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file.021 大山町の実家で暮らすことを自然と選ぶ

2016年04月04日

夫婦漫才

file.021 大山町の実家で暮らすことを自然と選ぶ

【連載】地方の若者たちの暮らし

山の中腹にある集落の中に建つ三世代で暮らすご実家の前にて。

山の中腹にある集落の中に建つ三世代で暮らすご実家の前にて。

大山町で暮らし続けることを自然と選ぶ


注目の「若者の地方暮らし」。住宅事情を中心にその実態をリポートしていく。連載17回「雄大な山裾に広がる大山町の古民家を買う」で訪問した鳥取県大山界隈で若者の動きがあるらしい。そこで、短い期間ながら、大山町の城付シェアオフィス兼シェアハウスの「のまど間」に滞在し、大山のさまざまな若者に話を聞いた。今回、登場するのは鳥取県大山町で生まれ育ち、社会人になってからも大山町の実家で暮らす千夏さん。大山を好きになってくれる人と結婚したいという。

学校に行くのも帰るのも、なかなか大変

生まれも育ちも大山町、現在22歳の千夏さんは中学までは大山町内で通い、高校と大学は大山町にない為、高校は米子市まで、短期大学は島根の松江まで電車で通っていたとのこと。

大山町が大好きで、楽しんで暮らしているのがよくわかる。

大山町が大好きで、楽しんで暮らしているのがよくわかる。

「うちは標高が高いから、中学時代の登校は15分位で着くんですけど、下校は45分くらいかかりました。おじいちゃんに軽トラで向かえに来てもらって、自転車ごと乗せて帰ってもらったりしていました。高校は電車で通っていたんですけど、電車が1時間に1本ほどのペースなので、部活帰りに友達とどこか寄るっていうことができなくって、それが一番残念でした。短期大学は地域振興関係の学部で、地元のことと照らし合わせながら学べるので、自宅から通いました。大変でしたけど。笑」

──今は何をしているんですか?
「米子にある日本酒メーカーで出荷の仕事をしています。大学で地域の振興を勉強したので、できればそういった仕事に就きたかったんですけど、それと同時に小さなころから、ものづくりにも興味があって、伝統的で古風な継がれているものづくりにひかれて、縁あって酒造メーカーに就職することになりました。本当は造り手として入社したかったんですけど、今は営業をしています。蔵人の心や造りに対する思いが伝わるような営業を目指しています。」

都会に住みたいとは思わない。

明るい玄関。いろいろなものがフラットに置かれてる。

明るい玄関。いろいろなものがフラットに置かれてる。


──今は就職をし、会社の近くに住むという選択はないですか?
「確かにそうですね。一人暮らしができると考えたことがなかった。でも仕事から帰ってきて家族と話すというのがなかったら、やっていけないなとすごく思うんです。もうライフスタイルの一環というか。本当にくだらない会話やダラダラとした時間の過ごし方が、ストレスがぽやぽや消滅してる時間なのかなと思います。」

──都会に住みたいと思ったことはないですか?
「仕事で大阪とかに1週間位行くと、ちょっと苦しいというか、適応できていないなという気がして。すれ違うのも若い人が多くて、というか、そもそもすれ違う人が多くって、なんかこう、(大山と違って)すごい違和感を感じるし……。この子どこから来たんだろう? っていう目で見られてる気がするし、早くホテルに帰りたいって感じで。都会が嫌いってわけじゃないんですが、暮らすなら断然こっち(大山)が合っています。」

──結婚後も、できれば実家で暮らしたい!って感じですか?
「うーん、どうかなぁ。まぁ、どっちでもいいんですけど、旦那さんを選ぶ条件として、ここ(大山のこの集落)が、ここの暮らしがなんだかいいなぁと思ってくれる人じゃないと、というのはありますね。」

──大山町には、若い人は少ないですよね?
「私たちが中学の時は、1学年58人で2クラスでした。で、半分位の人は外に出たままで、半分位は残ったり出戻ったりですね。」(大山には他に2つ中学校があります)

──では、そういった中からお付き合いしたりですかね?
「同じ町内はないですねー!(笑)」

■大山町の今後
取材をした間のお隣。お正月に人が輪になって飲む姿が浮かぶ。

取材をした間のお隣。お正月に人が輪になって飲む姿が浮かぶ。

──地域活性で注目を集めだしている大山町ですが、今後、どうなって行くことを願いますか。
「ちょうど今、面白いというか、いろいろな人がまちづくりに参加して、町もさまざまなことをやりだして、今のタイミングで楽しいことを作り上げることはできると思うんですよ。それで、大事だなと思うのは若い人たちが内輪だけで盛り上がってということじゃなくって、いろんなことがにじみだすようになって、ご近所の方々にもちょっと面白いと思ってもらえるとか、ここは暮らし易いなとか最後はここで過ごしたいなと思ってもらえるような。そんなことがしたいし、大事かなって。ともかく、おじいちゃんおばあちゃんを大切にしたいです。大山はおじいちゃんおばあちゃんが多いですから。大変そうなのに、一人でなんでもしようとするし。呼んでくれたら手伝うのにといつも思います。うちの父も、昔の仲間やそのまた仲間と一人になった人間で集まって、老人のシェアハウスがあったらいいなって話してましたよ。」
──この父にしてこの子ありですね。すてきな家族ですね。

■大山の好きなところ
本当に広いお庭。庭の奥の木々や山々が借景。

本当に広いお庭。庭の奥の木々や山々が借景。

──大山のどういう所が好きですか?
「うーん、大山の景色とか自然がすごいっていうのはあるんですけど、それよりも大山のっていうか、自分の家の暮らしがいいんですよね。昔はすごく嫌だったんだけど、とにかく暮らしが古いんですよ、お風呂もマキを燃やしてたいていますし。祖父母と暮らしていることも大きいと思うんですが、季節ごとの節目というか、しきたりというか、例えばゆず湯に入るとか七草がゆを食べるとか、そういうマーケティングででき上がっていることではない、文化のある事柄とともに暮らすのが心地よいですね。正月もこっちで過ごすと、本当に正月らしい正月で、掃除して初詣帰りの来客がばーっと来てお酒ついでまわるみたいな。これぞ正月!って感じで。」
地方にはこんな豪邸がたくさんある、のも事実

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でっかいことはいいことだ!を実感する広さ

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生活経費:この内訳を見ていると、通信費の高さを再認識する

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■<取材を終えて>千夏さんや大山の若い人たちの中にもう答えはある
お風呂をたくマキ。業者の人が届けてくれたのを割って使う。贅沢な気さえする。

お風呂をたくマキ。業者の人が届けてくれたのを割って使う。贅沢な気さえする。


地域活性などでよくいわれることの一つに、老人世代と若者世代は相性が良いと。なので地域で何かをうまく進めたければ、この二世代がうまく関われる仕組を作ると良い、というのがあります。

チェーンのように連なって行くイメージです。反面、日本はどんどんと核家族化が進んでいますよね。

今回の千夏さんはそういった流れの全く逆を行く、三世代(それ以前は四世代)居住で暮らしてきています。

そんなことを考えながら千夏さんのお話を聞いてると、日本の抱える問題と呼ばれるいろいろは、実は問題になる以前に解決できていた話なのではないだろうか、という気がしてきました。

元に戻すということはできないことだと分っています。でも、見習うべきは「ここ」にあるということも分かった気がします。

(取材:森岡友樹、イラスト:上野麗子)

最終更新日:2017年01月30日


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