2016年09月13日
夫婦漫才
冷蔵室とチルド室の違いは知ってる!?
冷蔵庫内を正しく分けていますか?

冷蔵庫の中。開けっ放しにしないようにと、中はチラ見になってしまいがちかも(写真:アフロ)
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冷蔵庫内を正しく使い分け!食材を長持ちさせよう。
冷蔵室や冷凍室、野菜室、チルド室など複数の保存場所に分かれている冷蔵庫。しかし、それらを用途に合わせてきちんと使いこなせているという人は少ないのでは?
実は筆者もそのうちの1人。最近、冷蔵庫を買い替えたのを機に、改めて説明書を読んでみたところ、正しく使いこなせていなかったことに気付きました。
大まかに分け、冷蔵室は0~10度、冷凍室は-18度以下に設定されているのが一般的です。これは、食品の腐敗を促進する原因の1つである菌の繁殖が-15度以下で止まり、10度以下で抑制されるためです。
しかし、実際には食品ごとに保存にもっと適した温度があります。そのため、最近の冷蔵庫にはより細かく温度を設定した専用の個室が設けられているのです。
そこで今回は、それぞれの設定温度や特徴、保存に適した食材などをまとめてみました。
■冷蔵室(棚部分)
温度の目安:3~5度前後
特徴:同じ冷蔵室内でも場所によって温度に違いがある。一般に冷気は下に溜まりやすいため、上段よりも下段のほうが1~2度低温。冷気の吹き出し口付近も温度が低くなりやすい。そのため、同じ室内でも腐敗しやすい食品は吹き出し口に近い奥に保存しておく。反対に冷え過ぎを避けたいものは上段手前側がよい。詰め込みすぎると冷却効率が落ちてしまうので要注意。
保存に適した食材:常備菜など調理済みの食品
■冷蔵室(ドアポケット)
温度の目安:6~10度前後
特徴:ドアの開閉による温度変化が激しいため、長持ちする食材や短期間で使い切れるものを保存しておく。
保存に適した食材:調味料、飲み物、卵
■チルド室(フレッシュルーム)
温度の目安:0~-1度前後
特徴:冷蔵室よりも温度が低く、冷凍室やパーシャル室よりも高い温度に設定されている。食品が凍る-2~0度の直前の温度のため、冷蔵室よりも長期の保存に向き、鮮度が落ちやすいが凍らせられないものに最適。低温のほうが発酵を抑えられるため、発酵食品にも向いている。ただし、水分が多い食品は凍ってしまう可能性があるので向かない。
保存に適した食材:チーズ・バター・ヨーグルトなどの乳製品、納豆・キムチなどの発酵食品、ちくわ・かまぼこなどの練製品、生タイプの麺類、豆腐、魚介・肉類などの生鮮食品(パーシャル室がない場合)
■パーシャル室
温度の目安:-2~-3度前後
特徴:チルド室よりもさらに温度が低く、微凍結の状態で保存するので、鮮度がより保てるが、完全には凍っていないため、解凍せずに食べられる。
保存に適した食材:魚介・肉類などの生鮮・加工食品
■野菜室
温度の目安:3~8度前後
特徴:低温障害を起こしやすく乾燥しやすい野菜を、適切な温度と湿度で保存できる。乾燥しやすい種類の野菜は、新聞紙やビニール袋、ラップなどに包んで保存するとより長持ちする。温度が低すぎず、深さのある冷蔵スペースなので、開封後の調味料の保存にも向いている。
保存に適した食材:野菜、果物(熱帯産以外)、調味料
■冷凍室(庫内)
温度の目安:-18~-20度前後
特徴:-18度以下の温度で冷凍保存。急速冷凍機能が付いた機種なら、ホームフリージングもできる。冷蔵室と違って、詰め込めば冷却効率が高まる。
保存に適した食材:冷凍食品、アイスクリーム、ホームフリージングした食品など
■冷凍室(ドアポケット)
温度の目安:-15~-16度前後
特徴:冷蔵室同様に、ドアの開閉により温度が上昇しやすく、冷凍庫内より高めの温度になってしまう。すぐに食べ切るものや、冷凍が必須ではない食品を保存しておく。
保存に適した食材:コーヒー、お茶、乾物、パンなど
一方、実は冷凍室には機種ごとに日本工業規格(JIS)で規定された性能指標があります。4段階の基準で、以下のとおりそれぞれ温度と冷凍食品の保存期間の目安が示されています。
※100Lあたり4.5kg以上の食品を24時間以内に-18度以下に凍結できる性能を持つ
ちなみに、現在の冷蔵庫はほとんどが「スリースター」以上の高性能なもの。しかし、それでも保存期間は約3ヶ月なので、冷凍とはいえ早めに食べ切るようにしましょう。
この他にもほとんどの冷蔵庫には温度を調整する機能が付いているはず。食品の品質を長く保つために、適した場所に食材を保存するだけでなく、季節や中身の量に応じて温度管理を行うなど、冷蔵庫をもっと便利に使いこなしてみてください。
(えみぞう)
最終更新日:2018年08月30日