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思わず回したくなる、米ポートランドの359度回転する家

2017年09月08日

夫婦漫才

思わず回したくなる、米ポートランドの359度回転する家

極小&快適空間のアイデア#20

思わず回したくなる、米ポートランドの359度回転する家

「単なる小さな四角い箱」といった風情の外観(画像:faircompanies)

日差しを好きなように取り込める“ひまわりのように回る家”

全国的にまだまだ暑い日が続いていますが、こんな時には少しでも日差しを避けたいもの。人間なら日傘や帽子が外出時に欠かせなくなりますし、家の場合にも簾や遮光カーテンなどを使って日差しを避けている方も少なくないかと思います。家に関するこうした工夫には「そもそも家の向きは変えられない」という前提でのものですが、この「前提を変えられたらどうか」というのが今回紹介する「359」という名前の付された家のお話です。


家の向きを変えることができれば、日差しの強い夏場はそれを避けるように、反対に冬場にはより多くの日光を取り入れられるようにすることができます。その結果、省エネ対策もばっちり──夏も冬もエアコンいらずで過ごせるようになります。この「359」では実際に、冬場はヒーターだけでOK、また夏の暑さもファン(扇風機)だけでしのげるようになっているそうです(ただし、wikipediaによると「それほど寒くならず湿気のある冬と、比較的乾燥しつつも温かい夏が特徴的」とされるポートランドの気候がこのあたりにどの程度影響しているかという点はちょっとよくわかりません)。


真横から陽の光が当たってる状態(画像:faircompanies)

斜めから陽が当たる方向に家の向きを調整(画像:faircompanies)


「359」は人間が手動で359度まで向きを変えられるように設計されています。大人なら1人で、子供でも2、3人が力を合わせれば向きを変えられるそうですが、こうしたことも「小さな家だからできること」ともいえそうです(モーター駆動式にすることもできなくはないでしょうが、その分仕掛けが複雑になりそうです)。


家の周囲には円形をした白い砂利のエリアが……実は家の向きを変える際の目印(画像:faircompanies)

大人ひとりでもこうやって動かすことができる(画像:faircompanies)

みんなで力を合わせればもっと簡単に動かせる(画像:faircompanies)


なお、この家が359度までしか向きを変えられないのは、360度回転にした場合、家の中心部に設けられた電気の配線や水道の配管がからまってしまうからとのこと。この家ではポートランド市で提供されている電気や上下水道を利用しているそうですが、家の設計者であるベン・カイザーさんは自宅で発電した電力のみを使って暮らす、オフグリッド化(送電線につながっていない太陽光発電システム)も想定しているとのことです。

ホームレス問題の解決支援、量産による低価格化も視野に

この建物のサイズは12フィート×12フィート(3.6メートル×3.6メートル)。このサイズを割り出す元になったのは「大きなトレーラーの荷台に積んで運べるから」という考えとのこと。つまり建築家のベンさんは、この箱のような家を「工場で生産し、各地に輸送してつかう」「量産を通じて低価格化も期待できる」ものとして考えたそうです。なお、この家のオフグリッド版について「当初は一軒9万ドル程度」という見積もりの金額がありますが、量産効果が出せればもっと安い金額で入手することも期待できるそうです。


ベンさんはもともとこの家のアイデアをポートランドでのホームレス対策の解決策として思いついたそうです。その時に家の向きまで変えられることをイメージしていたかどうかは定かではありませんが、「工場内で一度にたくさんつくる家」という部分は「359」にも引き継がれていることがわかります。


「359」を設計したベン・カイザーさん(画像:faircompanies)

小ぶりだがごく普通のユニットキッチン。クッキングヒーターがIHなのはガスを引いていないため(画像:faircompanies)

急な階段を上った二階にある寝室。収納用のクローゼットもたっぷり(画像:faircompanies)

近隣の家からの視線も向きを変えれば気にならなくなる(画像:faircompanies)

想像力を刺激する「回転する家(建物)」

「359」はいまのところ、一軒家の離れ(同じ敷地内に建つセカンドハウス)といった用途が想定されており、またこの家のオーナーはレンタルホームとしてこの建物をゲストに有料で貸し出しているそうです。「ゲスト滞在時には、窓の向きを母屋とは別の方向にする」といった配慮も実際にされているとの説明もあります。


「窓からみえる景色」は案外大きな影響を人間に与えるものです。同じ窓に向いた机で長く仕事をしている私はそんなふうに感じます(「ノートパソコン持って、どこにでも移動できるじゃないか」といわれればそれまでですが……)。そんな人間からすると、たとえば日時計のように家自体が(モーター駆動)で自動的に向きを変える「ひまわりのような家」で暮らしたら、いったいどうなるか(少しは仕事がはかどるようになるのか)といったことが気になって仕方がありません。また、何十階建といった大きな建築物が回転したら、いったいどうなるのか、といったことも気になってきて、それこそ仕事も手につかなくなってしまいそう……。そんなことで、この「359」についての話はこのへんで切り上げますが、いろいろと想像をかき立てるヒントとしてこの建物を紹介した動画(下記にリンク先)もご覧いただければと思います。


(坂和敏)


最終更新日:2017年09月08日


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