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「不動産鑑定士」ってどんな仕事? どうやってなるの?

2018年05月30日

夫婦漫才

「不動産鑑定士」ってどんな仕事? どうやってなるの?

西村まさゆきのちょっと気になる

「不動産鑑定士」ってどんな仕事? どうやってなるの?

写真:アフロ

「不動産」にもいる「鑑定士」って?

鑑定士といえば、茶碗や掛け軸をグーッとにらんで「いい仕事してますねえ」という和服姿のおじさんを思い出す。

茶碗や掛け軸というものは、価値がつけば、財産になる。つまり「動産」だ。

それとは逆に、土地や建物といった動かせないものを不動の財産として「不動産」というが、そんな「不動産」にも鑑定士がいる。

富士山ひとついくら?

「不動産鑑定士」という資格があることはみなさんご存じだと思う。

ただ、字面のとおり、ぼんやりと「不動産を鑑定するんだろうな……」という理解で止まっている人も、また多いのではないか。


そこで、不動産鑑定士の西原さんに、不動産鑑定士とはいったいどんな仕事なのか、そしてどうやったらなれるのか、伺ってみることにした。


不動産鑑定士の西原さん


──「不動産鑑定士」という資格があるということは、ぼんやり知ってはいるんですが、実際に具体的なことは何一つ知らず……。


西原さん「たしかにちょっと分かりにくいかもしれません」


──やはり、字の通り「不動産を鑑定する」というのがお仕事になるんですよね?


西原さん「そうですね、鑑定自体は一戸建てなどのほか、ビルや店舗、ホテル、山など……動産以外は全部評価します」


──山ですか? 山も鑑定するんですか?


西原さん「もちろん山もです」


──なるほど……富士山はいくらぐらいか? とかもわかりますか。


西原さん「それ、前にテレビの人にも言われたんですけど、まず、富士山は国立公園(富士箱根伊豆国立公園)なので難しいというのと、地価が把握しづらいんです、データが無いので……」


──今まで売買されたことがあまり無い場所だと、価値がわからないということですよね。


西原さん「さらに、どこからどこまでが富士山なのかも分かりにくいですし……いちばん近いポイントの価格を参考に推定はできるかもしれませんが。その時はさすがに分からないですといいました」


写真:アフロ


──テレビの人はけっこう無茶振りしますからね……。


西原さん「スカイツリーと東京タワーとか」


──あー、言いそうですね。


西原さん「ただ、富士山と違って、スカイツリーも東京タワーも鑑定できないことはないですね……」


──数百億といったところですかね。


西原さん「そうでしょうね」


──ちょっと話が戻りますが、実際に山を鑑定されたことはありますか?


西原さん「私はないんですが、同じ不動産鑑定士の主人が鑑定したことはありますね、100万平方メートルで100万とか……」


──鑑定結果というのは、だいたいそれぐらいの金額で買えるよということなんでしょうか?


西原さん「いや、むしろ逆で、それぐらいの金額で売れるかどうかというところになりますね。それぐらいの金額ならば、地元の資産家や物好きなひとが買うかな……といった」


──ひと山100万とかなら欲しいかなぁ。


西原さん「本当に田舎のなんでもない山だとそれぐらいの金額になりますね、使いみちがないから」


──昔は、薪や肥料の材料をとったり用材を切り出したり、食料になるものをとったりと、色々使いみちがあったんですけどね……。


西原さん「相続しても税金取られるだけだからと売ったりすることがあるのですが、買い手がなかなかつかないことが多いんですよね」


──例えばこの山、松茸が生えるというような場合は、鑑定する時に考慮されるんですか?


西原さん「場合によっては収益還元やるかもしれないですね」


──具体的には、どんな人がどんな時に不動産鑑定を依頼するんですか?


西原さん「もちろん、一般の方が、不動産売買のときの価格の参考にする方もいらっしゃいます。あとは、相続ですね、不動産を相続する際の評価額で、場合によっては相続税が安くなる可能性もありますから。他には例えば、銀行から融資の担保物件の価値を査定してくれと頼まれることもありますね」




──不動産の価値は変動するから、鑑定した時の価格ということになるんですよね。


西原さん「そうです、価格時点というのがあって、評価書を発行する際は、価格時点というのをつけなければいけません。あくまで、不動産を評価した時点での価格ですよ、ということです」


──この資格は国家資格……なんですよね。


西原さん「そうです、一応、弁護士、公認会計士とともに『文系三大国家資格』なんて言われています」


──大学に専門の学部があったりするんですか?


西原さん「不動産学部のある大学はありますけれど、大半の不動産鑑定士は法学部や経済学部など一般的な学部出身ですね。試験科目の中には、不動産鑑定理論だけでなく、民法も会計学も経済学も入ってるんです」


──ということは、わりと全般的な知識がないとだめなんですね……。

宅建は3週間、鑑定士は実質1年

──あの、宅建(宅地建物取引士)というのがありますけれども、それとはまた別なんですか?


西原さん「それとはまた別なんですが、不動産鑑定士は、鑑定士試験を受ける前に、宅建の資格を取得する人が多いですね」


──やはり、宅建よりも不動産鑑定士の方が試験は難しいのでしょうか?


西原さん「まあ、そうですね……あまり参考にはならないと思いますが、私は宅建は三週間でとったんです」


──えぇ! すごい。


西原さん「四択なんで勘が冴えたんですよ」


──マークシートですね。だとしても、下地としての知識があってのことですよ。


西原さん「当時『三週間でマスターできる宅建』という本があって、本当に三週間でとっちゃったんです。受かると思ってなくて、でも受かっちゃったんです」


──本のタイトルどおりになるってなかなかないですよ。


西原さん「でも、不動産鑑定士は、計3回受けてます。1回目は試験の雰囲気だけ知っておこうと思って、ほとんど勉強せずに受けたんで、もちろん不合格で。ホントは2回目の時に受かろうと思って、でも失敗して、さすがにその時にバンド活動しながらの受験は無理だなと思って……」


──え! バンド活動って、音楽活動してたんですか?


西原さん「ええ、大学生のときなんですが」


──不動産鑑定士とはまったく関係がないのが意外ですね……いやーこういうことは、聞いてみないとわからないですね。


西原さん「鑑定士試験は、3回目でやっと合格しました、間に音楽活動ばかりしていた時期もありますので、実質的な勉強期間は1年。試験合格後、所定の期間で1~2年実務修習を受けて、修了考査に合格したら無事に資格取得となります。」


──鑑定士試験は一年に一回なんですね。宅建とはまったく違いますね。


ペイレスイメージズ/アフロ

中には探偵のような仕事も

──不動産鑑定士というのは、やはり現地に赴いて実際に物件を見たりすることもありますか?


西原さん「これは鑑定と言うか、調査物件なんですけれども、債権回収で担保物件を所有者さんに内緒で評価しにいったことがあって。で、私が外からジロジロ見ているのを、気づいたみたいで、追いかけられたこともありました……」


──えー、大変だ! 


西原さん「雑居ビルの1階が、ゲームセンターか飲み屋か、なにかになっていて、私が外から覗いてみたら、マジックミラーだったんですね。で、中からいかにも指定暴力団の構成員という方がお出ましになられて、急いで物陰に隠れたりとか」


──仕事内容が探偵だ! すごい。けっこうハラハラドキドキの毎日じゃないですか?


西原さん「当時、不良債権処理が多かった頃はそうでしたね……そのときは怖かった……」


──不良債権というのは、当時数百億で作ったものが、今は数億円にしかならないとか、そういうことですよね? でも、当時はその数百億で取引されてたわけですよね。


西原さん「そうですね」


写真:アフロ


──バブルの頃は、銀行もジャブジャブお金を貸すし、土地の値段もどんどん上がっていって、まあ、とにかく異常でしたよね……。


西原さん「でも、今は不良債権処理の仕事も大分減っておりますし、そもそも危険な仕事というのは滅多にありませんので、安心してチャレンジしていただきたいと思います(笑)」


──なるほど。実際は公示されている地価や路線価、取引事例などを調べて、評価額を算出して売ったり買ったりするときに役立てるのが仕事ですものね。


と、ここで、路線価や土地の公示価格ってどうやって、だれが決めているのだろう。次回は、その決め方についてさらに西原さんにお話をうかがっていく。こうご期待。


(取材・文:西村まさゆき)


最終更新日:2018年08月30日

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