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写真:アフロ
いざというとき助かる「工務店」という存在
住居で床や壁紙、照明器具などのちょっとした破損や交換なら、ホームセンターなどで部材を購入して自分で修理できるだろう。最近ではDIYブームのおかげで、住宅修繕用の部材や電動工具も豊富かつ安価に購入できるようになった。加えて、修理の方法がウェブサイトでも紹介されているので、以前と比べて自前修理のハードルは下がっている。
しかし、「給湯器が壊れた!」「お風呂のガス釜が壊れた!」「浴室乾燥機が壊れた!」となると、さすがに個人での修理は難しいだろう。また、ネットショップや個人の並行輸入で購入した場合は、自分で工務店を探して取り付け工事を依頼しなければならない。
とはいえ、自分で工務店を探すのは意外と難しい。そもそも、どこにどんな工務店があるのか、工事の費用はどれだけかかるのか、価格は他の工務店と比べて適切なのか、工事を任せても大丈夫な腕前なのか――などなど工務店を選ぶために必要な情報もない。
そこで今回は、住宅設備工事を依頼するプロセスや、自分で工務店を探す方法を紹介する。
すべてお任せする場合:管理会社・ハウスメーカーに問い合わせる
住宅設備機器の修理や取り付けなどで工事が必要になったとき、まず連絡するのは、持ち家がマンションの場合は管理人さん、もしくは管理会社指定のサポート窓口。一軒家の場合はその家を建ててくれたハウスメーカーになる。この場合、管理会社の指定業者もしくはハウスメーカーならその作業部署などが工事を行うことになる。もし機器の「型番」が分からなくても、管理会社が把握していれば「修理をお願いします」「分かりました」で後はスムーズに作業が進む。
しかしこの場合、交換した設備機器・部品の代金はほぼメーカー希望価格(定価)となる。量販店の販売価格と比べてみれば、定価の高さに驚くだろう。そのため、管理会社(または担当者)によっては、管理会社指定の工事業者ではなく、もっと安い工務店を自分で探すよう「親切に」アドバイスしてくれることもある。
自分で購入する場合:家電量販店などで購入し、工務店に設置工事を依頼する
ここまで読むと「機器を定価で買うのはばかばかしい。自分で購入して取り付けよう」と思う人もいるかもしれない。しかし、次の条件を満たすのが難しいなら、管理会社やハウスメーカーにお願いすることを強く推奨する。
なお、この条件がクリアできたとしても、取り付け工事そのものは工務店などにお願いするようにしたい。水回り、ガス回り、電気回りの工事では、些細なミスでも生命にかかわる重篤なトラブルを起こし、ときには近隣を巻き込むこともあるからだ。そもそも資格を必要とする工事になる場合が多い。
対象の機器を確認すれば、型番が分かるケースが多い
しかし、注意書きが見えていても型番が見えない場合もあるので注意
最近では、家電量販店でも大型の住宅設備機器を扱っていることがある。機器の価格は定価よりも安くなっているので大変魅力的だが、買った後の取り付け工事には対応していないケースも多い。そのため、家電量販店から大型の住宅設備機器を購入するときには、同時に工務店も探して、かつ、購入品が届いた後に工事できるよう日程調整しなければならない。
工務店の探し方1:自治体の「工務店あっ旋サービス」を利用する
自治体によっては、工務店をあっ旋してくれる場合もある。例えば、新宿区の住宅課では、新宿区内の建設業者団体「新宿区住宅リフォーム協議会」を通して、区内の住宅で増改築や修繕を行う工務店を紹介している。希望者が工事の内容や場所、連絡先などを電話で住宅課に伝えると、新宿区住宅リフォーム協議会で条件にあう工務店を選定し、選ばれた工務店から希望者に連絡が入る。その後は、下見や工事日といった日程調整、見積もりから価格交渉、そして工事代金の支払いまで、希望者と工務店が直接やり取りをする。自治体による紹介なので信頼できる一方で、複数の業者から自分で選ぶことはできない。
住宅修繕工事等業者のあっ旋サービス(画像:新宿区公式ホームページより)
工務店の探し方2:工務店に特化した「価格比較サイト」を利用する
工務店に特化した価格比較サイトもいくつかある。このようなサイトでは、購入したい住宅設備機器を選ぶと、その製品の工事に対応できる工務店が「機器購入+工事費」の価格とともにリスト表示され、そこから複数の工務店を選んで見積もりを依頼できる。工務店を選ぶための参考情報として、利用者の口コミや評価点数も掲載しているほか、住宅設備機器に詳しくないユーザーのために、製品を選ぶポイントを製品種別ごとに紹介しているサイトもある。
住宅設備の工事業者の検索サイトはいくつかある(出典:工事屋さん.com)
工務店の探し方3:近所にいい工務店がないか聞いてみる
価格比較サイトの場合、遠方の工務店に頼むことになるケースもある。一方、近所の工務店なら出張料なしで対応してくれる場合もある。近所で工務店を探すときは、近隣住民の評判や口コミも重要な情報源になるので活用したい。近所に知り合いがいれば聞いてみたり、いつも利用しているコンビニやクリーニング店、喫茶店などの店員さんに聞いてみたりしてもいい。地元密着のお店なら、地元の情報にも詳しいし工務店との付き合いがあるケースも多い。
工務店選びで重視したいこと
工務店の当たりが付いたら、直接連絡を取ってみよう。何をいつまでに修理・設置したいのか、応急処置でもいいので急ぎたいのか。安く済ませたいのか、それとも、お金や時間がかかってもいいからしっかり修理したいのか。そのほか、アドバイスしてもらいたいことや知りたいことがあれば、事前に聞いたほうがいいだろう。
また、連絡を取ったときに見極めたいのが「担当者との相性」だ。たとえば、工事が終わった後の支払いや不具合があった場合の交渉などでは、お互いの相性が良くないと苦労する。こうしたことに注意して、実際に頼む工務店を決めてほしい。
(文・長浜 和也)
参考サイト
最終更新日:2018年08月30日
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