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ガラスブロックはなぜ病院でよく見かけるのか

2016年06月02日

夫婦漫才

ガラスブロックはなぜ病院でよく見かけるのか

西村まさゆきのちょっと気になる3

ガラスブロックはなぜ病院でよく見かけるのか

公共施設でよく見かける、あのガラス

ガラスブロックはなぜ病院でよく見かけるのか

子供のころに通っていた歯医者や医院は、壁がガラスブロックだった……ような気がする。少なくとも、ぼくの行きつけだった病院は壁がガラスブロックだった。ガラスブロックの壁を見ると、かすかに消毒の匂いを思い出す。なんで病院はガラスブロックなんだろう?

ガラスブロックってこんなの

ガラスブロックを世の中の全員が知っている前提で話を進めてしまっているが、ピンと来ない方は、こちらをごらんいただきたい。

ガラスブロックこちらです


四角いガラスが並んでいるのがお分かりいただけると思うが、それがガラスブロックだ。主に、ちょっと古めの建物の玄関まわりにガラスブロックがはめこまれてるのをよく見かける。あと、印象的なのは、「ドラえもん」に出てくる、のび太の家の玄関がガラスブロックを使っていた。

扉の横の壁がガラスブロックですね。引用元:藤子不二雄「ドラえもん第1巻」小学館、1974年、総ページ:190p、該当ページは20ページ目(てんとう虫コミックス)


現在放送中のアニメを確認したら、のび太の家のガラスブロックはそのまま使われている。これが日本でいちばん有名なガラスブロックといえるかもしれない。というわけで、ガラスブロックを製造している「日本電気硝子グループ」の「電気硝子建材」東京ショールームにやってきた。

大量のガラスブロックになぜか大興奮してしまう


壁一面のガラスブロック。こういった圧倒的物量を目のあたりにすると、なぜか気持ちがアガってしまう。

取材対応してくださった、笠原さん(左)と、太田専務(中)


──今日は、ガラスブロックに関する疑問をいくつかお伺いしにやってきました。

太田専務「はい、どうぞよろしくお願いします」

──まずは単刀直入にお伺いしますが……、ガラスブロックって病院でよくみるなぁと思って……。それだけのテンションでいまここまで来てしまったんですが……。

太田専務「そうですか(笑)。病院などに使われるというのはよくいわれますね」

──ですよね……。

太田専務「ガラスブロックの特長として、自然光を通すけれども、視線を遮ることができる。という点があるんです」

──たしかに、ガラスブロックって、すりガラスになってたりして、向こう側がよく見えませんね。

太田専務「病院は、特にプライバシーが大切な場所ですので、外から丸見えにならないように、通行人と待合室にいる人の視線が合わないようによく使われますね」

──病院内の明るさを確保しつつプライバシーも保護する……。まさに、病院にうってつけじゃないですか。そういうわけだったのか……。

作り方がガラスブロックの特長を生み出す

──しかしこれ、ものすごくたくさん種類ありますけど……どうやって作ってるのでしょうか?

作り方が性能のひみつ


太田専務「作り方は、まず、器の中に溶けたガラスをいれて、それをプレスでゴンと圧をかけるんですが、すると半かけのものができるんです」

──半かけ、ですか?

太田専務「そうですね、四角い透明な灰皿みたいなものですね、それをふたつ空洞ができるように合わせまして、熱いうちにくっつけるんです」

──それでガラスブロックは中が空洞なんですね。

太田専務「空洞の中の空気は、熱で膨張してるんですが、ガラスをくっつけて次第に冷えていくと、今度は気圧が下がって、半真空状態になるんです」

──なるほど、しかし、空洞にする理由はなんなんですか? そのまま分厚いガラスではダメなんでしょうか?

太田専務「それがですね、空洞のほうが、断熱性も防音性も逆に良くなるんですよ」

──あぁそうか……。温度も音も中が空洞でかつ真空に近い方が伝わりにくいですよね。

太田専務「実はそういう特長が病院でもよく使われていた理由のひとつで、例えば歯医者の治療室と、待合室を隔てる壁なんかにもよく使われてたんです」

──採光以外にもなにか理由があったんですか?

太田専務「歯医者の虫歯を削る機械ありますよね、あの音が待合室に漏れないようにという配慮もあったみたいですね」

──なるほど、そうか……。待合室であのチュイーンって音聞くのは苦痛ですもんね……。ガラスブロックは、病院、歯医者のものはすごく印象に残っていますが、改めて考えてみると、公共施設では割と見かけていた印象はありますね。

太田専務「そうですね、学校の階段室の壁なんかも多かったと思うんですが」

──ああ、たしかに、踊り場の窓、ガラスブロックだったような気がします。

太田専務「特に学校は、昼間にしか人が居ないから、曇りぐらいの明るさがあれば階段室は電気をつけなくてもじゅうぶん明るいんです、そのぶん電気代がかからなくて済むんです」

──なるほど、省エネですね。

太田専務「あとは銀行。防犯はしたいけど、明るくしたいという場所ですね、それから、留置場なんかでも使われていたみたいですね」

──さすがにガラスブロックぶち破って泥棒したり逃げたりはちょっと難しいか。

もともとは板ガラスだった

──ガラスブロックはいつごろから使われはじめたのでしょうか?

太田専務「そうですね、今から100年ぐらい前にはもう使われていたようです。」

1930年代ごろに建てられた、パリにある『ガラスの家』(ピエール・シャロー)という建物などが有名だが、当時のガラスブロックは中に空洞があるものではなく、一枚の板だったようだ。中を空洞にしたガラスブロックは今から7、80年前、アメリカで作られはじめたという。

太田専務「もともと、日本電気硝子ではブラウン管を作っていたんです」

──そうなんですか。

太田専務「ブラウン管を作る技術、型に入れて作る技術がガラスブロックと同じなんですよ、「日本電気硝子」というのも、もともと電気製品に使うガラス製品を取り扱っていたからですね」

──社名の由来はそうなんですね

太田専務「そうです、意外と電気製品にガラスは使われていたんですよ。ブラウン管もそうですが、真空管とか」

──確かにけっこうありますね。

太田専務「ブラウン管や真空管は今ではもうあまり使われませんけど、現在でも液晶テレビ用ガラスなどでいろいろと使われてますよ」

笠原さん「今は、ガラスブロックのほかに、例えば地下鉄の壁などに使われている壁材『ネオパリエ』って商品なんですが、そういうものも作っています」

あー、これ地下鉄の駅でみたことある


──これって……地下鉄の柱とか壁じゃないですか! これも御社の製品でしたか……。

笠原さん「ガラスというか、結晶化ガラス建材と呼んでいますが、水をまったく吸収しないですし、油や酸などにも強いので掃除が簡単なんです」

これって実はガラス製だった


──これっててっきり大理石かなにかを薄く切ったものを貼り付けてると思ってました。

笠原さん「地下鉄の構内だけではなくて、汚れにくいので、建築物の外壁などにも使われてます」

日本電気硝子では、ガラスブロックだけではなく、ガラスを使った建材も作っている。

放射線を遮断する鉛入りのガラス

熱で割れにくい防災ガラス。急激な温度変化に耐える

左から ガラスなし、光の反射が非常に少ないガラス、通常のガラス


光の反射が少ないガラスは、どうかすると、本当に何もないように見える。主にショーケースなどに使われるという。

──最近は、適材適所で使われるガラスブロック、民家や病院の玄関で使われることがあまりなくなってきたような気もするが、実際はどうなんだろう?

太田専務「そうですね、最近は壁だけでなくてさまざまな場所で使われるようになってきてますね、例えばトップライト(天窓)とか」

太田専務「採光のためにトップライトをガラスブロックにするのは、上を人が歩いても平気なぐらい丈夫ですから、例えば屋上を開放している建物などでも使われていますね」

太田専務「ガラスブロック安いもので1個数百円ですから、ご自分で購入されて使われる方もいらっしゃいますよ」

床もガラスブロック


──あ、普通に買えるんですね

太田専務「もちろん買えます、モルタルなどを使わなくても、アルミフレームでジョイント可能なものもありますので、扱いやすいと思います。」

ガラスブロック同士を、モルタルなどで繋げなくても、アルミフレームでジョイントできるものもある


少し懐かしい感じのする「ガラスブロック」だが、病院や玄関でよく見かけたのは、その採光性、遮音性などのメリットを勘案したうえでの採用だったことが分かった。世の中の風景にはそれなりの理由がある、ということなのだ。

(西村まさゆき)


取材協力:電気硝子建材

最終更新日:2018年08月30日

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