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不動産会社に見放された「売れない物件」ばかりを掲載する

2016年04月05日

夫婦漫才

不動産会社に見放された「売れない物件」ばかりを掲載する

面白不動産インタビュー(8)

不動産会社に見放された「売れない物件」ばかりを掲載する

物件の所有者自らが無料で情報を掲載でき、価格も自由に設定できる「リサイクル不動産」インタビュー。

不動産会社に見放された「売れない物件」ばかりを掲載する「リサイクル不動産」


買い手がみつからず、不動産会社も取り扱わない物件のみを掲載するサイト「リサイクル不動産β版」が、2016年1月20日にスタートした。物件の所有者自らが無料で情報を掲載でき、価格も自由に設定できる。運営するマンションリサーチ代表取締約の山田敏碁氏は、サイト開設の経緯を次のように説明する。

取材時、まだ掲載数は7件と少なかったが、1000万円以上の物件を減らした結果だという。

「一般的な不動産情報サイトは、物件情報を掲載するのは不動産会社。業者が扱わない物件の情報を表に出す場は今までありませんでした。買いたい方の目に触れないことには、売れる機会もありません。その機会をつくることが『リサイクル不動産』を立ち上げた一番の目的です。掲載料無料、成約手数料無料。売却を希望する方が、会員登録をすれば自由に掲載できます。『リサイクル不動産』は、ビジネスではなく社会貢献としての役割を担う事業だと考えています」

「不動産会社が扱わない物件」は意外と多い。交通の便が悪い、あまりに小さい、市街地調整区域(開発できない区域)から外れる予定が結局外れずに使い道がない……など。バブル期にこぞって建てられた新潟県湯沢町のリゾートマンションは、売却価格が数十万円まで下がっても、管理費、積立金の高さから買い手がなかなかつかず、「負動産」化しているとメディアで報じられている。所有者は使用しなくても固定資産税を払い続けなければならない。親が購入した遠方の物件を相続して困っているケースも多いという。

売れない物件は打つ手がない、そんな状況を変えたい

山田氏は、不動産実務を行う会社を経て、2011年に独立。マンション売却相場を公開するサイト「マンションナビ」や、土地・戸建ての相場を公開するサイト「Smoola(スモーラ)」を運営し、毎月千数百件もの売却情報を扱う。「マンションナビ」「スモーラ」の両サイトでは、ネットで「売りたい」という相談を受け付けており、全国の600社以上の不動産会社ネットワークを生かし、営業スタッフが間をつなぐこともあるという。しかし、そこで扱いを断られる物件が一定数存在する。

なぜ断られるのか。不動産会社は物件の売買にあたり重要事項説明や契約書の作成などを行うが、その手数料は、売買価格200万円以下の場合は一律5%と定められている。すなわち100万円の物件は5万円、10万円なら5000円。価格を下げなければ売れないような物件は、扱うだけ人件費の損になってしまうのだ。

「こうした物件は、打つ手がありません。行政に寄付しようとしても受け取ってくれない。行政が引き取るのは、基本的に売れる物件だけ。所有者が亡くなり相続を放棄すれば国庫帰属となりますが、それ以外に手放す方法はありません。この点は、行政が改善すべき問題だと考えていますが、とりあえず現状においては、CtoCで買い手をみつけるしかない。ネットで広く情報を開示すれば、利用したい方はゼロではないはず」

現在掲載があるのは、川崎市の土地や京都府のマンションなど7件(2016年3月29日現在)。掲載は1000万円以下の物件のみという条件をつけているためまだ物件数は少ないが、今後広く認知されることで、この「不動産リサイクル市場」が活発化することに期待している。

売り主、買い主、不動産会社、三者にメリット

CtoCでの売買において、心配なのはトラブルだ。

「トラブルの多くは、売買価格と連動しています。低価格であればいいという話ではありませんが、たとえば10万円の物件でトラブルが起きる可能性は少ない。心配な方は、物件近くの不動産会社をご紹介し、契約のサポートをするオプションサービスをご提供しています。不動産産業は、これまでは物件を流通させることで仲介手数料を得ていましたが、過疎化が進む地域はそれも厳しい状況になってきました。こうしたCtoCをサポートすることで手数料を得られれば、売り主と買い主だけでなく、不動産会社にもメリットがあります」

右側がこの企画を立ち上げ運営をしている遠藤氏。


IT業界から転職し、入社3年目でこのサイトの立ち上げを指揮した、同社企画・制作部の遠藤あかね氏の親御さんも、遠方に買い手がみつからず放置している不動産を所有しているという。他人事ではない状況に、遠藤氏は次のように語る。

「遠方の不動産を相続したケースに多いのですが、所有者であっても現地に行ったことがない、現状がまったくわからないという場合があります。そこで、現地調査を行ったり、写真も含めて代理で情報を入力したり、購入希望者の見学の立ち会いをするなどのオプションサービスもご用意しています。調査してみた結果、『自分で使える物件かも』と思い直し、掲載をやめて活用を考えることもまたアリだと思っています」

最後に、山田氏は今後の抱負を力強く語った。

「『地域活性化』もキーワードのひとつ。不動産は利用されないことには何も意味が生まれません。ゆくゆくは、0円以下の不動産ばかり掲載するサイトの立ち上げも考えています。差し上げてもいいとお考えの方、一般的には不便とされている物件でも活用したいとご希望されている方に開かれたマーケットを作りたい」

フリマ感覚で不動産を売買し、眠っている物件、眠っているアイデアを目覚めさせる。そういう時代に来ているのだ。

取材協力:リサイクル不動産

(取材・文:安楽由紀子)

最終更新日:2016年04月05日


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