ポイントは量が多いものから優先してスペースを取り、同じグループのものをまとめること。無理なくしまえて使いやすくなります。
寺田さんによると、使い方別・使う人別などさまざまな分類の仕方があるそうですが、Kさん宅の場合は娘のおもちゃと本の量が多いため、下の図のように配置変更することにしました。
なんとなくグルーピングしていた見せる収納(左)から箱ごとにしまい込む収納(右)に。
おもちゃゾーン。窓に少しかかっていたカラーボックスを横にして窓下に置くことで、出窓風のスペースに。2歳の娘が「いま遊んでいるもの」を集めて低い位置に置きました。いずれは勉強に使う予定ですが、今は空いているテーブルを飾り棚がわりに。
おもちゃを箱ごとに分類。箱の中もジッパー付きビニール袋でバラバラになりにくく、分かりやすく分類した。
デッドスペースとなっていたななめ天井の下にはブロックなどの収納ケースに入ったおもちゃを集めて置いて。別の部屋で使っていた背の低い引き出しを置いてみたらピッタリ。大活躍してくれそうです。
ななめの天井を活かした収納方法。奥にはクリスマスツリーなどの使用頻度の低いものを配置。
本のゾーン。本棚を上下に分割して両側に配置して真ん中に座る場所も設け、図書館のような落ち着いたスペースに。テーブルには、床に置いていたキーボードをすぐ弾ける状態で配置しました。
本のゾーン。背の高かった本棚を分解して向かい合わせに設置したら、さながら図書館のように。
本棚を置いていた壁際にベッドを移動すると、完全にふさがっていた窓が出現!壁との間に使っていない引き戸を収めたところ、旅館風のくつろぎ感が出て、思いがけずいい感じになりました。広々としたスペースの一角なので、お子さんも怖がらずに寝られるように。
「これなら寝られる!」とこどもが喜んだベッドの配置。
●子どもでも出し入れしやすい収納の工夫
最後に、きれいに整った状態をキープするコツを教えてもらいました。
子ども部屋の場合はとくに、最初の環境づくりが大切とのこと。
・すべてのモノの置き場所をきちんと決める
・いったんすべて収納できた状態を作ってあげる
・自分できれいに出し入れできる位置・方法でしまう
・遊ぶスペースは収納と別に考える
この鉄則を守っていれば、遊んでいる間に散らかってしまっても、元のところに戻してね」と言うだけで子どもが自分で片づけられるんだそう。
「片づけなさい!」と言わなくていいなんて夢のようですが、大人の場合も全部当てはまる気が……。この鉄則はしっかり頭に入れておきたいですね。
●終わってみて
30分ほど延長したものの、無事に終了! すっかり快適な子ども部屋に変身してしまいました。その後、家族からもうれしい反応がたくさんあったようです。
「息子がついにベッドで眠りました。本好きだとは思っていなかった娘は本のゾーンを気に入ってこもって絵本を読みはじめ、まったく降りてきません(笑)」(Kさん)
これまでは散らかりすぎて子ども部屋で遊べず、リビングに持ち込んでいたおもちゃも、収納する場所が決まったのでこまめに戻すようになったそう。すっかり意識も高まって、これからもっとキレイになりそうです。
今回、ライターとして初めて整理収納指導を間近で見ましたが、あくまでさりげなく依頼者の「片づけ力」を引き出すサポートには感激! どこから手をつけたらいいか分からない、定期的に片づけているのにすぐに散らかってしまうという人は大いに試す価値アリのサービスではないでしょうか。
取材協力:
ここかじ魔法のお片づけ:定期契約の家事代行サービス(掃除)からスタートし、現在は東京とその近郊を中心に、片づけを専門に手がけている。プランは一緒に片づけるコースとスタッフが片づけるコースの2種類でいずれも4~6時間。一日一組なので当日延長も可能。依頼者の希望やライフスタイルに合わせて使いやすく整えてくれるので、サービス後もきれいな状態をキープできると評判だ。
(文:高柳涼子)