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キリがない家事を短時間で終わらせるドイツ流の考え方

2018年05月28日

夫婦漫才

キリがない家事を短時間で終わらせるドイツ流の考え方

ベルリン発シンプル家事ライフ3

キリがない家事を短時間で終わらせるドイツ流の考え方

キッチンの愛用品、吸水性抜群の厚手の不織布クロス。ハサミでカットできるのが便利。お手頃価格で惜しみなく使えます。

ドイツは日本よりも家事時間が短い? 

家事ってキリがないですよね? 食事の準備に片づけ、掃除。一つが終わればまた次が。人が生きていく限り、家事もまた続いていくものなのだと思います。


でも、誰だって1日24時間しかありません。そのうち約3分の1は寝ていますし(私は短時間睡眠だと調子が悪いです)、そのほかの時間は食事をしたり、入浴したり、働いたりしますから、1日中家事ができるわけではないですよね。家事をするのは快適な毎日を送るためで、家事をやるために生きているのではないはず。家事以外に、それぞれに大切な時間はあるものです。キリがない家事だからこそ、振り回されずに快適な暮らしをしたいといつも思っています。


先日、世界5ヵ国における共働き意識調査が、リンナイより発表されました。それによると、東京・ソウル・ニューヨーク・ドイツ・デンマークの共働き男女(各国100名/計500名)のうち、1日の家事時間が最も短かったのがドイツで、1.73時間だったそうです。ちなみに日本は1.88時間で、5ヵ国中3番目の長さでした。国によって生活環境やライフスタイルが違うので単純な比較はできませんが、ドイツは日本よりも、家事に費やす時間が短いことがわかります。


DIYで作ったわが家のキッチンは、洗濯機、冷蔵庫、引き出しを並べ、上にカウンタートップを渡した簡単なシステムキッチン。カウンターが広いので、ストレスなく作業できる。

シンクはイケアでいちばん小さいサイズを選択。シンクは小さくても、作業しやすいように広いカウンターのほうを優先した。

完璧ではなく、ほどよく整った家を目指す

これまでベルリンを中心に、ドイツの住まいを数多く取材してきました。取材するくらいですから、どこも住む人の個性が表れた、いいお宅です。とはいえ、すべてのお宅が完璧にビシーッと整っていて、隅から隅までピッカピカというわけでもありません。適度に整理整頓されていて、心地よくくつろげる家、という表現が的確だと思います。相手との関係性によっては、散らかった部屋を見せることに抵抗のない人もわりといます。取材した方たちは、家事に特にストレスを感じているというわけでもありませんでした。


ほどよくきちんとしていて快適な住まいは、いつも人を呼べる住まいといえるでしょう。実際に、ドイツ人はゲストをよく自宅に招きます。そして招いたら、ゲストに「ここはダイニング、ここは子ども部屋……」と、家じゅうの部屋を見せて回ります。

そんな習慣があるからこそ、常に家の中がほどよく整っているのでしょう。親は子どもが小さい頃から片付けを教えていますし、週末に家族みんなで掃除をする家庭もよく見受けられます。まとまった掃除を代行サービスに依頼することも珍しくありません。ドイツの家庭を見ていると、整理整頓と掃除のやり方が小さい頃から身についていると感じます。


またドイツの食生活は、日本に比べてとてもシンプルです。もともと土地が痩せていて食材が乏しかったという背景もあるでしょうが、食への情熱は日本人ほど抱いていないと感じます。ですから調理や片付けの労力が少ないですし、便利な調理器具や食洗機などの機械を積極的に利用して、さらに簡単にしています。その辺りはとても合理的です。


ドイツ人が家事に振り回されず、ゆとりがあるように見えるのは、こうした環境・文化による違いもあります。ですがいちばんの大きな理由は、やはりvol.1(ドイツ流の効率的な家事や部屋作りを学んでいこう)にも書いたとおり「自分の価値観が明確だから」だと思います。


以前取材したお宅のキッチン。硬水なドイツでは浄水器を使うと水垢がたまりにくく、掃除がラクで料理もおいしくできるということから、ポット型浄水器を愛用していた。

書き出せば大切なものが見えてくる 

冒頭に書いたように、家事はやりだしたら際限がありません。家事に振り回されずに家の中をほどほどに回すためには、「何をどこまでやったらOK」「何をやらないかも決める」という基準を作ると、気持ちがラクになります。


その基準は、人や家庭によって異なるもの。ひとり暮らしと、子どもがいる家庭ではライフスタイルが全然違いますし、子どもの年齢によっても変わります。ペットがいる、仕事の時間が不規則、家を不在にしがち……、人によって環境は多様ですから、万人に通用するベストな家事などありません。だからこそ、自分の価値観が大切なのだと思います。


自分なりの基準を見つけるには、現在ストレスを感じていること、理想の姿、苦にならないこと、苦手なこと、削れない時間、削れる時間などを書き連ねていくのが早道です。思いついたことを列挙していくと、自分の価値観が見えてきます。

例えば食事について考えれば、何でも手作りしたい人もいれば、お惣菜や冷凍食品を利用したい人もいます。手作り派で忙しい人は、時間があるときに作り置きするのが一つの解決策。簡単な調理や、少ない品数でよしとする考え方もあります。


結局、家の中をストレスなく適度に回すには、何にどれだけ時間と労力を費やすかがポイント。自分がやりたいこと、やれることを使える時間内でやる。それ以外のことは頻度を下げる、作業自体を簡単にする、機械に任せる、外注するなどの選択肢の中から、自分の価値観や予算に合わせて決めていくと、毎日が快適になっていくはずです。

大げさに聞こえるかもしれませんが、家事を考えることは「自分はどう生きたいか」を掘り下げることだと思っています。


文と写真/久保田由希

東京都出身。日本女子大学卒業後、出版社勤務を経てフリーライターとなる。ただ単に住んでみたいという思いから、2002年にベルリンに渡り、そのまま在住。著書、雑誌、インターネットを通してベルリンやドイツのライフスタイルについて伝えている。主な著書に『歩いてまわる小さなベルリン』『心がラクになる ドイツのシンプル家事』(大和書房)、『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)、『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)ほか多数。

最終更新日:2018年08月07日

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