』調べ)あり、利用者は年間約7,000万人とされる。その利用者の中には、多少高いお金を払ってでも、素晴らしいコースでプレーしたいという人もいれば、逆にできる限りコストを抑えて価格を重視する人もいる。プレーヤーのニーズは実にさまざまだ。

上記でも述べたように、名門コースは、プレーフィーが普通のゴルフ場よりも高額であるのに加え、会員の年会費なども普通のゴルフ場に比べ高額なのは確かだ。しかし、それらのゴルフ場の利用者は、それ相応の恩恵を、プレーのしやすさ、またサービスの良さで味わうことができる。さらに、ゴルフ場としても、プレーフィーや会員権の額を少し高く設定することにより、当該費用でよりよいコースメンテナンス、サービスを利用者に提供することが可能になる。これは、すなわちゴルフ場と利用者の間における相乗効果ではないだろうか。

ゴルフ場の不動産価値について

ゴルフ場の所在地は、市街地化調整区域および都市計画区域外が多く、それぞれ4割弱を占めている。このうち、市街化区域に存するゴルフ場はわずか3パーセント程度だ(資産評価システム研究センター『土地に関する調査研究「ゴルフ場用地の評価について」』平成20年3月)。当該固定資産評価額についてみると、ゴルフ場の平均単価は1平方メートルあたり2,000円程度(平成19年度)。市街化調整区域では1平方メートルあたり約2,500円、都市計画区域外では1㎡あたり約1,100円である。これに対して市街化区域においては、約11,500円と最も高い。当該評価額には、都心との距離はもちろんのこと、コースの整理や管理状態が考慮されている。具体的には、芝付の状態や手入れ、さらには散水施設の良否までもが反映されているのだ。つまり、手入れのコストをしっかりと掛けると、高い地価が実現する傾向があるということだ。

おわりに

私は、神奈川県下の某ゴルフ場に所属している。このゴルフ場のグリーンでは、マッケンジーというベント芝の最新品種が使用されている。平日のプレーフィーは、他の厚木市や相模原市にあるゴルフ場に比べて、メンバー料金は少し高めに設定されている。それにもかかわらず、平日の昼間や夏休み期間の早朝などは、駐車場はほぼ満車状態となっている。利用者の年齢層は、年配の方が中心であるが、東京都内からも訪れる人は多く見受けられる。その理由としては、都心から約1時間30分以内という立地の良さ、そして何よりも、ある程度の料金を払ってまで満足できる楽しさが、このコースにあるということであろう。やはり、ゴルフ場自体、いい経営がなされれば、いい芝を育て上げることもでき、その結果として、いいプレーヤーを多く呼び込むことができる。

こうした経営の流れが、まさにゴルフ場の価値を高めていると考える。

立川雄大 明海大学不動産学部所属、保有資格:宅地建物取引士・FP3級・住宅ローンアドバイザー・不動産キャリアパーソン、将来の夢:不動産に詳しいプロゴルファー

明海大学不動産学部小松広明准教授から一言

〇経営マインドは不動産価値に映し出される。

ゴルフ場の不動産鑑定評価実務では、費用性と収益性を考慮して当該価値が算定されます。つまり、ゴルフ場を造るのにどれほどの費用がかかるのか、また、ゴルフ場としての将来の収益がどの程度見込まれるのかによって、ゴルフ場の鑑定評価額が決まります。

不動産の収益性に着目した評価手法に収益還元法があります。不動産の価格は、将来受け取ることが見込まれる純収益の現在価値の総和とする考え方です。還元という言葉は、賃料に代表される純収益を、その根元となる価格に変換するという意味です。ゴルフ場であれば、当該収益の主な源泉は、プレー収入です。客単価に年間来場者数を乗じて算定します。客単価および来場者数が高くなれば、収益は高まり、その結果として、不動産の価値は上昇します。

つまり、いかに高い客単価を維持し、来場者数を確保するかが、不動産価値の観点からは重要となります。客単価は、ゴルフ場を利用することの満足に対する対価であると捉えると、顧客満足度を得ることが大切です。一般に、満足感は、成果が期待を上回れば得られます。

立川君が指摘するように、芝それ自体が、プレーの心地良さに影響するのであれば、顧客の満足度にも訴求することでしょう。顧客の期待を超える成果を求め続ける、その経営マインドが、終局的に不動産価値に映し出されるのでしょう。

明海大学不動産学部准教授 小松広明:専門分野:不動産ファイナンス、不動産投資行動論、筑波大博士(経営学)、不動産鑑定士、技術士(建設部門)

最終更新日:2018年08月30日

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